- 英語リスニングに強くなる!英音研公式ブログ / 204.心に響く英語ことわざ2
公開日
2025.09.22
更新日
2025.09.22

心に響く英語ことわざ(706)「星の王子さま」で有名なスペインの作家サン=テグジュペリの名言 For true love is inexhaustible ; the more you give, the more you have…(与えれば与えるほど増える)
“For true love is inexhaustible; the more you give, the more you have. And if you go to draw at the true fountainhead, the more water you draw, the more abundant is its flow.”
直訳は「なぜなら、真実の愛は尽きることがないからだ。与えれば与えるほど、あなたはより多くのものを持つ。そして、もし真実の泉源から水を汲みに行くなら、水を汲めば汲むほど、その流れはより豊かになる」で、これは、「愛」や「知恵」といった、精神的な豊かさが、物質的なものと異なり、与えれば与えるほど増えていくという、サン=テグジュペリの深い洞察を表現しています。
アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ(Antoine de Saint-Exupery)の名言 For true love is inexhaustible…の意味
この言葉は、フランスの作家、飛行士であるアントワーヌ・ド・サン=テグジュペリが、「愛と生命の循環」について述べたものです。彼は、物質的な富が、分かち合えば減っていくのに対し、「真実の愛(true love)」や、「真実の泉(true fountainhead)」から得られるものは、与えれば与えるほど、その人の内面を豊かにすると説いています。
この言葉が意味すること
この名言は、「無償の愛と内面の豊かさ」を強調しています。
- 「For true love is inexhaustible; the more you give, the more you have.」(なぜなら、真実の愛は尽きることがないからだ。与えれば与えるほど、あなたはより多くのものを持つ。) サン=テグジュペリは、この言葉で、「真実の愛(true love)」を、「尽きることがない(inexhaustible)」ものとしています。彼は、愛を、与えることによって減るものではなく、むしろ、与えることによって、その人の心の中に、より多くの愛が生まれると信じていました。
- 「And if you go to draw at the true fountainhead, the more water you draw, the more abundant is its flow.」(そして、もし真実の泉源から水を汲みに行くなら、水を汲めば汲むほど、その流れはより豊かになる) この部分が、この言葉の核心です。サン=テグジュペリは、「愛」を、「水」という、生命の源に例えています。彼は、この「真実の泉源(true fountainhead)」から、愛や、知識といったものを「汲めば汲むほど(the more you draw)」、その泉の流れが、「より豊かになる(more abundant is its flow)」と断言しています。
似た意味の英語のことわざ
- “The wise man does not lay up his own treasures. The more he gives to others, the more he has for his own.” (賢者は、自分自身の宝を蓄えない。他者に与えれば与えるほど、自分自身のものが増える。) これは老子の名言で、サン=テグジュペリの言葉が持つ、「与えることが、受け取ることにつながる」という思想を的確に表すことわざです。
- “Where there is a will, there is a way.” (意志あるところに道は開ける。) これは、強い意志や決意があれば、必ず成功への道が見つかるという意味で、その道は、愛を与えるという行為から生まれます。
- “A journey of a thousand miles begins with a single step.” (千里の道も一歩から。) これは、どんなに大きな目標でも、最初の一歩から始まるという意味で、その一歩は、愛を与えるという小さな行動かもしれません。
似た意味の日本語のことわざ
- 「情けは人の為ならず」(なさけはひとのためならず) 人に親切にすることは、いずれ自分に良い報いとなって返ってくるという意味。サン=テグジュペリの言葉が持つ、「他者への奉仕」が、自分自身の喜びにつながるという思想と通じます。
- 「蓼食う虫も好き好き」(たでくうむしもすきずき) 人の好みは様々であるという意味で、サン=テグジュペリの言葉とは直接的な関連性はありません。
- 「口は災いの元」(くちはわざわいのもと) 不用意な発言や嘘が、身の破滅を招く原因となるという意味。
アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ(Antoine de Saint-Exupery)の波乱万丈な生い立ち
アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ(1900-1944)は、フランスの作家、飛行士であり、『星の王子さま』の作者として、世界中で知られています。彼は、その文学的な才能だけでなく、飛行士としての経験から、人間と、宇宙の関係について、深く考察しました。
幼少期と飛行士への道
1900年、フランスのリヨンで、貴族の家庭に生まれました。彼は、幼い頃から、飛行機に強い関心を持っていました。 彼は、その後、軍のパイロットとなり、郵便飛行の仕事に就きました。この経験が、彼の後の作品に大きな影響を与え、特に『夜間飛行』や『人間の土地』では、飛行士の孤独な戦いが描かれています。
『星の王子さま』の執筆と晩年
サン=テグジュペリは、第二次世界大戦中、アメリカへ亡命し、そこで、彼の代表作である『星の王子さま』を執筆しました。この作品は、愛、友情、そして人生の意味といった、普遍的なテーマを、寓話という形で、深く描き出しています。 彼は、その後、フランス軍に復帰し、偵察飛行の任務中に消息を絶ちました。彼の最期は、謎に包まれています。 アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリの生涯は、飛行士として、そして作家として、愛と、人間の本質を探求した物語です。彼の言葉は、私たちに、愛は、与えれば与えるほど増えていくという、普遍的な真理を教えてくれます。
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心に響く英語ことわざ(705)奴隷解放に尽力した米国大統領エイブラハム・リンカーンの名言 Always bear in mind that your own resolution to succeed is more important than any other.(自らの意志で成功への道を切り開く)
https://www.eionken.co.jp/note/always-bear-in-mind/
心に響く英語ことわざ(707)古代ギリシアの哲学者アリストテレスの名言 I count him braver who overcomes his desires than him who conquers his enemies; for the hardest victory is over self.(自己に打ち勝つ)
https://www.eionken.co.jp/note/i-count-him-braver/
著者Profile
山下 長幸(やました ながゆき)
・英語リスニング教育の専門家。長年、英語リスニング学習を実践・研究し、日本人に適した英語リスニング学習方法論を構築し、サービス提供のため英音研株式会社を創業。
・英語関連の著書に「生成AIをフル活用した大人の英語戦略」「英語リスニング学習にまつわるエトセトラ:学習法レビュー」「なぜ日本人は英語リスニングが苦手なのか?」など26冊がある。
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