- 英語リスニングに強くなる!英音研公式ブログ / 204.心に響く英語ことわざ2
公開日
2025.10.22
更新日
2025.10.22

心に響く英語ことわざ(779)米国の自動車王ヘンリー・フォードの名言 Don’t find fault, find a remedy.(建設的な解決策を見つけよう)
“Don’t find fault, find a remedy.”
直訳は「欠点を探すな、解決策を見つけろ」で、これは、「問題」に直面した際に、過去の失敗や他者の過ちを責めるという消極的な姿勢を戒め、建設的な解決策を見つけるという能動的な姿勢を重視する、ヘンリー・フォードの深い実用主義と行動哲学を表現しています。
名言の意味:批判よりも解決策を重視する行動哲学
この言葉は、フォード・モーター・カンパニーの創設者であるヘンリー・フォードが、「効率的な問題解決と建設的な思考」について述べたものです。彼は、ビジネスや人生において、「なぜ失敗したか」を追求することよりも、「次にどうするか」を追求することの方が遥かに価値があると説いています。
鍵となる要素
- Don’t Find Fault(欠点を探すな、過ちを責めるな) 「Fault(欠点)」は、問題の原因、責任、または誰かの過ちを指します。失敗や問題が起こった際に、非難や批判に時間やエネルギーを費やすことは非生産的であり、状況を改善させる力がないため、禁止されています。
- Find a Remedy(解決策を見つけろ) 「Remedy(解決策)」は、問題を修正し、状況を改善するための具体的な手段や方法を指します。フォードは、エネルギーを過去や原因に向けるのではなく、未来と行動に向けるという実用主義的な姿勢を強調しています。建設的な解決志向こそが、真の進歩を生むと説いています。
この名言は、組織や個人が前進するためには、「責任追及」という非生産的な思考から脱却し、「問題解決」という生産的な行動へとシフトすることが不可欠であることを教えています。
類似のことわざと教訓
似た意味の英語のことわざ
- “Where there is a will, there is a way.” (意志あるところに道は開ける。) 「解決策を見つけ出す」という強い意志が、困難を乗り越える道を開くという点で通じます。
- “The proof of the pudding is in the eating.” (プリンの証明は食べることにある。) 欠点を議論するよりも、解決策を「実行」して結果を証明することの重要性を強調します。
- “Don’t cry over spilled milk.” (こぼれた牛乳を嘆くな。) 既に起こってしまったこと(欠点や失敗)を嘆くのではなく、前向きに次の行動(解決策)を考えるという点で通じます。
似た意味の日本語のことわざ
- 「為すべきを為す」(なすべきをなす) 批判ではなく解決という義務を果たすという行動の主体性の重要性を説きます。
ヘンリー・フォード(Henry Ford)の波乱万丈な生い立ち
ヘンリー・フォード(1863-1947)は、アメリカの企業家、発明家であり、フォード・モーター・カンパニーの創設者です。
幼少期と自動車産業への挑戦
1863年、ミシガン州の農家の家庭に生まれました。彼は、初期の自動車事業で何度も失敗を経験しましたが、失敗を誰かのせいにすることなく、「次にどうするか」という解決策を見つけることに全力を注ぎました。彼のこの思考様式こそが、流れ作業(assembly line)という画期的な解決策を生み出す源泉となりました。
流れ作業の確立と遺産
フォードは、流れ作業の導入によって、生産の効率を劇的に改善し、T型フォードを大衆にも手の届く価格で提供することを可能にしました。彼は、問題を見つけるたびに、それを誰かの責任として片付けるのではなく、より良い方法を見つけるための新たな挑戦と捉えました。
フォードの生涯は、批判や非難といった負のエネルギーを排し、建設的な行動と解決策の探求に情熱を注ぐことが、いかに偉大な成果を生み出すかを示す物語です。彼の言葉は、私たちに、問題を見つけた時こそ、「何をすべきか」という解決志向の質問を自分自身に問いかけることの重要性を教えてくれます。
***
心に響く英語ことわざ(778)「マイ・フェア・レディ」の原作者でアイルランドの劇作家ジョージ・バーナード・ショーの名言 Liberty means responsibility. That is why most men dread it.(真の自由の獲得には勇気と精神的な自立が不可欠)
https://www.eionken.co.jp/note/liberty-means-responsibility/
心に響く英語ことわざ(780)古代ギリシアの哲学者ヘラクレイトスの名言 Nothing endures but change.(唯一の不変の真理は、絶え間ない変化そのもの)
https://www.eionken.co.jp/note/nothing-endures-but-change/
著者Profile
山下 長幸(やました ながゆき)
・英語リスニング教育の専門家。長年、英語リスニング学習を実践・研究し、日本人に適した英語リスニング学習方法論を構築し、サービス提供のため英音研株式会社を創業。
・英語関連の著書に「生成AIをフル活用した大人の英語戦略」「英語リスニング学習にまつわるエトセトラ:学習法レビュー」「なぜ日本人は英語リスニングが苦手なのか?」など26冊がある。
Amazon.co.jp: 英音研株式会社: 本、バイオグラフィー、最新アップデート