- 英語リスニングに強くなる!英音研公式ブログ / 204.心に響く英語ことわざ2
公開日
2025.10.07
更新日
2025.10.08

心に響く英語ことわざ(750)米国建国に尽力した第3代大統領トーマス・ジェファーソンの名言 In matters of style, swim with the current; in matters of principle, stand like a rock. (人生において妥協すべきでないのは、原理原則となるものである)
“In matters of style, swim with the current; in matters of principle, stand like a rock.”
直訳は「様式においては、流れに乗って泳ぎなさい。原理(原則)においては、岩のように立ちなさい」で、これは、「柔軟な順応性」と「揺るぎない信念」という、相反する二つの資質を、使い分けることの重要性を説く、トーマス・ジェファーソンの深い洞察を表現しています。
トーマス・ジェファーソン(Thomas Jefferson)の名言 In matters of style…の意味
この言葉は、アメリカ独立宣言の起草者であるトーマス・ジェファーソンが、「社会生活と道徳的行動のバランス」について述べたものです。彼は、本質的ではないことには柔軟に対応し、道徳的な根幹に関わることには決して妥協しないという、賢明な生き方を教えています。
この言葉が意味すること
この名言は、「柔軟性と不屈の精神の使い分け」を強調しています。
- 「In matters of style, swim with the current」(様式においては、流れに乗って泳ぎなさい) 「様式(style)」とは、流行、慣習、マナー、あるいは表面的な方法論を指します。ジェファーソンは、これら本質的でない事柄については、「流れに乗って泳ぐ(swim with the current)」、すなわち、周囲に合わせて柔軟に対応し、不必要な対立を避けるべきだと説いています。社会的な調和を保ち、エネルギーを無駄にしないための、賢明な戦略です。
- 「in matters of principle, stand like a rock.」(原理(原則)においては、岩のように立ちなさい) この部分が、この言葉の核心です。「原理(principle)」とは、道徳的な信条、倫理的価値観、そして根本的な真実を指します。これら核となる信念については、「岩のように立つ(stand like a rock)」、すなわち、何があっても動じず、妥協せず、不屈の姿勢を貫くべきだと断言しています。真の品格は、この揺るぎない信念によって確立されるのです。
似た意味の英語のことわざ
- “The greatest good is the knowledge of oneself.” (最大の善は、自己を知ることである。) これはソクラテスの言葉で、ジェファーソンの言葉が持つ、「内面的な真理と向き合い、それを守り抜く」という精神と通じます。
- “Where there is a will, there is a way.” (意志あるところに道は開ける。) これは、強い意志や決意があれば、必ず成功への道が見つかるという意味で、その道は、原則を守り抜くという強い意志から開かれます。
- “A journey of a thousand miles begins with a single step.” (千里の道も一歩から。) これは、どんなに大きな目標でも、最初の一歩から始まるという意味で、その一歩は、信念を貫くという小さな行動かもしれません。
似た意味の日本語のことわざ
- 「柔よく剛を制す」(じゅうよくごうをせいす) 柔軟なものが、かえって強固なものを制御するという意味。「様式」における柔軟性の重要性を表します。
- 「君子は豹変す」(くんしはひょうへんす) (良い意味で)君子は過ちを悟れば、豹の皮のようにさっと態度を改めるという意味。
トーマス・ジェファーソン(Thomas Jefferson)の波乱万丈な生い立ち
トーマス・ジェファーソン(1743-1826)は、アメリカ合衆国の第3代大統領であり、アメリカ独立宣言の起草者です。
幼少期と政治家への道
1743年、バージニア植民地の裕福な農場主の家庭に生まれました。彼は、その後の人生で、政治家、建築家、農学者、そして哲学者といった、多才な顔を持ちました。彼は、ウィリアム・アンド・メアリー大学で法律を学び、弁護士として活動を始めました。 彼は、その後、アメリカ独立戦争において、「すべての人間は平等に造られ、生命、自由、そして幸福の追求という、譲り渡すことのできない権利を与えられている」という、有名な一節を含む独立宣言を起草しました。
大統領としてのリーダーシップと晩年
ジェファーソンは、その後、アメリカ合衆国の第3代大統領に選出され、ルイジアナ購入という、アメリカの領土を二倍にする重要な決断を下しました。 彼は、大統領退任後、自身の邸宅モンティチェロへ戻り、そこで、その生涯を終えるまで、バージニア大学の設立といった教育活動に情熱を注ぎました。彼は、1826年7月4日(独立宣言発表からちょうど50年後)に亡くなりました。
ジェファーソンの生涯は、一人の人間が、その才能と、揺るぎない信念によって、いかに国家の基礎を築き、その未来を形作ることができるかを示す物語です。彼の言葉は、私たちに、人生において妥協すべきでないのは、常に核となる道徳的信念であるという、深い教訓を与えてくれます。
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心に響く英語ことわざ(749)米国の発明王トーマス・A・エジソンの名言 When I have fully decided that a result is worth getting I go ahead of it and make trial after trial until it comes.(目標を達成するには、まずその価値を確信し、そして実現するまで諦めずに試行錯誤を繰り返すことが不可欠)
https://www.eionken.co.jp/note/when-i-have-fully-decided/
心に響く英語ことわざ(751)「レ・ミゼラブル」で有名なフランスの文豪ヴィクトル・ユーゴーの名言 Each man should frame life so that at some future hour fact and his dreaming meet.(夢を具体的な行動と計画によって実現することが重要)
https://www.eionken.co.jp/note/each-man-should-frame-life/
著者Profile
山下 長幸(やました ながゆき)
・英語リスニング教育の専門家。長年、英語リスニング学習を実践・研究し、日本人に適した英語リスニング学習方法論を構築し、サービス提供のため英音研株式会社を創業。
・英語関連の著書に「生成AIをフル活用した大人の英語戦略」「英語リスニング学習にまつわるエトセトラ:学習法レビュー」「なぜ日本人は英語リスニングが苦手なのか?」など26冊がある。
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