- 英語リスニングに強くなる!英音研公式ブログ / 204.心に響く英語ことわざ2
公開日
2025.09.16
更新日
2025.09.16

心に響く英語ことわざ(689)「若きウェルテルの悩み」で有名なドイツの文豪ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテの名言 I love those who yearn for the impossible.(不可能への挑戦)
“I love those who yearn for the impossible.”
直訳は「私は、不可能なことを切望する人々を愛する」で、これは、「ありえない」と諦めずに、理想を追い求める人々の姿勢に、ゲーテが深い共感を抱いていたことを表現したものです。
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ(Johann Wolfgang von Goethe)の名言 I love those who yearn…の意味
この言葉は、ドイツの詩人、劇作家、小説家、そして科学者であるヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテが、「理想を追い求める人々の価値」について述べたものです。彼は、現実的な制約に縛られることなく、「不可能(impossible)」なことを夢見て、それを実現しようと努力する人々の、その情熱と意志を、高く評価しています。
この言葉が意味すること
この名言は、「理想と挑戦」という哲学を強調しています。
- 「I love those who yearn for」(私は、~を切望する人々を愛する) ゲーテは、この言葉で、「切望(yearn)」という、強い願望を抱くことの重要性を示しています。彼は、人生の停滞や、現状維持に満足するのではなく、常に新しい目標や、より高い理想を追い求める姿勢を、高く評価していました。
- 「the impossible.」(不可能なことを) この部分が、この言葉の核心です。ゲーテは、「不可能」を、単なる限界としてではなく、挑戦する価値のある目標として捉えています。彼は、歴史上の偉大な功績の多くが、かつては「不可能」だと考えられていたことを知っていました。彼の言葉は、私たちに、常識や限界を疑い、自分の理想を追い求める勇気を持つように促しています。
似た意味の英語のことわざ
- “Where there is a will, there is a way.” (意志あるところに道は開ける。) これは、強い意志や決意があれば、必ず成功への道が見つかるという意味で、ゲーテの言葉が持つ、「不可能なこと」を実現するための「意志」の重要性と通じます。
- “A journey of a thousand miles begins with a single step.” (千里の道も一歩から。) これは、どんなに大きな目標でも、最初の一歩から始まるという意味で、その目標は、かつては「不可能」だと思われていたかもしれません。
- “Better three hours too soon than a minute too late.” (1分遅れるよりも、3時間早く着く方が良い。) これはウィリアム・シェイクスピアの名言で、ゲーテの言葉とは直接的な関連性はありません。
似た意味の日本語のことわざ
- 「為せば成る」(なせばなる) やろうと思えば何事も成し遂げられるという意味で、この言葉には、「不可能」なことにも挑戦する精神が含まれています。
- 「蓼食う虫も好き好き」(たでくうむしもすきずき) 人の好みは様々であるという意味で、ゲーテの言葉とは直接的な関連性はありません。
- 「口は災いの元」(くちはわざわいのもと) 不用意な発言や嘘が、身の破滅を招く原因となるという意味。
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ(Johann Wolfgang von Goethe)の波乱万丈な生い立ち
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ(1749-1832)は、ドイツの詩人、劇作家、小説家、そして科学者であり、ドイツ文学を代表する最も偉大な人物の一人と見なされています。彼は、『ファウスト』や『若きウェルテルの悩み』といった不朽の名作を生み出し、ヨーロッパの文学に深い影響を与えました。
幼少期と文学への情熱
1749年、ドイツのフランクフルトで、裕福な法律家の家庭に生まれました。彼は、幼い頃から、文学、科学、そして芸術に才能を発揮しました。 彼は、その後、法律を学び、法律家として活動を始めましたが、彼の真の情熱は、文学にありました。
『若きウェルテルの悩み』の成功と政治活動
1774年、彼は、小説『若きウェルテルの悩み』を出版しました。この小説は、当時のヨーロッパで、大きな社会現象を巻き起こしました。 彼は、その後、ドイツのワイマール公国に招かれ、政治家として、公国の改革に尽力しました。
『ファウスト』の執筆と晩年
ゲーテは、その後、彼のライフワークとなる、戯曲『ファウスト』の執筆を始めました。この作品は、人間の知識、情熱、そして魂の葛藤を深く描き出しており、彼の哲学の集大成であると見なされています。 彼は、1832年に82歳で亡くなりました。 ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテの生涯は、文学と科学という、二つの分野で、偉大な功績を残した物語です。彼の言葉は、私たちに、不可能なことにも挑戦する勇気と、理想を追い求める情熱の重要性を教えてくれます。
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心に響く英語ことわざ(688)「純粋理性批判で有名なドイツの哲学者イマヌエル・カントの名言 Seek not the favor of the multitude; it is seldom got by honest and lawful means. But seek the testimony of few; and number not voices, but weigh them.(少数の思慮深い人々の意見にこそ価値がある)
https://www.eionken.co.jp/note/seek-not-the-favor-of-the-multitude/
心に響く英語ことわざ(690)米国の石油王ジョン・D・ロックフェラーの名言 If you want to succeed you should strike out on new paths, rather than travel the worn paths of accepted success.(独自の道を開拓)
https://www.eionken.co.jp/note/if-you-want-to-succeed-you-should-strike/
著者Profile
山下 長幸(やました ながゆき)
・英語リスニング教育の専門家。長年、英語リスニング学習を実践・研究し、日本人に適した英語リスニング学習方法論を構築し、サービス提供のため英音研株式会社を創業。
・英語関連の著書に「生成AIをフル活用した大人の英語戦略」「英語リスニング学習にまつわるエトセトラ:学習法レビュー」「なぜ日本人は英語リスニングが苦手なのか?」など26冊がある。
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