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公開日
2025.09.12
更新日
2025.09.12

心に響く英語ことわざ(668)古代ギリシアの哲学者ソクラテスの名言 False words are not only evil in themselves, but they infect the soul with evil.(人を呪わば穴二つ)
“False words are not only evil in themselves, but they infect the soul with evil.”
直訳は「偽りの言葉は、それ自体が悪であるだけでなく、魂を悪で汚染する」で、似た意味のことわざに「人を呪わば穴二つ」があります。
ソクラテス(Socrates)の名言 False words are not only evil…の意味
この言葉は、古代ギリシアの哲学者であるソクラテスが、「言葉の力と道徳的責任」について述べたものです。彼は、嘘や偽りの言葉が、単に他者を欺くだけでなく、それを語る自身の「魂(soul)」をも汚染し、その人間を内面的に悪へと導いていくと説いています。
この言葉が意味すること
この名言は、「言葉と精神の相互作用」を強調しています。
- 「False words are not only evil in themselves」(偽りの言葉は、それ自体が悪であるだけでなく) ソクラテスは、この言葉で、嘘や偽りが、それ自体が「悪(evil)」であるという、普遍的な道徳的真理を述べています。しかし、彼は、その悪が、他者への影響に留まらないことを示唆しています。
- 「but they infect the soul with evil.」(しかし、魂を悪で汚染する) この部分が、この言葉の核心です。ソクラテスは、嘘をつくという行為が、その人間の「魂」、つまり精神や内面を、病気のように「汚染(infect)」していくと警告しています。一度嘘をつくと、さらにそれを隠すために、別の嘘をつかなければならなくなります。この連鎖が、その人の魂を、徐々に悪で満たしていくのです。
似た意味の英語のことわざ
- “The greatest good is the knowledge of oneself.” (最大の善は、自己を知ることである。) これはソクラテス自身の言葉で、自己を知り、自己を律することの重要性を強調しています。
- “Where there is a will, there is a way.” (意志あるところに道は開ける。) これは、強い意志や決意があれば、必ず成功への道が見つかるという意味で、その意志は、真実の言葉から生まれます。
- “Better three hours too soon than a minute too late.” (1分遅れるよりも、3時間早く着く方が良い。) これはウィリアム・シェイクスピアの名言で、言葉だけでなく、行動に移すことの重要性を説いています。
似た意味の日本語のことわざ
- 「情けは人の為ならず」(なさけはひとのためならず) 人に親切にすることは、いずれ自分に良い報いとなって返ってくるという意味。ソクラテスの言葉は、その「報い」が、善行だけでなく、悪行にも当てはまることを示唆しています。
- 「人を呪わば穴二つ」(ひとをのろわばあなふたつ) 他人を呪い殺そうとすれば、自分の墓穴も掘ることになる、という意味。
- 「口は災いの元」(くちはわざわいのもと) 不用意な発言や嘘が、身の破滅を招く原因となるという意味。
ソクラテス(Socrates)の波乱万丈な生い立ち
ソクラテス(紀元前470年頃 – 紀元前399年)は、古代ギリシアの哲学者であり、西洋哲学の基礎を築いた人物です。彼は、著作を残さず、対話を通じて、人々に真理を探求することを促しました。
幼少期と哲学への道
紀元前470年頃、アテナイで、石工の父と助産師の母の間に生まれました。彼は、その生涯を通じて、質素な生活を送りました。 ソクラテスは、自らを「無知の知」と称し、自分自身が何も知らないということを知っているということを、人々に説きました。彼は、アテナイの街を歩き回り、若者や政治家たちと対話を行い、彼らの思考を問い詰めることで、真理へと導きました。
裁判と死
ソクラテスの思想は、当時のアテナイの若者たちに大きな影響を与えましたが、同時に、保守的な権力者たちの反発を招きました。 紀元前399年、彼は、「神々を否定し、若者を堕落させた」という罪で告発され、裁判にかけられました。彼は、自身の無罪を主張しましたが、死刑を宣告されました。 彼は、死刑執行を前に、弟子たちに逃亡を勧められましたが、彼は、「悪法もまた法なり」と述べ、自ら毒杯を仰ぎ、静かにその生涯を終えました。
遺産
ソクラテスの思想は、彼の弟子であるプラトンによって、著作として記録され、後世に伝えられました。プラトンの著作『ソクラテスの弁明』は、ソクラテスの生涯と、その哲学を伝える最も重要な文献です。 ソクラテスの生涯は、真理と正義のために、命をかけて戦った物語です。彼の言葉は、私たちに、言葉が持つ力と、それに対する道徳的責任について、深く考えさせられます。
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心に響く英語ことわざ(667)交流電気システムを考案した米国の発明家ニコラ・テスラの名言 Our virtues and our failings are inseparable, like force and matter. When they separate, man is no more.(美徳と欠点は共存)
https://www.eionken.co.jp/note/our-virtues-and-our-failings/
心に響く英語ことわざ(669)実存主義の祖でデンマークの哲学者キェルケゴールの名言 Patience is necessary, and one cannot reap immediately where one has sown.(石の上にも三年)
https://www.eionken.co.jp/note/patience-is-necessary/
著者Profile
山下 長幸(やました ながゆき)
・英語リスニング教育の専門家。長年、英語リスニング学習を実践・研究し、日本人に適した英語リスニング学習方法論を構築し、サービス提供のため英音研株式会社を創業。
・英語関連の著書に「生成AIをフル活用した大人の英語戦略」「英語リスニング学習にまつわるエトセトラ:学習法レビュー」「なぜ日本人は英語リスニングが苦手なのか?」など26冊がある。
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