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公開日
2025.10.04
更新日
2025.10.04

心に響く英語ことわざ(743)「若きウェルテルの悩み」で有名なドイツの文豪ゲーテの名言 Correction does much, but encouragement does more.(人を育む最良の手段は、励ましである)
“Correction does much, but encouragement does more.”
直訳は「訂正(Correction)は多くを成し遂げるが、励まし(encouragement)はそれ以上のことを成し遂げる」で、これは、「人を育む力」において、「欠点を指摘し、正すこと」よりも、「やる気を引き出し、前向きな気持ちにさせること」の方が、遥かに大きな影響力を持つという、ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテの深い洞察を表現しています。
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ(Johann Wolfgang von Goethe)の名言 Correction does much, but encouragement does more.の意味
この言葉は、ドイツの詩人、劇作家、そして思想家であるゲーテが、「教育と人間成長の原理」について述べたものです。彼は、「訂正」の必要性は認めつつも、その効果は限定的であり、人が真に成長し、能力を開花させるためには、「励まし」というポジティブな力が必要不可欠であると説いています。
この言葉が意味すること
この名言は、「励ましの優位性」を強調しています。
- 「Correction does much」(訂正は多くを成し遂げる) ゲーテは、「訂正」や「指導」が、間違いを正し、スキルを向上させる上で有用であることを認めています。しかし、その効果は、表面的な改善にとどまりがちです。人を動かすのは、理性だけではなく、感情も必要だという洞察に基づいています。
- 「but encouragement does more.」(しかし、励ましはそれ以上のことを成し遂げる。) この部分が、この言葉の核心です。「励まし」は、人の内なる自信とやる気を引き出します。欠点を指摘する代わりに可能性に焦点を当てることで、人は自発的に努力し、自己改善へと向かうことができます。ゲーテは、この内発的な力こそが、「訂正」よりも遥かに「大きなこと(more)」、つまり人格の変容や潜在能力の開花を成し遂げると断言しています。
似た意味の英語のことわざ
- “The greatest good is the knowledge of oneself.” (最大の善は、自己を知ることである。) これはソクラテスの言葉で、ゲーテの言葉が持つ、「内面的な自信を育む」という精神と通じます。
- “Where there is a will, there is a way.” (意志あるところに道は開ける。) これは、強い意志や決意があれば、必ず成功への道が見つかるという意味で、その道は、励ましによって生まれた意志から開かれます。
- “A journey of a thousand miles begins with a single step.” (千里の道も一歩から。) これは、どんなに大きな目標でも、最初の一歩から始まるという意味で、その一歩は、励ましによる勇気ある小さな行動かもしれません。
似た意味の日本語のことわざ
- 「口は災いの元」(くちはわざわいのもと) 不用意な発言や嘘が、身の破滅を招く原因となるという意味。
- 「為すべきを為す」(なすべきをなす) 目先の利益や欲望を気にせず、自分がすべきだと信じる正しいことを行う、という意味。
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ(Johann Wolfgang von Goethe)の波乱万丈な生い立ち
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ(1749-1832)は、ドイツの詩人、劇作家、小説家、自然科学者、そして政治家であり、「ドイツ文学の巨匠」として知られています。彼は、『ファウスト』や『若きウェルテルの悩み』といった、多くの不朽の名作を生み出しました。
幼少期と文学への道
1749年、ドイツのフランクフルト・アム・マインで、裕福な法律家の家庭に生まれました。彼は、幼い頃から、文学、科学、そして芸術に、多大な関心を示しました。 彼は、その後、ライプツィヒ大学で法律を学びましたが、彼の情熱は、常に文学にありました。彼は、1774年に『若きウェルテルの悩み』を発表し、一躍、ヨーロッパ中に、その名を知られるようになりました。
ヴァイマールでの活動と『ファウスト』
ゲーテは、その後、ヴァイマール公国の宮廷に招かれ、政治家、そして文化大臣として、長年にわたり、公国の発展に尽力しました。 彼は、その生涯のほとんどをかけて、『ファウスト』という、彼の知識と人生のすべてを注ぎ込んだ、壮大な戯曲を執筆しました。
晩年と遺産
ゲーテは、晩年まで、文学、科学、そして哲学の研究を続けました。彼は、1832年に82歳で亡くなりました。 ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテの生涯は、一人の人間が、その才能と、飽くなき探求心によって、いかに文学と、世界を豊かにすることができるかを示す物語です。彼の言葉は、私たちに、人を育む最良の手段は、励ましであるという、深い教訓を与え続けています。
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心に響く英語ことわざ(742)古代ギリシアの哲学者ヘラクレイトスの名言 Good character is not formed in a week or a month. It is created little by little, day by day. Protracted and patient effort is needed to develop good character.(人格は日々の継続的な努力によって築かれる)
https://www.eionken.co.jp/note/good-character-is-not-formed-in-a-week/
心に響く英語ことわざ(744)米国の石油王ジョン・D・ロックフェラーの名言 Good leadership consists of showing average people how to do the work of superior people.(真のリーダーシップとは普通の人々の潜在能力を最大限に引き出すこと)
https://www.eionken.co.jp/note/good-leadership-consists-of-showing/
著者Profile
山下 長幸(やました ながゆき)
・英語リスニング教育の専門家。長年、英語リスニング学習を実践・研究し、日本人に適した英語リスニング学習方法論を構築し、サービス提供のため英音研株式会社を創業。
・英語関連の著書に「生成AIをフル活用した大人の英語戦略」「英語リスニング学習にまつわるエトセトラ:学習法レビュー」「なぜ日本人は英語リスニングが苦手なのか?」など26冊がある。
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