- 英語リスニングに強くなる!英音研公式ブログ / 204.心に響く英語ことわざ2
公開日
2025.11.08
更新日
2025.11.08
心に響く英語ことわざ(820)仏教の開祖ブッダの名言 However many holy words you read, however many you speak, what good will they do you if you do not act on upon them? (真の価値は行動にある)
“However many holy words you read, however many you speak, what good will they do you if you do not act on upon them?”
直訳は「どれほど多くの聖なる言葉を読んだとしても、どれほど多くを語ったとしても、それらに基づいて行動しないのなら、それらがあなたにどんな益をもたらすというのか?」で、これは、仏教の開祖であるブッダが、「知識と実践の一致」について説いた、仏教の核心的な教えを表現しています。真の価値は、単なる知識の摂取や理論の議論にあるのではなく、その教えを日々の「行動(act)」に反映させる実践にあるという、厳格な実存的な真理を示しています。
名言の意味:行動を伴わない知識は無益である
この言葉は、ブッダが「知と行の関係」、そして「苦悩からの解放の道」について説いた教えに基づいています。彼の時代にも、多くの人々が聖典を読み、教義を論じることに満足していましたが、ブッダは、それは知識の倉庫を持っているだけで、実際にそれを使って人生を変えていないのなら、何の役にも立たないという厳しい現実を指摘しました。
鍵となる三つの対比
- Reading and Speaking(読むことと語ること) 「聖なる言葉(holy words)」を読むことや、それについて語ることは、知識の獲得と認識の段階に留まります。これは、心の中での準備であり、行動という現実の世界での適用がなければ、単なる「空の議論」に過ぎません。
- Act Upon Them(それらに基づいて行動すること) 「行動する(Act)」とは、教えられた倫理や精神的な規律を、日々の生活の中で実際に実践し、自己の内面を変革する努力を意味します。怒りを克服するために愛を実践する、執着を断ち切るために瞑想を続けるなど、具体的な行動を指します。
- What Good Will They Do You?(それらがあなたにどんな益をもたらすというのか?) 実践なき知識の「無益さ」を問いかけています。仏教の目的は「苦の滅」であり、もし読んだり語ったりすることが、苦しみを減らさないのなら、その行為は根本的な目的を達成していないと断定しています。
この名言は、真の成長は、理論と実践の間のギャップを埋める「行動」によってのみ可能になるという、普遍的な教訓を教えてくれます。
類似の名言と教訓
似た意味の英語の名言
- “Knowing is not enough; we must apply. Willing is not enough; we must do.” (知っているだけでは不十分だ。適用しなければならない。意志があるだけでは不十分だ。実行しなければならない。) ゲーテの言葉であり、知識や意志(読む、語る)と、行動(act)の間に存在するギャップを埋めることの重要性を説きます。
- “An ounce of practice is worth a pound of preaching.” (一オンスの実行は、一ポンドの説教に値する。) 言葉(説教)の重みよりも、実践(実行)の価値が遥かに上回るという点でブッダの教えと一致します。
似た意味の日本語のことわざ
- 「口で言うは易く、行うは難し」(くちでいうはやすく、おこなうはかたし) 理論や言葉で語ることは簡単だが、それを実際に行動に移すことは難しく、それゆえに価値があるという教訓を説きます。
ブッダ(Buddha)の生い立ち
ブッダ(ガウタマ・シッダールタ、紀元前563年頃 – 紀元前483年頃)は、古代インドの思想家であり、仏教の開祖です。
知識の虚無と実践の追求
王子として贅沢な生活を送りながらも、人生の四苦(生・老・病・死)を目の当たりにしたブッダは、知識を超える真の解決法を求めて出家しました。 彼は出家後、当時のインドの聖典や哲学を徹底的に学び、実践しましたが、それらの「聖なる言葉」が、究極の苦の滅に繋がらないことを悟りました。そして、極端な苦行をも経て、最終的に瞑想という実践(行動)によって悟りを開きました。 彼の教えの根底には、この経験から得られた「行動」と「実践」への徹底的な重視があります。読書や議論が単なる思考の遊びに終わり、実際の生活を変える力を持たないことを知っていたからこそ、この厳しい名言が生まれたのです。
ブッダの言葉は、私たちに、どんなに素晴らしく、道徳的で優れた教えでも、それを読んだり聞いたりすることに満足せず、今すぐ、一つの教えでも「行動」に移すことが、真の利益(心の変化)を生む唯一の道であることを教えてくれます。
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心に響く英語ことわざ(819)米国独立に尽力したベンジャミン・フランクリンの名言 Human felicity is produced not as much by great pieces of good fortune that seldom happen as by little advantages that occur every day. 幸福は偶然の大きな出来事ではなく、日々の生活の中にある「小さな良いこと」の積み重ねから生まれる
https://www.eionken.co.jp/note/human-felicity-is-produced-not-as-much/
心に響く英語ことわざ(821)孔子の名言 Old age, believe me, is a good and pleasant thing. It is true you are gently shouldered off the stage, but then you are given such a comfortable front stall as spectator. (老いは人生の喧騒から離れ静かに全体を観察できる「特等席」)
https://www.eionken.co.jp/note/old-age-believe-me/
著者Profile
山下 長幸(やました ながゆき)
・英語リスニング教育の専門家。長年、英語リスニング学習を実践・研究し、日本人に適した英語リスニング学習方法論を構築し、サービス提供のため英音研株式会社を創業。
・英語関連の著書に「生成AIをフル活用した大人の英語戦略」「英語リスニング学習にまつわるエトセトラ:学習法レビュー」「なぜ日本人は英語リスニングが苦手なのか?」など26冊がある。

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