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公開日
2025.09.22
更新日
2025.09.22

心に響く英語ことわざ(707)古代ギリシアの哲学者アリストテレスの名言 I count him braver who overcomes his desires than him who conquers his enemies; for the hardest victory is over self.(自己に打ち勝つ)
“I count him braver who overcomes his desires than him who conquers his enemies; for the hardest victory is over self.”
直訳は「私は、敵に打ち勝つ者よりも、自分の欲望に打ち勝つ者をより勇敢だと考える。なぜなら、最も困難な勝利は、自己に打ち勝つことだからだ」で、これは、真の「勇気」が、外部の敵を打ち破ることではなく、自分自身の内なる弱さや欲望に打ち勝つことにあるという、アリストテレスの深い洞察を表現しています。
アリストテレス(Aristotle)の名言 I count him braver who overcomes…の意味
この言葉は、古代ギリシアの哲学者であるアリストテレスが、「真の勇気」について述べたものです。彼は、戦場で敵を打ち破る軍人よりも、欲望や怠惰といった、自分自身の内なる敵を克服する人々のほうが、はるかに勇敢であると説いています。
この言葉が意味すること
この名言は、「克己心と精神的な強さ」を強調しています。
- 「I count him braver who overcomes his desires than him who conquers his enemies」(私は、敵に打ち勝つ者よりも、自分の欲望に打ち勝つ者をより勇敢だと考える) アリストテレスは、この言葉で、「欲望(desires)」という、人間の内なる弱さに打ち勝つことの重要性を示しています。彼は、欲望に流されず、自己を律する人々を、「より勇敢(braver)」であると称賛しています。
- 「for the hardest victory is over self.」(なぜなら、最も困難な勝利は、自己に打ち勝つことだからだ) この部分が、この言葉の核心です。アリストテレスは、「自己に打ち勝つこと(victory is over self)」を、「最も困難な勝利(the hardest victory)」と断言しています。
似た意味の英語のことわざ
- “The greatest good is the knowledge of oneself.” (最大の善は、自己を知ることである。) これはソクラテスの言葉で、アリストテレスの言葉が持つ、「内面的な真理を探求する」という精神と通じます。
- “Where there is a will, there is a way.” (意志あるところに道は開ける。) これは、強い意志や決意があれば、必ず成功への道が見つかるという意味で、その道は、自己に打ち勝つという意志から生まれます。
- “That which does not kill us makes us stronger.” (私たちを殺さないものは、私たちをより強くする。) これは、哲学者フリードリヒ・ニーチェの名言で、逆境が、私たちをより強くするという点で、アリストテレスの言葉と通じます。
似た意味の日本語のことわざ
- 「克己心」(こっきしん) 自分の欲望や邪念に打ち克つ精神力のこと。アリストテレスの言葉を最も的確に表す日本語です。
- 「蓼食う虫も好き好き」(たでくうむしもすきずき) 人の好みは様々であるという意味で、アリストテレスの言葉とは直接的な関連性はありません。
- 「口は災いの元」(くちはわざわいのもと) 不用意な発言や嘘が、身の破滅を招く原因となるという意味。
アリストテレス(Aristotle)の波乱万丈な生い立ち
アリストテレス(紀元前384年 – 紀元前322年)は、古代ギリシアの哲学者であり、プラトンの弟子、そしてアレクサンドロス大王の家庭教師でした。彼は、倫理学、政治学、そして生物学といった、多岐にわたる分野で、後世に大きな影響を与えました。
幼少期と哲学への道
紀元前384年、現在のギリシャにあるスタゲイロスという町で、医者の家庭に生まれました。彼は、その後、アテナイへ行き、プラトンのアカデメイアで、約20年間、哲学を学びました。 彼は、師であるプラトンの「イデア論」に、批判的な立場を取り、現実世界に存在するものを、観察することの重要性を説きました。
アレクサンドロス大王の家庭教師として
アリストテレスは、その後、マケドニア王国のフィリッポス2世に招かれ、彼の息子であるアレクサンドロス大王の家庭教師を務めました。彼は、若きアレクサンドロスに、倫理学、政治学、そして科学を教えました。
著作と学問の確立
アリストテレスは、その後、アテナイに「リュケイオン」という学校を設立しました。彼は、そこで、多くの著作を執筆しました。彼の著作は、『ニコマコス倫理学』や『政治学』といった、多くの分野にわたっています。 彼は、その後、アレクサンドロス大王の死後、反マケドニアの風潮が強まり、アテナイを離れました。彼は、紀元前322年に62歳で亡くなりました。 アリストテレスの生涯は、真理と知識を追求し、そして、その思想を、著作という形で、後世に残した物語です。彼の言葉は、私たちに、真の勇気は、外部の敵ではなく、自分自身に打ち勝つことにあるという、普遍的な教訓を与え続けています。
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心に響く英語ことわざ(706)「星の王子さま」で有名なスペインの作家サン=テグジュペリの名言 For true love is inexhaustible ; the more you give, the more you have…(与えれば与えるほど増える)
https://www.eionken.co.jp/note/for-true-love-is-inexhaustible/
心に響く英語ことわざ(708)米国独立に貢献したベンジャミン・フランクリンの名言 Experience keeps a dear school, but fools will learn in no other.(愚者は高い授業料の経験からしか学べない)
https://www.eionken.co.jp/note/experience-keeps-a-dear-school/
著者Profile
山下 長幸(やました ながゆき)
・英語リスニング教育の専門家。長年、英語リスニング学習を実践・研究し、日本人に適した英語リスニング学習方法論を構築し、サービス提供のため英音研株式会社を創業。
・英語関連の著書に「生成AIをフル活用した大人の英語戦略」「英語リスニング学習にまつわるエトセトラ:学習法レビュー」「なぜ日本人は英語リスニングが苦手なのか?」など26冊がある。