- 英語リスニングに強くなる!英音研公式ブログ / 204.心に響く英語ことわざ2
公開日
2025.09.22
更新日
2025.09.23

心に響く英語ことわざ(708)米国独立に尽力したベンジャミン・フランクリンの名言 Experience keeps a dear school, but fools will learn in no other.(愚者は高い授業料の経験からしか学べない)
“Experience keeps a dear school, but fools will learn in no other.”
直訳は「経験は高い授業料を取る学校だが、愚か者はそれ以外の学校では学ばない」で、これは「経験」から学ぶことの重要性、特に、困難な経験から学ぶことの価値について、ベンジャミン・フランクリンの深い洞察を表現しています。
ベンジャミン・フランクリン(Benjamin Franklin)の名言 Experience keeps a dear school…の意味
この言葉は、アメリカ合衆国の建国の父の一人であるベンジャミン・フランクリンが、「学びの本質」について述べたものです。彼は、「経験(Experience)」を、「高い授業料(dear school)」を請求する学校に例え、この学校でしか学べない、「愚か者(fools)」がいると説いています。
この言葉が意味すること
この名言は、「経験学習と知恵」を強調しています。
- 「Experience keeps a dear school」(経験は高い授業料を取る学校だ) フランクリンは、この言葉で、「経験」が、私たちに、多くの時間、労力、そしてお金といった、「高い授業料」を要求することを認めています。失敗や、間違いから学ぶことは、苦痛を伴い、簡単なことではありません。
- 「but fools will learn in no other.」(しかし、愚か者はそれ以外の学校では学ばない) この部分が、この言葉の核心です。フランクリンは、「愚か者」を、他人の助言や、書物といった、「他の学校(other)」から学ぶことができない人々として捉えています。彼は、そのような人々が、困難な経験、つまり「高い授業料」を支払うことによってのみ、人生の教訓を学ぶことができると断言しています。
似た意味の英語のことわざ
- “The greatest good is the knowledge of oneself.” (最大の善は、自己を知ることである。) これはソクラテスの言葉で、フランクリンの言葉が持つ、「人生の経験を通じて、自己を知る」という思想と通じます。
- “Where there is a will, there is a way.” (意志あるところに道は開ける。) これは、強い意志や決意があれば、必ず成功への道が見つかるという意味で、その道は、経験から生まれます。
- “A journey of a thousand miles begins with a single step.” (千里の道も一歩から。) これは、どんなに大きな目標でも、最初の一歩から始まるという意味で、その一歩は、経験という小さな行動かもしれません。
似た意味の日本語のことわざ
- 「蓼食う虫も好き好き」(たでくうむしもすきずき) 人の好みは様々であるという意味で、フランクリンの言葉とは直接的な関連性はありません。
- 「口は災いの元」(くちはわざわいのもと) 不用意な発言や嘘が、身の破滅を招く原因となるという意味。
- 「為すべきを為す」(なすべきをなす) 目先の利益や欲望を気にせず、自分がすべきだと信じる正しいことを行う、という意味。
ベンジャミン・フランクリン(Benjamin Franklin)の波乱万丈な生い立ち
ベンジャミン・フランクリン(1706-1790)は、アメリカ合衆国の政治家、外交官、そして科学者であり、アメリカ独立戦争で、重要な役割を果たしました。彼は、避雷針の発明でも知られています。
幼少期と印刷業への道
1706年、ボストンで、貧しい石鹸職人の家庭に生まれました。彼は、正規の学校教育をほとんど受けませんでしたが、独学で、多くの知識を身につけました。 彼は、その後、印刷業の見習いとして働き始め、独自の新聞『ペンシルベニア・ガゼット』を創刊しました。
科学者、そして政治家として
フランクリンは、その後、避雷針を発明し、雷が、電気現象であることを証明しました。彼は、また、二焦点レンズや、フランクリン・ストーブといった、多くの発明を生み出しました。 彼は、その後、政治家として活動し、アメリカ独立戦争で、重要な役割を果たしました。彼は、アメリカ独立宣言の署名者の一人であり、フランスへの大使として、外交手腕を発揮し、独立戦争の勝利に貢献しました。
晩年と遺産
フランクリンは、その後、アメリカ合衆国憲法の制定にも関わりました。彼は、1790年に84歳で亡くなりました。 ベンジャミン・フランクリンの生涯は、一人の人間が、その才能と、飽くなき探究心によって、いかに国家と、世界を豊かにすることができるかを示す物語です。彼の言葉は、私たちに、経験から学ぶことの重要性を教えてくれます。
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心に響く英語ことわざ(707)古代ギリシアの哲学者アリストテレスの名言 I count him braver who overcomes his desires than him who conquers his enemies; for the hardest victory is over self.(自己に打ち勝つ)
https://www.eionken.co.jp/note/i-count-him-braver/
著者Profile
山下 長幸(やました ながゆき)
・英語リスニング教育の専門家。長年、英語リスニング学習を実践・研究し、日本人に適した英語リスニング学習方法論を構築し、サービス提供のため英音研株式会社を創業。
・英語関連の著書に「生成AIをフル活用した大人の英語戦略」「英語リスニング学習にまつわるエトセトラ:学習法レビュー」「なぜ日本人は英語リスニングが苦手なのか?」など26冊がある。
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