- 英語リスニングに強くなる!英音研公式ブログ / 204.心に響く英語ことわざ2
公開日
2025.09.23
更新日
2025.09.24

心に響く英語ことわざ(711)近代科学の祖で英国の哲学者フランシス・ベーコンの名言 Who ever is out of patience is out of possession of their soul.(忍耐が大事)
“Who ever is out of patience is out of possession of their soul.”
直訳は「忍耐を失った者は、その魂の所有権を失った者である」で、これは、「忍耐」が、「自己制御」や「精神的な安定」といった、人間の本質的な要素を維持するために不可欠であるという、フランシス・ベーコンの深い洞察を表現しています。
フランシス・ベーコン(Francis Bacon)の名言 Who ever is out of patience…の意味
この言葉は、イギリスの哲学者、政治家、そして科学者であるフランシス・ベーコンが、「忍耐と自己」について述べたものです。彼は、人が、忍耐を失い、感情的になると、それは、その人が、自分自身をコントロールできなくなり、「魂(soul)」という、最も大切なものを失ってしまうことだと説いています。
この言葉が意味すること
この名言は、「忍耐と自己制御」を強調しています。
- 「Who ever is out of patience」(忍耐を失った者) ベーコンは、この言葉で、「忍耐(patience)」を、人間が、困難や、苦悩に直面したときに、平静を保つための、重要な資質としています。彼は、忍耐を失い、感情的に行動する人々を、「自己のコントロールを失った人々」として捉えています。
- 「is out of possession of their soul.」(その魂の所有権を失った者である) この部分が、この言葉の核心です。ベーコンは、「魂の所有権(possession of their soul)」という、比喩を用いて、「自己制御」と「自己の所有権」を結びつけています。彼は、人が、感情に流され、忍耐を失うと、それは、その人が、自分自身を、感情という外部の力に引き渡してしまい、「魂の所有権を失う」ことになると断言しています。
似た意味の英語のことわざ
- “The greatest good is the knowledge of oneself.” (最大の善は、自己を知ることである。) これはソクラテスの言葉で、ベーコンの言葉が持つ、「内面的な真理を探求する」という精神と通じます。
- “Where there is a will, there is a way.” (意志あるところに道は開ける。) これは、強い意志や決意があれば、必ず成功への道が見つかるという意味で、その道は、忍耐から生まれます。
- “A journey of a thousand miles begins with a single step.” (千里の道も一歩から。) これは、どんなに大きな目標でも、最初の一歩から始まるという意味で、その一歩は、忍耐から生まれます。
似た意味の日本語のことわざ
- 「蓼食う虫も好き好き」(たでくうむしもすきずき) 人の好みは様々であるという意味で、ベーコンの言葉とは直接的な関連性はありません。
- 「口は災いの元」(くちはわざわいのもと) 不用意な発言や嘘が、身の破滅を招く原因となるという意味。
- 「為すべきを為す」(なすべきをなす) 目先の利益や欲望を気にせず、自分がすべきだと信じる正しいことを行う、という意味。
フランシス・ベーコン(Francis Bacon)の波乱万丈な生い立ち
フランシス・ベーコン(1561-1626)は、イギリスの哲学者、政治家、そして科学者であり、「経験主義」の創始者の一人と見なされています。彼は、帰納法という、科学的な研究方法を提唱し、後世に大きな影響を与えました。
幼少期と政治家への道
1561年、ロンドンで、女王エリザベス1世の側近の家庭に生まれました。彼は、その後、ケンブリッジ大学で、法律を学びました。 彼は、その後、政治家として活動を始め、法務長官、そして大法官といった、重要な役職を歴任しました。
哲学者、そして科学者として
ベーコンは、その政治活動の傍ら、哲学と科学の研究にも没頭しました。彼は、『ノヴム・オルガヌム』という著作で、「経験主義」の思想を提唱しました。 彼は、それまでの、「アリストテレス哲学」といった、観念的な哲学を批判し、「観察」と「実験」に基づいた、新しい科学的な方法論を説きました。
晩年と遺産
ベーコンは、その後、収賄の罪で告発され、失脚しました。彼は、その後、政治の世界から引退し、研究に専念しました。 彼は、1626年に65歳で亡くなりました。 フランシス・ベーコンの生涯は、政治と学問という、二つの分野で、真理と知識を追求した物語です。彼の言葉は、私たちに、人生の困難な局面でこそ、忍耐と自己制御を保つことの重要性を教えてくれます。
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心に響く英語ことわざ(710)儒教開祖の孔子の名言 To see what is right and not to do it is want of courage, or of principle.(正しいことをする勇気と信条が重要)
https://www.eionken.co.jp/note/to-see-what-is-right/
心に響く英語ことわざ(712)ノーベル文学賞を受賞したアイルランド出身の劇作家ジョージ・バーナード・ショーの名言 Some men see things as they are, and say why. I dream of things that never were, and say why not.(新しい可能性を追求)
https://www.eionken.co.jp/note/some-men-see-things-as-they-are/
著者Profile
山下 長幸(やました ながゆき)
・英語リスニング教育の専門家。長年、英語リスニング学習を実践・研究し、日本人に適した英語リスニング学習方法論を構築し、サービス提供のため英音研株式会社を創業。
・英語関連の著書に「生成AIをフル活用した大人の英語戦略」「英語リスニング学習にまつわるエトセトラ:学習法レビュー」「なぜ日本人は英語リスニングが苦手なのか?」など26冊がある。
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