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公開日
2025.09.08
更新日
2025.09.09

心に響く英語ことわざ(652)米国建国の父で初代大統領ジョージ・ワシントンの名言 We should not look back unless it is to derive useful lessons from past errors…(過去の失敗を恐れず、未来に向かって進む)
“We should not look back unless it is to derive useful lessons from past errors, and for the purpose of profiting by dearly bought experience.”
直訳は「過去の過ちから有益な教訓を引き出すため、そして高価な代償を払って得た経験を活かす目的のためでなければ、私たちは振り返るべきではない」で、似た意味のことわざに「失敗は成功のもと」があります。
ジョージ・ワシントン(George Washington)の名言 We should not look back…の意味
この言葉は、アメリカ合衆国の初代大統領であるジョージ・ワシントンが、「過去の失敗から学ぶことの重要性」について述べたものです。彼は、単に過去を懐かしんだり、後悔したりするのではなく、「過去の過ち(past errors)」を、未来への糧とするための「有益な教訓(useful lessons)」として捉えるべきだと説いています。
この言葉が意味すること
この名言は、「過去を振り返る目的」を明確に定義しています。
- 「We should not look back unless…」(〜でない限り、私たちは振り返るべきではない) ワシントンは、私たちが過去を振り返ることに、明確な目的がない限り、それは無益な行為であると示唆しています。彼は、後悔や自己憐憫に浸るために過去を振り返ることを戒め、私たちの焦点を、常に未来に向けるべきだと考えていました。
- 「it is to derive useful lessons from past errors…」(過去の過ちから有益な教訓を引き出すため) この部分は、過去を振り返る唯一の正当な理由を示しています。失敗や過ちを、単なる「悪い経験」として終わらせるのではなく、そこから「なぜ失敗したのか」「どうすれば良かったのか」といった教訓を「引き出す(derive)」ことの重要性を強調しています。
- 「…and for the purpose of profiting by dearly bought experience.」(…そして高価な代償を払って得た経験を活かす目的のため) この「高価な代償を払った経験」とは、失敗や挫折によって生じた、時間、お金、あるいは精神的な苦痛といったものを指しています。ワシントンは、これらの苦い経験を、単なる損失としてではなく、「利益(profit)」をもたらす、貴重な財産として捉えるべきだと説いています。
似た意味の英語のことわざ
- “Failure is the mother of success.” (失敗は成功の母。) これは、失敗から学び、それを次に活かすことで、成功につながるという意味で、ワシントンの言葉を的確に表すことわざです。
- “The only thing we have to fear is fear itself.” (我々が恐れるべき唯一のものは、恐れそのものである。) これはフランクリン・D・ルーズベルトの名言で、ワシントンの言葉が持つ、過去の失敗を恐れず、未来に向かって進むという精神と通じます。
- “Where there is a will, there is a way.” (意志あるところに道は開ける。) これは、強い意志や決意があれば、必ず成功への道が見つかるという意味で、その意志は、過去の失敗から得られた教訓によって、より強固なものになります。
似た意味の日本語のことわざ
- 「失敗は成功のもと」(しっぱいはせいこうのもと) 失敗しても、その原因を究明し、反省して改善すれば、次の成功につながるという意味。ワシントンの言葉を最も的確に表す日本語です。
- 「雨降って地固まる」(あめふってじかたまる) 困難なことがあった後には、かえって物事が良い方向に向かう、という意味。
- 「転んでもただでは起きぬ」(ころんでもただではおきぬ) 失敗しても、ただでは終わらせず、何かを学び、次に活かすという意味。
ジョージ・ワシントン(George Washington)の波乱万丈な生い立ち
ジョージ・ワシントン(1732-1799)は、アメリカ合衆国の初代大統領であり、アメリカ独立戦争における大陸軍総司令官を務めました。彼は、「建国の父」として、アメリカの歴史に最も偉大な人物の一人として名を残しています。
幼少期と軍人への道
1732年、バージニア植民地の裕福な農場主の家庭に生まれました。彼は、正式な教育をほとんど受けませんでしたが、読書や数学を独学で学びました。 20代で、彼はバージニア民兵隊の将校となり、フレンチ・インディアン戦争に参加しました。この経験が、彼の軍事的才能を磨き、後の独立戦争での成功につながりました。
独立戦争と大統領への道
1775年、彼は、イギリスからの独立を目指す大陸軍の総司令官に任命されました。彼は、圧倒的な戦力差にもかかわらず、ゲリラ戦や戦略的な撤退を駆使し、最終的にイギリス軍を破り、アメリカの独立を勝ち取りました。 独立戦争後、彼は、大統領という新しい役職に就き、初代大統領として、新しい国の基盤を築きました。彼は、党派的な争いを避け、国家の統一を最優先に考えました。
晩年と遺産
ワシントンは、2期8年務めた後、自ら大統領職を辞任し、後進に道を譲りました。彼は、政治権力の私物化を嫌い、民主主義の理想を体現しました。 1799年、彼は67歳で亡くなりました。 ジョージ・ワシントンの生涯は、困難な時代に、その指導力と知恵によって、新しい国を築き上げた物語です。彼の言葉は、私たちに、過去の失敗を、未来の成功のための貴重な教訓として捉えることの重要性を教えてくれます。
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心に響く英語ことわざ(651)「マイ・フェア・レディ」の原作者として有名なアイルランドの劇作家バーナード・ショーの名言 I learned long ago, never to wrestle with a pig. You get dirty, and besides, the pig likes it.(関わるな、放っておけ)
https://www.eionken.co.jp/note/i-learned-long-ago/
心に響く英語ことわざ(653)米国の自動車王ヘンリー・フォードの名言 There are no big problems, there are just a lot of little problems.(どんな困難な問題でも分割して考える)
https://www.eionken.co.jp/note/there-are-no-big-problems/
著者Profile
山下 長幸(やました ながゆき)
・英語リスニング教育の専門家。長年、英語リスニング学習を実践・研究し、日本人に適した英語リスニング学習方法論を構築し、サービス提供のため英音研株式会社を創業。
・英語関連の著書に「生成AIをフル活用した大人の英語戦略」「英語リスニング学習にまつわるエトセトラ:学習法レビュー」「なぜ日本人は英語リスニングが苦手なのか?」など26冊がある。
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