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公開日
2025.08.31
更新日
2025.08.31

心に響く英語ことわざ(611)古代ギリシアの哲学者アリストテレスの名言 Good habits formed at youth make all the difference.(三つ子の魂百まで)
“Good habits formed at youth make all the difference.”
直訳は「若いうちに形成された良い習慣が、すべての違いを生み出す」で、似た意味のことわざに「三つ子の魂百まで」があります。
アリストテレス(Aristotle)の名言 Good habits formed at youth…の意味
この言葉は、古代ギリシアの哲学者であり、プラトンの弟子でもあるアリストテレスが、「習慣が人生に与える影響」について述べたものです。彼は、若いうちに身につけた良い習慣が、その後の人生を決定づける上で極めて重要であると説いています。
この言葉が意味すること
この名言は、「人間形成における習慣の役割」を強調しています。
- 「Good habits formed at youth」(若いうちに形成された良い習慣) アリストテレスは、人生の初期段階が、人格形成において最も重要な時期であると考えていました。この時期に身につけた、勤勉、正直、節度といった「良い習慣」は、その後の人生を支える強固な土台となります。
- 「make all the difference」(すべての違いを生み出す) この部分は、人生における成功や幸福、そして人間性の違いが、才能や環境といった要因だけでなく、「習慣」という日々の小さな積み重ねによって決定されることを示しています。若いうちに身につけた良い習慣は、無意識のうちに私たちの行動を良い方向へと導き、やがて大きな成果を生み出すのです。
まとめ
アリストテレスのこの言葉は、私たちに「若いうちから良い習慣を身につけること」の重要性を教えてくれます。それは、その後の人生を豊かで、意味のあるものにするための最も確実な投資なのです。
似た意味の英語のことわざ
- “Sow a thought, reap an action; sow an action, reap a habit; sow a habit, reap a character; sow a character, reap a destiny.” (思考を蒔けば行動を刈り取り、行動を蒔けば習慣を刈り取り、習慣を蒔けば人格を刈り取り、人格を蒔けば運命を刈り取る。) これは、習慣が最終的に運命を決定するという、アリストテレスの思想を詳細に説明しています。
- “Practice makes perfect.” (習うより慣れろ、練習は完璧を作る。) これは、習慣や反復練習が、スキルを向上させる上で不可欠であることを示しています。
- “The early bird gets the worm.” (早起きの鳥は虫を捕まえる。) これは、勤勉さや規律といった良い習慣が、成功に結びつくことを示しています。
似た意味の日本語のことわざ
- 「三つ子の魂百まで」(みつごのたましいひゃくまで) 幼い頃の性格や習慣は、百歳になっても変わらないという意味。アリストテレスの言葉を最も的確に表す日本語です。
- 「習い性となる」(ならいせいとなる) 習慣として身についたことは、生まれつきの性質のようになるという意味。
- 「継続は力なり」(けいぞくはちからなり) どんなことでも、継続して努力を続ければ、やがて大きな力となるという意味。良い習慣がもたらす長期的な成果を強調しています。
アリストテレス(Aristotle)の波乱万丈な生い立ち
アリストテレス(紀元前384年 – 紀元前322年)は、古代ギリシアの哲学者であり、プラトンの弟子、そしてアレクサンドロス大王の家庭教師として知られています。彼は、倫理学、政治学、論理学、生物学など、あらゆる学問分野の基礎を築き、西洋哲学に絶大な影響を与えました。
幼少期とプラトンとの出会い
紀元前384年、マケドニア王国のスタゲイロスで、王室の侍医の家庭に生まれました。彼は17歳でアテナイへ渡り、プラトンのアカデメイアに入門しました。 アリストテレスは、プラトンの最も優秀な弟子の一人となりましたが、師とは異なる独自の思想を持つようになりました。プラトンが「イデア」という目に見えない理想の世界を説いたのに対し、アリストテレスは現実世界を観察し、そこから真理を見つけ出すことを重視しました。
アレクサンドロス大王の家庭教師
プラトンの死後、アリストテレスはマケドニア王フィリッポス2世に招かれ、彼の息子である若きアレクサンドロス大王の家庭教師となりました。彼は、アレクサンドロスに哲学、政治、科学などを教え、彼の世界観に大きな影響を与えました。
「リュケイオン」の設立と学問の体系化
アレクサンドロス大王が東方遠征に出た後、アリストテレスはアテナイに戻り、自身の学園「リュケイオン」を設立しました。彼は、生徒たちとともに、様々な学問分野を体系化し、今日の学術研究の基礎を築きました。彼は、多くの著作を残し、その内容は、物理学、天文学、生物学、詩学など、多岐にわたります。
悲劇的な最期と遺産
紀元前323年にアレクサンドロス大王が若くして亡くなると、アテナイでは反マケドニアの動きが強まりました。アリストテレスは、不敬罪で告発されることを恐れ、アテナイを離れました。彼は、「アテナイ市民に二度、哲学に対して罪を犯させてはならない」という有名な言葉を残し、翌年に病で亡くなりました。 アリストテレスの生涯は、単なる思索家ではなく、現実世界を深く観察し、それを論理的に体系化しようとした偉大な知の探求者でした。彼の言葉は、私たちに、日々の習慣が、いかに私たちの運命を形作るかという、深い教訓を与え続けています。
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心に響く英語ことわざ(610)「星の王子さま」で有名なフランスの作家サン=テグジュペリの名言 What saves a man is to take a step. Then another step. It is always the same step, but you have to take it.(一歩を踏み出す)
https://www.eionken.co.jp/note/what-saves-a-man/
心に響く英語ことわざ(612)米国建国の父ベンジャミン・フランクリンの名言Energy and persistence conquer all things.(石の上にも三年)
https://www.eionken.co.jp/note/energy-and-persistence/
著者Profile
山下 長幸(やました ながゆき)
・英語リスニング教育の専門家。長年、英語リスニング学習を実践・研究し、日本人に適した英語リスニング学習方法論を構築し、サービス提供のため英音研株式会社を創業。
・英語関連の著書に「生成AIをフル活用した大人の英語戦略」「英語リスニング学習にまつわるエトセトラ:学習法レビュー」「なぜ日本人は英語リスニングが苦手なのか?」など26冊がある。
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