- 英語リスニングに強くなる!英音研公式ブログ / 204.心に響く英語ことわざ2
公開日
2025.10.03
更新日
2025.10.04

心に響く英語ことわざ(741)米国の自動車王ヘンリー・フォードの名言 Time and money spent in helping men to do more for themselves is far better than mere giving.(真の援助は自立を促すこと)
“Time and money spent in helping men to do more for themselves is far better than mere giving.”
直訳は「人びとが自力でより多くを成し遂げられるように助けるために費やされる時間と金は、単なる施し(giving)よりもはるかに優れている」で、これは、「真の慈善」や「援助」の本質は、一時的な物質的な援助ではなく、個人の自立心と能力を育む投資にあるという、ヘンリー・フォードの深い洞察を表現しています。
ヘンリー・フォード(Henry Ford)の名言 Time and money spent in helping men…の意味
この言葉は、フォード・モーター・カンパニーの創設者であるヘンリー・フォードが、「援助と自立支援」について述べたものです。彼は、単に「魚を与える」のではなく、「魚の釣り方を教える」という哲学を強調しています。この考えは、フォードが自身の工場労働者に対して、単に高い賃金を支払うだけでなく、教育や生活指導を通じて、彼らの生活水準と能力を高めようとした姿勢にも表れています。
この言葉が意味すること
この名言は、「自立を促す援助」を強調しています。
- 「Time and money spent in helping men to do more for themselves」(人びとが自力でより多くを成し遂げられるように助けるために費やされる時間と金) フォードは、「助ける(helping)」という行為に、「時間(Time)」という、最も貴重な資源を投資することの重要性を示しています。単に「金(money)」を渡すだけでなく、その人の能力開発や問題解決能力を高めるための教育や指導に時間を割くことこそが、真の援助であるとしています。
- 「is far better than mere giving.」(単なる施しよりもはるかに優れている。) この部分が、この言葉の核心です。「単なる施し(mere giving)」は、受ける側を依存的にし、長期的な解決には繋がりません。それに対し、自立を促す援助は、個人の尊厳と生産性を高め、社会全体の持続的な発展に貢献するという、より大きな価値を持つと断言しています。
似た意味の英語のことわざ
- “Give a man a fish and you feed him for a day; teach a man to fish and you feed him for a lifetime.” (人間に魚を与えれば一日食わせられるが、人間に魚の釣り方を教えれば一生食わせられる。) これは中国の古いことわざに由来する表現で、フォードの思想を最も直接的に表す英語のことわざです。
- “Where there is a will, there is a way.” (意志あるところに道は開ける。) これは、強い意志や決意があれば、必ず成功への道が見つかるという意味で、その道は、自立を求める意志から開かれます。
- “A journey of a thousand miles begins with a single step.” (千里の道も一歩から。) これは、どんなに大きな目標でも、最初の一歩から始まるという意味で、その一歩は、自立のための努力という小さな行動かもしれません。
似た意味の日本語のことわざ
- 「口は災いの元」(くちはわざわいのもと) 不用意な発言や嘘が、身の破滅を招く原因となるという意味。
- 「為すべきを為す」(なすべきをなす) 目先の利益や欲望を気にせず、自分がすべきだと信じる正しいことを行う、という意味。
ヘンリー・フォード(Henry Ford)の波乱万丈な生い立ち
ヘンリー・フォード(1863-1947)は、アメリカの企業家、発明家であり、フォード・モーター・カンパニーの創設者です。彼は、自動車の大衆化を可能にした「流れ作業(assembly line)」を導入したことで知られています。
幼少期と自動車への情熱
1863年、ミシガン州の農家の家庭に生まれました。彼は、幼い頃から、機械に強い関心を持っていました。 彼は、その後、デトロイトへ移り、エジソン照明会社で働き始めました。彼は、そこで、ガソリンエンジンの開発に没頭しました。
流れ作業の導入と「モデルT」の成功
フォードは、その後、フォード・モーター・カンパニーを設立し、1908年に「モデルT」を発表しました。彼は、「流れ作業」を導入することで、自動車の生産コストを大幅に下げ、自動車の大衆化を可能にしました。 彼は、また、労働者に高い賃金を支払うことで、彼らが、自社の製品を購入できるようにするという、独自の経営哲学を実践しました。
晩年と遺産
フォードは、その後、第一次世界大戦や第二次世界大戦といった、世界的な危機に直面しましたが、その卓越したリーダーシップで、会社を導きました。 彼は、1947年に83歳で亡くなりました。 ヘンリー・フォードの生涯は、一人の人間が、その才能と、不屈の精神によって、いかに産業と、世界を変えることができるかを示す物語です。彼の言葉は、私たちに、真の援助は、自立を促すことであるという、深い教訓を与え続けています。
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心に響く英語ことわざ(740)米国独立に尽力した初代大統領ジョージ・ワシントンの名言 Labor to keep alive in your breast that little spark of celestial fire, called conscience.(良心という神聖な火花を守り育てる)
https://www.eionken.co.jp/note/labor-to-keep-alive-in-your-breast/
心に響く英語ことわざ(742)古代ギリシアの哲学者ヘラクレイトスの名言 Good character is not formed in a week or a month. It is created little by little, day by day. Protracted and patient effort is needed to develop good character.(人格は日々の継続的な努力によって築かれる)
https://www.eionken.co.jp/note/good-character-is-not-formed-in-a-week/
著者Profile
山下 長幸(やました ながゆき)
・英語リスニング教育の専門家。長年、英語リスニング学習を実践・研究し、日本人に適した英語リスニング学習方法論を構築し、サービス提供のため英音研株式会社を創業。
・英語関連の著書に「生成AIをフル活用した大人の英語戦略」「英語リスニング学習にまつわるエトセトラ:学習法レビュー」「なぜ日本人は英語リスニングが苦手なのか?」など26冊がある。
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