- 英語リスニングに強くなる!英音研公式ブログ / 204.心に響く英語ことわざ2
公開日
2025.10.24
更新日
2025.10.25
心に響く英語ことわざ(784)米国の発明王トーマス・A・エジソンの名言 Discontent is the first necessity of progress. (不満は進歩の最初の必要条件)
“Discontent is the first necessity of progress.”
直訳は「不満は、進歩の最初の必要条件である」で、これは、「現状に満足せず、より良いものを求める心」こそが、革新と進歩(Progress)を生み出すための最も根源的で不可欠な原動力であるという、トーマス・A・エジソンの深い創造哲学を表現しています。
名言の意味:不満は進歩の出発点
この言葉は、「発明王」として知られるトーマス・A・エジソンが、「革新と動機」について述べたものです。彼は、現状維持や安易な満足を停滞とみなし、不満(Discontent)を、問題を特定し、解決を探求するための前向きで建設的なエネルギーとして捉えていました。
鍵となる要素
- Discontent is the First Necessity(不満は最初の必要条件である) 「Necessity(必要条件)」は、不可欠な要素を意味します。エジソンは、知識や資金よりも先に、「現状を変えたい」という強い不満が存在しなければ、発明も進歩も始まらないと断言しています。これは、行動の動機は外部の報酬ではなく、内面の「改善したい」という衝動から生まれるということを示しています。
- Of Progress(進歩の) ここでいう「進歩」とは、技術的な革新だけでなく、個人の成長や組織の改善といった、より良い状態への前進のすべてを含みます。不満は、問題を浮き彫りにし、「より良くやる方法を見つけろ」という彼自身の別の名言へと繋がる行動を促すのです。
この名言は、不満をネガティブに捉えるのではなく、「改善の機会を示している信号」として活用することの重要性を教えてくれます。
類似のことわざと教訓
似た意味の英語のことわざ
- “Healthy discontent is the prelude to progress.” (健全な不満は、進歩への序曲である。) マハトマ・ガンジーの名言であり、不満を「建設的なエネルギー」として認識する点で、エジソンの思想と非常に近いです。
- “Necessity is the mother of invention.” (必要は発明の母。) 「不満」が「必要性」へと転化し、革新(発明・進歩)を生み出すというプロセスで通じます。
- “Don’t find fault, find a remedy.” (欠点を探すな、解決策を見つけろ。) エジソン自身の名言であり、不満を解決策に繋げるという思考の流れを示しています。
似た意味の日本語のことわざ
- 「向上心」(こうじょうしん) 現状に満足せず、より高い目標を目指す精神であり、「不満」をポジティブに捉えた内面的な動機を指します。
- 「現状維持は後退の始まり」(げんじょういじはこうたいのはじまり) 現状維持の危険性を説くことで、不満を持つことの必要性を裏側から強調しています。
トーマス・A・エジソン(Thomas A. Edison)の波乱万丈な生い立ち
トーマス・A・エジソン(1847-1931)は、アメリカの発明家、企業家であり、数多くの革新的な発明を通じて、世界を変えました。
失敗と改善の連続
エジソンの発明活動は、電球、蓄音機、送電システムといった既存のシステムへの強い不満からスタートしました。
- 電球の開発: 彼は、当時の照明が非効率で高価であることに不満を持ち、安価で持続可能な照明を提供するという目的のために、数千回の実験を実行しました。
- システムの改善: 彼の発明は、既存の技術に対する「これで十分だ」という姿勢への不満を原動力としており、常により効率的で大衆的な解決策を追求し続けました。
エジソンは、不満をエネルギーに変え、試行錯誤という行動を通じて進歩を実現しました。彼の言葉は、私たちに、不満を抱いた時こそ、最も大きな進歩の機会が目の前に開かれているという、希望と行動のメッセージを与え続けています。
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心に響く英語ことわざ(783)インド独立に尽力したマハトマ・ガンジーの名言 Healthy discontent is the prelude to progress.(健全な不満は、進歩への序曲)
https://www.eionken.co.jp/note/healthy-disconten/
心に響く英語ことわざ(785)米国独立に尽力した第3代大統領トーマス・ジェファーソンの名言 Nothing gives one person so much advantage over another as to remain always cool and unruffled under all circumstances.(感情の制御が大事)
https://www.eionken.co.jp/note/nothing-gives-one-person/
著者Profile
山下 長幸(やました ながゆき)
・英語リスニング教育の専門家。長年、英語リスニング学習を実践・研究し、日本人に適した英語リスニング学習方法論を構築し、サービス提供のため英音研株式会社を創業。
・英語関連の著書に「生成AIをフル活用した大人の英語戦略」「英語リスニング学習にまつわるエトセトラ:学習法レビュー」「なぜ日本人は英語リスニングが苦手なのか?」など26冊がある。

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