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公開日
2025.09.02
更新日
2025.09.02

心に響く英語ことわざ(618)米国独立に貢献した初代大統領ジョージ・ワシントンの名言 I hope I shall possess firmness and virtue enough to maintain what I consider the most enviable of all titles, the character of an honest man.(清く正しく生きる)
“I hope I shall possess firmness and virtue enough to maintain what I consider the most enviable of all titles, the character of an honest man.”
直訳は「私は、すべての称号の中で最も羨ましいと思うもの、すなわち正直な人間の人格を維持するのに十分な、確固たる意志と美徳を持つことを願う」で、似た意味のことわざに「清く正しく生きる」があります。
ジョージ・ワシントン(George Washington)の名言 I hope I shall possess…の意味
この言葉は、アメリカ合衆国の初代大統領であるジョージ・ワシントンが、「人格の重要性」について述べたものです。彼は、権力や名声といった世俗的な称号よりも、「正直な人間の人格(the character of an honest man)」を保つことこそが、人生における最高の目標であると説いています。
この言葉が意味すること
この名言は、「内面の誠実さ」が、外的な成功よりも価値があるという哲学を強調しています。
- 「the most enviable of all titles, the character of an honest man」(すべての称号の中で最も羨ましいもの、正直な人間の人格) ワシントンは、当時の最高の称号である「大統領」よりも、「正直な人間の人格」をはるかに価値あるものだと考えていました。彼は、人からの信頼や尊敬は、地位や富によって得られるものではなく、個人の誠実さという内面的な資質から生まれることを知っていました。
- 「I hope I shall possess firmness and virtue enough to maintain…」(私は、維持するのに十分な、確固たる意志と美徳を持つことを願う) この部分は、正直な人間であり続けることが、決して容易なことではないとワシントン自身が認識していたことを示しています。彼は、欲望や誘惑に負けず、誠実さを保つためには、「firmness」(確固たる意志)と「virtue」(美徳)という、強い精神的な力が必要であると述べています。
似た意味の英語のことわざ
- “Character is more important than reputation.”(評判よりも人格が重要である。) これは、他者の評価(reputation)よりも、内面的な価値(character)が重要であるという考え方を示しており、ワシントンの言葉と通じます。
- “Honesty is the best policy.”(正直は最善の策。) これは、人間関係における誠実さの重要性を説いています。
- “Wealth is not his that has it, but his that enjoys it.” (富は、それを持っている人のものではなく、それを楽しむ人のものである。) これは、ベンジャミン・フランクリンが言ったとされる言葉で、物質的な豊かさよりも、心の豊かさや満足が重要であるという点でワシントンの思想と通じます。
似た意味の日本語のことわざ
- 「清く正しく生きる」 道徳的に清く、正しい生き方を貫くという意味。ワシントンの言葉が持つ精神を的確に表す日本語です。
- 「信念は岩をも通す」(しんねんはいわをもとおす) 強い信念を持っていれば、どんなに困難なことでも成し遂げられるという意味。ワシントンの「確固たる意志」に通じます。
- 「義を見てせざるは勇なきなり」 人として行うべき正しいことと知りながら、それをしないのは勇気がないからだという意味。これは、道徳的な行動を貫くことの重要性を示しています。
ジョージ・ワシントン(George Washington)の波乱万丈な生い立ち
ジョージ・ワシントン(1732-1799)は、アメリカ合衆国の軍人であり、初代大統領を務めました。彼は、アメリカ独立戦争の英雄として、「建国の父」と称されています。
幼少期と軍人への道
1732年、ヴァージニア州の裕福な農園主の家庭に生まれました。彼は、正式な高等教育は受けていませんでしたが、測量士として働き、次第に軍人としてのキャリアを歩み始めました。 彼は、フレンチ・インディアン戦争で功績を上げ、ヴァージニアの民兵隊の指揮官となりました。
アメリカ独立戦争の指導者として
1775年、アメリカ独立戦争が始まると、彼は大陸軍の最高司令官に任命されました。彼は、装備も訓練も不十分な軍隊を率いて、イギリス軍という強大な敵と戦い、多くの困難を乗り越え、最終的に勝利へと導きました。 彼は、その卓越した軍事的才能だけでなく、その高潔な人格とカリスマ性によって、兵士たちの士気を高め、国民から深い尊敬を集めました。
初代大統領としての功績
独立戦争後、ワシントンは故郷のヴァージニアに戻り、引退を望んでいました。しかし、新国家の将来を案じた国民からの強い要請を受け、1789年、彼は初代大統領に就任しました。 彼は、民主主義の基礎を築き、大統領の権限を乱用することなく、民主的な制度の確立に尽力しました。彼は、2期8年の任期を終えた後、自ら辞任し、権力への固執がないことを示しました。
遺産
1799年、彼は67歳で亡くなりました。彼の生涯は、権力や名声よりも、誠実さ、謙虚さ、そして国家への献身を重んじた物語です。彼の言葉は、私たちに、真の偉大さは、地位や権力ではなく、その人の人格によって決まるという、普遍的な教訓を与え続けています。
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心に響く英語ことわざ(617)アイルランドの劇作家ジョージ・バーナード・ショーの名言 We don’t stop playing because we grow old; we grow old because we stop playing.(年齢は心の問題)
https://www.eionken.co.jp/note/we-dont-stop-playing/
心に響く英語ことわざ(619)米国自動車王ヘンリー・フォードの名言 Enthusiasm is the yeast that makes your hopes shine to the stars.(情熱は人生の羅針盤)
https://www.eionken.co.jp/note/enthusiasm-is-the-yeast/
著者Profile
山下 長幸(やました ながゆき)
・英語リスニング教育の専門家。長年、英語リスニング学習を実践・研究し、日本人に適した英語リスニング学習方法論を構築し、サービス提供のため英音研株式会社を創業。
・英語関連の著書に「生成AIをフル活用した大人の英語戦略」「英語リスニング学習にまつわるエトセトラ:学習法レビュー」「なぜ日本人は英語リスニングが苦手なのか?」など26冊がある。