- 英語リスニングに強くなる!英音研公式ブログ / 204.心に響く英語ことわざ2
公開日
2025.10.03
更新日
2025.10.03

心に響く英語ことわざ(739)『マイ・フェア・レディ』の原作者でアイルランド出身の劇作家ジョージ・バーナード・ショーの名言 The worst sin toward our fellow creatures is not to hate them, but to be indifferent to them: that’s the essence of inhumanity.(他者への無関心こそが、最も恐ろしい悪)
“The worst sin toward our fellow creatures is not to hate them, but to be indifferent to them: that’s the essence of inhumanity.”
直訳は「仲間である人間に対する最悪の罪は、彼らを憎むことではなく、彼らに無関心でいることだ。それこそが非人間性の本質である」で、これは、「憎悪」のような積極的な悪よりも、「無関心(indifference)」という関心の欠如こそが、「非人間性(inhumanity)」の最も根深い形であるという、ジョージ・バーナード・ショーの深い洞察を表現しています。
ジョージ・バーナード・ショー(George Bernard Shaw)の名言 The worst sin…の意味
この言葉は、アイルランド出身の劇作家、評論家であるジョージ・バーナード・ショーが、「道徳と人間性」について述べたものです。彼は、「憎しみ」は、少なくとも感情的な関わりを伴いますが、「無関心」は、他者の存在そのものを否定する行為であり、最も「罪深い(worst sin)」態度であると説いています。
この言葉が意味すること
この名言は、「無関心の危険性」を強調しています。
- 「The worst sin toward our fellow creatures is not to hate them, but to be indifferent to them」(仲間である人間に対する最悪の罪は、彼らを憎むことではなく、彼らに無関心でいることだ) ショーは、この言葉で、「憎しみ(hate)」と「無関心(indifference)」を対比させています。彼は、憎しみが、時に激しい衝突を引き起こすことは認めつつも、憎む対象には「人間」としての存在を認めていると指摘しています。しかし、「無関心」は、相手の苦悩や喜び、そして存在そのものを無視する行為であり、これは、人間同士のつながり、すなわち「人間性」を根本から破壊します。
- 「that’s the essence of inhumanity.」(それこそが非人間性の本質である。) この部分が、この言葉の核心です。彼は、他者の運命に対して感情を動かされない、関心を持たないという態度を、「非人間性(inhumanity)」の「本質(essence)」であると断言しています。人間は、他者との共感や連帯を通じて、人間性を保っているため、その関わりを断つ「無関心」は、最も恐ろしい悪であるという教訓です。
似た意味の英語のことわざ
- “The greatest good is the knowledge of oneself.” (最大の善は、自己を知ることである。) これはソクラテスの言葉で、ショーの言葉が持つ、「内面的な真理を探求し、行動に移す」という精神と通じます。
- “Where there is a will, there is a way.” (意志あるところに道は開ける。) これは、強い意志や決意があれば、必ず成功への道が見つかるという意味で、その道は、無関心を打ち破る意志から開かれます。
- “A journey of a thousand miles begins with a single step.” (千里の道も一歩から。) これは、どんなに大きな目標でも、最初の一歩から始まるという意味で、その一歩は、他者に興味を持つという小さな行動かもしれません。
似た意味の日本語のことわざ
- 「口は災いの元」(くちはわざわいのもと) 不用意な発言や嘘が、身の破滅を招く原因となるという意味。
- 「為すべきを為す」(なすべきをなす) 目先の利益や欲望を気にせず、自分がすべきだと信じる正しいことを行う、という意味。
ジョージ・バーナード・ショー(George Bernard Shaw)の波乱万丈な生い立ち
ジョージ・バーナード・ショー(1856-1950)は、アイルランド出身の劇作家、評論家であり、ノーベル文学賞を受賞しました。彼は、その生涯を通じて、社会の不公平や、道徳的な偽善を、ユーモアと、知的な鋭さで批判し続けました。
幼少期と文学への道
1856年、アイルランドのダブリンで生まれました。彼は、その後、ロンドンへ移り、作家として、活動を始めました。 彼は、その後、「フェビアン協会」という、社会主義の団体に所属し、社会改革を訴えました。
劇作家としての成功と晩年
ショーは、その後、『ピグマリオン』(ミュージカル『マイ・フェア・レディ』の原作)や『聖ジョーン』といった、多くの傑作を次々と発表しました。彼の戯曲は、社会問題や道徳的な問題を、深く探求するものでした。 彼は、その卓越した才能と、社会への貢献で、1925年にノーベル文学賞を受賞しました。
遺産
ショーは、1950年に94歳で亡くなりました。 ジョージ・バーナード・ショーの生涯は、一人の人間が、その才能と、飽くなき探求心によって、いかに文学と、社会を豊かにすることができるかを示す物語です。彼の言葉は、私たちに、他者への無関心こそが、最も恐ろしい悪であるという、深い教訓を与え続けています。
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心に響く英語ことわざ(738)近代科学の祖イギリスの哲学者フランシス・ベーコンの名言 By indignities men come to dignities.(成功は苦難の先にこそある)
https://www.eionken.co.jp/note/by-indignities-men-come-to-dignities/
心に響く英語ことわざ(740)米国独立に尽力した初代大統領ジョージ・ワシントンの名言 Labor to keep alive in your breast that little spark of celestial fire, called conscience.(良心という神聖な火花を守り育てる)
https://www.eionken.co.jp/note/labor-to-keep-alive-in-your-breast/
著者Profile
山下 長幸(やました ながゆき)
・英語リスニング教育の専門家。長年、英語リスニング学習を実践・研究し、日本人に適した英語リスニング学習方法論を構築し、サービス提供のため英音研株式会社を創業。
・英語関連の著書に「生成AIをフル活用した大人の英語戦略」「英語リスニング学習にまつわるエトセトラ:学習法レビュー」「なぜ日本人は英語リスニングが苦手なのか?」など26冊がある。
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