- 英語リスニングに強くなる!英音研公式ブログ / 204.心に響く英語ことわざ2
公開日
2025.09.14
更新日
2025.09.14

心に響く英語ことわざ(681)「クリスマスキャロル」で有名な英国の作家チャールズ・ディケンズの名言 Regrets are the natural property of grey hairs.(後悔は人生の貴重な財産)
“Regrets are the natural property of grey hairs.”
直訳は「後悔は、白髪の自然な財産である」で、これは、年を重ね、白髪が増えるにつれて、「後悔」という感情が、人生の自然な一部となるという、ディケンズの深い洞察を表現したものです。
チャールズ・ディケンズ(Charles Dickens)の名言 Regrets are the natural property…の意味
この言葉は、イギリスの小説家であるチャールズ・ディケンズが、「人生と後悔の関係」について述べたものです。彼は、後悔を、単なるネガティブな感情としてではなく、「白髪」のように、人生の経験とともに、自然に生じる「財産(property)」として捉えています。
この言葉が意味すること
この名言は、「人生の経験が、後悔という形で蓄積される」という哲学を強調しています。
- 「grey hairs」(白髪) ディケンズは、この言葉で、「老い」や「人生の経験」を象徴しています。白髪は、年を重ねるにつれて、自然に増えていくものです。彼は、後悔もまた、私たちが経験を重ねるにつれて、自然に生じるものであると示唆しています。
- 「Regrets are the natural property of…」(後悔は、〜の自然な財産である) この部分が、この言葉の核心です。彼は、後悔を「財産」という、所有するもののメタファーで表現しています。この「財産」は、お金や地位といった物質的なものではありません。それは、「あの時、こうすれば良かった」という、過去の経験から得られる、貴重な教訓や知恵のことです。
まとめ
チャールズ・ディケンズのこの言葉は、私たちに「後悔を、人生の貴重な一部として受け入れること」の重要性を教えてくれます。後悔は、人生の終着点ではなく、私たちが、より良い未来を築くための、貴重な知恵なのです。
似た意味の英語のことわざ
- “Failure is the mother of success.” (失敗は成功の母。) これは、失敗から学び、それを次に活かすことで、成功につながるという意味で、ディケンズの言葉が持つ、「後悔を、自己成長の糧とする」という精神と通じます。
- “Where there is a will, there is a way.” (意志あるところに道は開ける。) これは、強い意志や決意があれば、必ず成功への道が見つかるという意味で、その道は、後悔を乗り越えることによって開かれます。
- “A journey of a thousand miles begins with a single step.” (千里の道も一歩から。) これは、どんなに大きな目標でも、最初の一歩から始まるという意味で、その一歩には、失敗や後悔のリスクが伴います。
似た意味の日本語のことわざ
- 「後悔先に立たず」(こうかいさきにたたず) 物事が起きてから後悔しても、どうにもならないという意味。
- 「蓼食う虫も好き好き」(たでくうむしもすきずき) 人の好みは様々であるという意味で、ディケンズの言葉とは直接的な関連性はありません。
- 「人生に悔いなし」(じんせいにくいなし) 後悔することなく、人生を生きるという意味。
チャールズ・ディケンズ(Charles Dickens)の波乱万丈な生い立ち
チャールズ・ディケンズ(1812-1870)は、イギリスの小説家であり、ヴィクトリア朝の社会を代表する最も偉大な作家の一人と見なされています。彼は、『オリバー・ツイスト』や『二都物語』といった不朽の名作を生み出し、当時の社会問題を、鋭く批判しました。
幼少期と貧困
1812年、イングランドのポーツマスで、海軍事務員の家庭に生まれました。彼は、幼い頃から、経済的に苦しい生活を送りました。12歳のとき、父が借金で投獄されたため、彼は、靴墨工場で働かなければなりませんでした。この経験が、彼の後の作品に大きな影響を与え、特に『オリバー・ツイスト』では、貧しい子供たちの悲惨な生活が描かれています。
作家としての成功と晩年
彼は、その後、新聞記者として働き始め、作家として頭角を現しました。彼は、そのユーモラスな文体と、社会を鋭く風刺する視点で、多くの読者の心を掴みました。 彼の作品は、当時の社会の不公正や、貧困といった問題を、多くの人々に知らしめる役割を果たしました。 彼は、その人気を博し、世界中で講演を行いました。彼は、1870年に58歳で亡くなりました。 チャールズ・ディケンズの生涯は、貧困という逆境を乗り越え、その経験を作品に昇華させ、社会の改革に貢献した物語です。彼の言葉は、私たちに、後悔を、人生の貴重な経験として受け入れ、それを未来への教訓とすることの重要性を教えてくれます。
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心に響く英語ことわざ(680)進化論を唱えた博物学者チャールズ・ダーウィンの名言 A man’s friendships are one of the best measures of his worth.(交友関係が重要)
https://www.eionken.co.jp/note/a-mans-friendships/
心に響く英語ことわざ(682)儒教開祖の孔子の名言 A superior man is modest in his speech, but exceeds in his actions.(行動は言葉よりも雄弁)
https://www.eionken.co.jp/note/a-superior-man-is-modest/
著者Profile
山下 長幸(やました ながゆき)
・英語リスニング教育の専門家。長年、英語リスニング学習を実践・研究し、日本人に適した英語リスニング学習方法論を構築し、サービス提供のため英音研株式会社を創業。
・英語関連の著書に「生成AIをフル活用した大人の英語戦略」「英語リスニング学習にまつわるエトセトラ:学習法レビュー」「なぜ日本人は英語リスニングが苦手なのか?」など26冊がある。
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