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公開日
2025.10.06
更新日
2025.10.06

心に響く英語ことわざ(747)古代ギリシアの哲学者ソクラテスの名言 As to marriage or celibacy, let a man take which course he will, he will be sure to repent.(結婚、独身どちらを選んでも後悔する)
“As to marriage or celibacy, let a man take which course he will, he will be sure to repent.”
直訳は「結婚するか、独身でいるかについて、人がどちらの道を選んだとしても、彼は必ず後悔するだろう」で、これは、「結婚」と「独身(celibacy)」という、人生における二つの大きな選択の本質を、人間の普遍的な不満と後悔という観点から、ユーモラスかつ皮肉を込めて捉えた、ソクラテスの深い洞察を表現しています。
ソクラテス(Socrates)の名言 As to marriage or celibacy…の意味
この言葉は、古代ギリシアの哲学者ソクラテスが、「人生の選択と後悔」について述べたものです。彼は、この二者択一の状況において、どちらを選んでも「必ず後悔する(be sure to repent)」と断言しています。これは、いかなる選択も完璧ではないこと、そして、人間は、選ばなかった道に常に魅力を感じてしまうという、人間の心理に対する洞察に基づいています。
この言葉が意味すること
この名言は、「選択の普遍的なパラドックス」を強調しています。
- 結婚を選んだ場合: 結婚生活の責任、束縛、そして妥協に直面し、「自由な独身生活」を選ばなかったことを後悔するかもしれません。
- 独身を選んだ場合: 孤独、家族の温かさの欠如、そしてパートナーシップによる支えを得られなかったことを後悔するかもしれません。
ソクラテスは、この言葉を通じて、「人生には完璧な選択などない」という、真実を示しています。真の知恵とは、「選んだ道」の不完全さを受け入れ、選ばなかった道を美化することをやめることにあると示唆しています。
似た意味の英語のことわざ
- “The grass is always greener on the other side.” (隣の芝生はいつも青い。) 人が、自分が持っているものではなく、他人が持っているものを、より良く見えると感じる心理を表現しており、ソクラテスの「後悔」の根源となる考え方と通じます。
- “Where there is a will, there is a way.” (意志あるところに道は開ける。) これは、強い意志や決意があれば、必ず成功への道が見つかるという意味で、その道は、選んだ道を最善にするという意志から開かれます。
- “A journey of a thousand miles begins with a single step.” (千里の道も一歩から。) これは、どんなに大きな目標でも、最初の一歩から始まるという意味で、その一歩は、どちらの道に進むかを選ぶという小さな行動かもしれません。
似た意味の日本語のことわざ
- 「隣の芝生は青い」(となりのしばふはあおい) 自分のものより他人のものが良く見えるという意味で、ソクラテスの言葉が示す、人間の普遍的な心理と通じます。
- 「蓼食う虫も好き好き」(たでくうむしもすきずき) 人の好みは様々であるという意味で、ソクラテスの言葉とは直接的な関連性はありません。
- 「為すべきを為す」(なすべきをなす) 目先の利益や欲望を気にせず、自分がすべきだと信じる正しいことを行う、という意味。
ソクラテス(Socrates)の波乱万丈な生い立ち
ソクラテス(紀元前469年頃 – 紀元前399年)は、古代ギリシアの哲学者であり、「西洋哲学の父」と呼ばれています。彼は、著作を一切残しませんでしたが、弟子のプラトンやクセノフォンの著作を通じて、その思想が後世に伝えられました。
幼少期と哲学への道
紀元前469年頃、アテナイで、石工の家庭に生まれました。彼は、その生涯を通じて、アテナイの街を歩き回り、人々に、「汝自身を知れ(Know thyself)」と説きました。 彼は、「問答法」という、質問と回答を繰り返すことによって、真理に近づくという、独自の哲学的な方法論を確立しました。
裁判と死
ソクラテスは、その鋭い批判精神で、当時のアテナイの権力者たちから反感を買いました。彼は、「青年を堕落させた」、そして「国家が認める神々を信じない」という罪で告発されました。 彼は、裁判で、自らの信念を貫き、死刑を宣告されました。彼は、脱獄を勧められましたが、「悪法もまた法なり」と述べ、毒杯を仰ぎました。
遺産
ソクラテスの死は、彼の思想を、より一層、普遍的なものにしました。彼の弟子であるプラトンは、『ソクラテスの弁明』や『クリトン』といった著作を通じて、彼の思想を後世に伝えました。 ソクラテスの生涯は、真理と正義のために、命を捧げた物語です。彼の言葉は、私たちに、人生の真の価値は、その長さではなく、その生き方にあるという、普遍的な教訓を与え続けています。
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心に響く英語ことわざ(746)インド独立の指導者マハトマ・ガンジーの名言 The main purpose of life is to live rightly, think rightly, act rightly.(人生の真の目的は精神的・道徳的な調和と自己規律)
https://www.eionken.co.jp/note/the-main-purpose-of-life/
心に響く英語ことわざ(748)実存主義で有名なデンマークの哲学者キェルケゴールの名言 The highest and most beautiful things in life are not to be heard about, nor read about, nor seen but, if one will, are to be lived.(人生の最高の価値は、主体的な生き方と、行動の中に見いだされる)
https://www.eionken.co.jp/note/the-highest-and-most-beautiful-things/
著者Profile
山下 長幸(やました ながゆき)
・英語リスニング教育の専門家。長年、英語リスニング学習を実践・研究し、日本人に適した英語リスニング学習方法論を構築し、サービス提供のため英音研株式会社を創業。
・英語関連の著書に「生成AIをフル活用した大人の英語戦略」「英語リスニング学習にまつわるエトセトラ:学習法レビュー」「なぜ日本人は英語リスニングが苦手なのか?」など26冊がある。
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