- 英語リスニングに強くなる!英音研公式ブログ / 204.心に響く英語ことわざ2
公開日
2025.08.27
更新日
2025.08.31

心に響く英語ことわざ(570)「相対性理論」を発見したドイツの物理学者アルベルト・アインシュタインの名言 Learn from yesterday, live for today, hope for tomorrow.(昨日から学び、今日を生き、明日を希望に満ちて)
“Learn from yesterday, live for today, hope for tomorrow. The important thing is not to stop questioning.”
直訳は「昨日から学び、今日を生き、明日を希望に満ちて。重要なことは、疑問を持ち続けることをやめないことだ」で、似た意味のことわざに「未来は、来るべきものとしてではなく、自ら作り出すものとして捉えよ」があります。
アルベルト・アインシュタイン(Albert Einstein)の名言 Learn from yesterday, live for today, hope for tomorrow. The important thing is not to stop questioning. の意味
この言葉は、アインシュタインが人生に対する哲学を凝縮して表現したものです。過去、現在、そして未来という時間の流れを捉えつつ、その根底にある「探求心」こそが最も重要であると説いています。
この言葉が意味すること
この名言は、3つの部分に分けることができます。
- 「Learn from yesterday.」(昨日から学びなさい。) 過去の経験や失敗は、無駄ではありません。そこから教訓を学び、次に生かすことで、人は成長できます。過去を後悔するのではなく、未来への糧とすることが大切だということです。
- 「Live for today.」(今日を生きなさい。) 過去に囚われず、未来を案じすぎず、今この瞬間を精一杯生きることの重要性を示しています。目の前のことに集中し、今できる最善を尽くすことで、充実した人生を送れるというメッセージです。
- 「Hope for tomorrow.」(明日を希望に満ちて。) 希望を持つことの大切さを説いています。未来に対する楽観的な見方や期待が、私たちを前に進める原動力となります。どんな状況にあっても、より良い未来を信じることが、人生を豊かにする鍵だということです。
- 「The important thing is not to stop questioning.」(重要なことは、疑問を持ち続けることをやめないことだ。) これがこの名言の核心です。過去から学び、今を生き、未来に希望を持つためには、常に「なぜ?」という問いを持ち続けることが不可欠です。常識を疑い、新しい可能性を探求する好奇心こそが、私たちを成長させ、より良い明日を創造する力になる、とアインシュタインは言っています。
まとめ
この言葉は、私たちが人生を歩む上で必要なバランスを教えてくれます。過去から学び、今を懸命に生き、未来に希望を抱く。しかし、そのすべてを可能にするのは、私たちの内にある飽くなき探求心と疑問を持ち続ける姿勢なのです。この探求心こそが、私たち自身の人生を切り開き、ひいては世界をより良い方向へ導く力となるのです。
似た意味の英語のことわざ
- “The future belongs to those who believe in the beauty of their dreams.” (未来は、自らの夢の美しさを信じる者たちのものだ。) 未来への希望を持つこと、そしてその希望を信じ続けることの大切さを強調しています。アインシュタインの言葉の「hope for tomorrow」と通じるものがあります。
- “An ounce of practice is worth a pound of teaching.” (一オンスの実践は、一ポンドの教えに値する。) 知識を学ぶだけでなく、行動に移すことの重要性を示しています。アインシュタインの「live for today」の精神と関連しており、今を生き、行動することの価値を説いています。
- “Yesterday’s home runs don’t win today’s games.” (昨日のホームランでは今日の試合は勝てない。) 過去の成功に安住せず、常に今を懸命に努力することの重要性を説いています。「learn from yesterday」の教訓を活かしつつ、「live for today」の精神を持つことの必要性を表しています。
似た意味の日本語のことわざ
- 「温故知新」(おんこちしん) 古きを温めて新しきを知るという意味で、過去の経験や知識を深く探求することで、新しい発見や知恵を得ることを指します。アインシュタインの「Learn from yesterday」の考え方と共通しています。
- 「今日の一針、明日の十針」(きょうのいっしん、あすのじっしん) 今日やるべきことを先延ばしにすると、後でもっと大きな苦労をするという意味。今この瞬間を大切に、やるべきことをきちんとこなすことの重要性を示し、アインシュタインの「Live for today」の精神に合致します。
- 「塞翁が馬」(さいおうがうま) 人生の幸不幸は予測できないという意味。何が起こるかわからない未来に対し、一喜一憂せず、常に希望を持ち続けることの重要性を説いています。アインシュタインの「hope for tomorrow」の考え方と通じる部分があります。
アルベルト・アインシュタインの波乱万丈な生い立ち
アルベルト・アインシュタイン(1879-1955)は、20世紀最大の物理学者の一人であり、「相対性理論」を提唱したことで知られています。彼の功績は、物理学だけでなく、哲学や社会にも大きな影響を与えました。
幼少期と学生時代
1879年、ドイツのウルムでユダヤ人家庭に生まれました。幼少期は言葉を話すのが遅く、周囲からは知的障害を疑われることもあったといいます。しかし、幼い頃に父親からもらった方位磁石を見て、見えない力に興味を持ち、科学への関心を持つようになりました。 学校の規律や暗記中心の教育になじめず、成績は振るいませんでしたが、数学や物理学にはずば抜けた才能を示しました。大学入学後も授業にはあまり出席せず、独学で物理学の研究に没頭しました。
転機と相対性理論の誕生
大学卒業後、スイス特許庁の技師として働き始めます。この仕事は彼に時間的な余裕を与え、その間に独創的な物理学のアイデアを練り上げました。そして、1905年、彼は「奇跡の年」と呼ばれる年に、5つの重要な論文を発表しました。その中には、後に彼の代表作となる特殊相対性理論の基礎が含まれていました。 この理論は、時間と空間、質量とエネルギーの関係を根本から見直すもので、物理学の常識を覆しました。その中でも特に有名なのが、E=mc²という方程式です。
ノーベル賞受賞と晩年
1915年には一般相対性理論を発表し、重力の本質を解明しました。彼の名声は世界中に広まり、1921年にはノーベル物理学賞を受賞しました。 しかし、ナチスが台頭するドイツでは、ユダヤ人である彼は迫害の対象となり、1933年にアメリカへ亡命します。晩年は、世界平和を強く訴える活動家としても知られ、核兵器廃絶を呼びかけ続けました。
彼の遺産
1955年に76歳で亡くなりましたが、アインシュタインの功績は今もなお、私たちの生活に深く根ざしています。GPSの技術など、相対性理論は現代の科学技術の基盤となっています。 そして、彼の言葉や生き方は、単なる科学者の枠を超え、多くの人々にインスピレーションを与え続けています。常に疑問を持ち続け、常識にとらわれずに探求する彼の姿勢は、私たちに新しい視点と可能性を与えてくれます。
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心に響く英語ことわざ(569)Appleの創業者スティーブ・ジョブズの名言 Stay hungry. Stay foolish.(幸運は大胆な者を好む)
https://www.eionken.co.jp/note/steve-jobs-l/
心に響く英語ことわざ(571)米国大統領エイブラハム・リンカーンの名言 Give me six hours to chop down a tree and I will spend the first four sharpening the axe.(段取り八分)
https://www.eionken.co.jp/note/first-four-sharpening-the-axe/
著者Profile
山下 長幸(やました ながゆき)
・英語リスニング教育の専門家。長年、英語リスニング学習を実践・研究し、日本人に適した英語リスニング学習方法論を構築し、サービス提供のため英音研株式会社を創業。
・英語関連の著書に「生成AIをフル活用した大人の英語戦略」「英語リスニング学習にまつわるエトセトラ:学習法レビュー」「なぜ日本人は英語リスニングが苦手なのか?」など17冊がある。