- 英語リスニングに強くなる!英音研公式ブログ / 204.心に響く英語ことわざ2
公開日
2025.09.20
更新日
2025.09.21

心に響く英語ことわざ(702)「レ・ミゼラブル」で有名なフランスの文豪ヴィクトル・ユーゴーの名言 Initiative is doing the right thing without being told.(能動的な精神に真の価値がある)
“Initiative is doing the right thing without being told.”
直訳は「イニシアチブとは、言われなくても正しいことをすることである」で、これは、真の「自発性」が、指示を待つのではなく、自らの判断で正しい行動を取ることにあるという、ヴィクトル・ユーゴーの深い洞察を表現しています。
ヴィクトル・ユーゴー(Victor Hugo)の名言 Initiative is doing the right thing…の意味
この言葉は、フランスの詩人、小説家、そして劇作家であるヴィクトル・ユーゴーが、「主体的な行動の価値」について述べたものです。彼は、言われたことだけをこなす受動的な行動を否定し、「イニシアチブ(initiative)」という、能動的な精神に、真の価値があると考えていました。
この言葉が意味すること
この名言は、「自律性と道徳的な判断」を強調しています。
- 「Initiative is doing the right thing」(イニシアチブとは、正しいことをすることである) ユーゴーは、この言葉で、「正しいこと(the right thing)」を、行動の基準としています。彼は、単に新しいことを始めるだけでなく、その行動が、倫理的に、そして道徳的に正しいものであることの重要性を示しています。
- 「without being told.」(言われなくても) この部分が、この言葉の核心です。ユーゴーは、「言われなくても(without being told)」という、自律性の重要性を強調しています。彼は、外部からの指示や、他者からの承認を待つのではなく、自らの良心と判断に基づいて行動することこそが、真のイニシアチブであると説いています。
似た意味の英語のことわざ
- “The greatest good is the knowledge of oneself.” (最大の善は、自己を知ることである。) これはソクラテスの言葉で、ユーゴーの言葉が持つ、「内面的な判断に基づいて行動する」という精神と通じます。
- “Where there is a will, there is a way.” (意志あるところに道は開ける。) これは、強い意志や決意があれば、必ず成功への道が見つかるという意味で、その道は、言われる前に、自ら行動を起こすことによって開かれます。
- “A journey of a thousand miles begins with a single step.” (千里の道も一歩から。) これは、どんなに大きな目標でも、最初の一歩から始まるという意味で、その一歩は、イニシアチブから生まれます。
似た意味の日本語のことわざ
- 「率先垂範」(そっせんすいはん) 人より先に立って物事を行い、手本を示すこと。ユーゴーの言葉が持つ、「自ら行動する」という精神を的確に表す日本語です。
- 「蓼食う虫も好き好き」(たでくうむしもすきずき) 人の好みは様々であるという意味で、ユーゴーの言葉とは直接的な関連性はありません。
- 「口は災いの元」(くちはわざわいのもと) 不用意な発言や嘘が、身の破滅を招く原因となるという意味。
ヴィクトル・ユーゴー(Victor Hugo)の波乱万丈な生い立ち
ヴィクトル・ユーゴー(1802-1885)は、フランスの詩人、小説家、そして劇作家であり、ロマン主義を代表する最も偉大な作家の一人と見なされています。彼は、『レ・ミゼラブル』や『ノートルダム・ド・パリ』といった不朽の名作を生み出し、社会の不公正や、人間の苦悩を、深く描き出しました。
幼少期と文学への道
1802年、フランスのブザンソンで、軍人の家庭に生まれました。彼は、幼い頃から、文学に才能を発揮しました。 彼は、その後、詩人として、その才能を認められ、若くして、ロマン主義文学の旗手となりました。
政治家としての活動と亡命
ユーゴーは、その後、政治家としても活動し、フランスの社会問題に、積極的に関わりました。彼は、ルイ・ボナパルトの帝政に反対し、亡命を余儀なくされました。 彼は、その後、ジャージー島や、ガーンジー島といった、イギリス領の島で、約19年間の亡命生活を送りました。この間、彼は、政治的な著作を書き続け、社会の不公正を告発しました。
『レ・ミゼラブル』の執筆と晩年
ユーゴーは、亡命中、彼の代表作である『レ・ミゼラブル』の執筆を続けました。この作品は、社会の底辺で生きる人々の苦悩と、その中に見出す、人間愛を描き出しており、世界中の人々に感動を与えました。 彼は、その後、フランスへ帰国し、国民的な英雄として迎えられました。彼は、1885年に83歳で亡くなりました。 ヴィクトル・ユーゴーの生涯は、文学と政治という、二つの分野で、真理と正義を追求し、そして、その思想を、作品という形で、社会に訴え続けた物語です。彼の言葉は、私たちに、自らの良心に基づき、言われる前に、正しい行動を取ることの重要性を教えてくれます。
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心に響く英語ことわざ(701)米国独立に貢献した第3代大統領トーマス・ジェファーソンの名言 Fix reason firmly in her seat, and call to her tribunal every fact, every opinion… (理性による判断)
https://www.eionken.co.jp/note/fix-reason-firmly-in-her-seat/
心に響く英語ことわざ(703)「ロミオとジュリエット」で有名なイギリスの文豪ウィリアム・シェイクスピアの名言 Love sought is good, but given unsought, is better.(無償の愛)
https://www.eionken.co.jp/note/love-sought-is-good/
著者Profile
山下 長幸(やました ながゆき)
・英語リスニング教育の専門家。長年、英語リスニング学習を実践・研究し、日本人に適した英語リスニング学習方法論を構築し、サービス提供のため英音研株式会社を創業。
・英語関連の著書に「生成AIをフル活用した大人の英語戦略」「英語リスニング学習にまつわるエトセトラ:学習法レビュー」「なぜ日本人は英語リスニングが苦手なのか?」など26冊がある。
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