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公開日
2025.09.16
更新日
2025.09.16

心に響く英語ことわざ(690)米国の石油王ジョン・D・ロックフェラーの名言 If you want to succeed you should strike out on new paths, rather than travel the worn paths of accepted success.(独自の道を開拓)
“If you want to succeed you should strike out on new paths, rather than travel the worn paths of accepted success.”
直訳は「成功したいなら、誰もが認める成功の踏みならされた道を行くのではなく、新しい道に踏み出すべきだ」で、これは、真の成功が、他人の真似をすることではなく、独自の道を開拓することによって得られるという、ロックフェラーの深い洞察を表現しています。
ジョン・D・ロックフェラー(John D. Rockefeller)の名言 If you want to succeed…の意味
この言葉は、アメリカの実業家であり、スタンダード・オイル社の創設者であるジョン・D・ロックフェラーが、「成功への道」について述べたものです。彼は、大多数の人々が歩む「踏みならされた道(worn paths)」は、すでに競争が激しく、大きな成功は望めないと考えていました。代わりに、「新しい道(new paths)」に挑戦し、独自の価値を創造することこそが、成功の鍵であると説いています。
この言葉が意味すること
この名言は、「イノベーションと独自性」という哲学を強調しています。
- 「the worn paths of accepted success」(誰もが認める成功の踏みならされた道) ロックフェラーは、この言葉で、「模倣」や「現状維持」という、安全な道を選びがちな人々を指しています。彼は、この道が、安定をもたらすかもしれないが、大きな成功や、新しい価値を生み出すことはできないと考えていました。
- 「you should strike out on new paths」(あなたは新しい道に踏み出すべきだ) この部分が、この言葉の核心です。ロックフェラーは、「新しい道に踏み出すこと(strike out on new paths)」を、成功への唯一の方法として提示しています。この「新しい道」は、未知で、危険に満ちているかもしれません。しかし、彼は、その困難を乗り越えることによって、誰も成し遂げたことのない、偉大な成功を手にすることができると説いています。
まとめ
ジョン・D・ロックフェラーのこの言葉は、私たちに「常識を疑い、新しいことに挑戦する勇気」の重要性を教えてくれます。真の成功は、他人の後を追うことではなく、自分だけの道を切り開くことによって得られるのです。
似た意味の英語のことわざ
- “The secret of getting ahead is getting started.” (先に進む秘訣は、始めることだ。) これはマーク・トウェインの名言で、ロックフェラーの言葉が持つ、「新しい道」にまず一歩を踏み出すことの重要性を説いています。
- “Where there is a will, there is a way.” (意志あるところに道は開ける。) これは、強い意志や決意があれば、必ず成功への道が見つかるという意味で、その道は、新しい道を切り開くことによって、初めて開かれます。
- “A journey of a thousand miles begins with a single step.” (千里の道も一歩から。) これは、どんなに大きな目標でも、最初の一歩から始まるという意味で、その一歩は、既存の道を離れ、新しい道へ向かうものです。
似た意味の日本語のことわざ
- 「為すべきを為す」(なすべきをなす) 目先の利益や欲望を気にせず、自分がすべきだと信じる正しいことを行う、という意味。ロックフェラーの言葉は、その行動が、新しい道を開拓することにつながることを示唆しています。
- 「蓼食う虫も好き好き」(たでくうむしもすきずき) 人の好みは様々であるという意味で、ロックフェラーの言葉とは直接的な関連性はありません。
- 「口は災いの元」(くちはわざわいのもと) 不用意な発言や嘘が、身の破滅を招く原因となるという意味。
ジョン・D・ロックフェラー(John D. Rockefeller)の波乱万丈な生い立ち
ジョン・D・ロックフェラー(1839-1937)は、アメリカの実業家であり、スタンダード・オイル社を創設しました。彼は、石油産業を独占し、史上最も裕福な人物の一人と見なされています。
幼少期と事業への情熱
1839年、ニューヨーク州の貧しい家庭に生まれました。彼は、幼い頃から、商才に優れ、勤勉でした。 彼は、16歳で、簿記係として働き始め、その後、穀物取引の事業を始めました。彼は、石油産業に将来性を見出し、1870年にスタンダード・オイル社を設立しました。
石油産業の独占と慈善事業
ロックフェラーは、その卓越した経営手腕で、石油精製事業を独占し、巨大な富を築き上げました。彼は、その後、信託(trust)という手法を用いて、多くの関連会社を統合し、石油産業を完全に支配しました。 しかし、彼の事業の拡大は、社会的な批判を浴びました。 晩年、ロックフェラーは、慈善事業に力を入れ、ロックフェラー財団を設立しました。彼は、教育や医療といった分野に、巨額の寄付を行い、その富を社会に還元しました。
晩年と遺産
ロックフェラーは、1937年に97歳で亡くなりました。彼の生涯は、貧困から、巨大な富を築き、そして、その富を社会に還元した物語です。 ジョン・D・ロックフェラーの言葉は、私たちに、他人の後を追うのではなく、自分だけの道を切り開くことが、真の成功につながるという、深い教訓を与え続けています。
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心に響く英語ことわざ(689)「若きウェルテルの悩み」で有名なドイツの文豪ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテの名言 I love those who yearn for the impossible.(不可能への挑戦)
https://www.eionken.co.jp/note/i-love-those-who-yearn/
著者Profile
山下 長幸(やました ながゆき)
・英語リスニング教育の専門家。長年、英語リスニング学習を実践・研究し、日本人に適した英語リスニング学習方法論を構築し、サービス提供のため英音研株式会社を創業。
・英語関連の著書に「生成AIをフル活用した大人の英語戦略」「英語リスニング学習にまつわるエトセトラ:学習法レビュー」「なぜ日本人は英語リスニングが苦手なのか?」など26冊がある。
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