- 英語リスニングに強くなる!英音研公式ブログ / 204.心に響く英語ことわざ2
公開日
2025.11.12
更新日
2025.11.12
心に響く英語ことわざ(832)儒教開祖の孔子の名言 Humility is the solid foundation of all virtues.(謙虚さはすべての徳の堅固な基礎)
“Humility is the solid foundation of all virtues.”
直訳は「謙虚さは、すべての徳の堅固な基礎である」で、これは、古代中国の思想家である孔子が、「美徳(Virtues)の階層構造」について説いた、儒教の倫理的な核心を突く教えです。
人間が持つべきすべての良い性質(徳)は、その根底に「謙虚さ(Humility)」がなければ、もろいものであり、真に永続的で堅固な品格は、謙虚さという強固な「基礎(foundation)」の上にのみ築き上げられるという、普遍的な真理を表現しています。
名言の意味:謙虚さなくして真の徳は成り立たない
この言葉は、孔子が「君子(理想的な人格者)のあり方」を説いた思想に基づいています。彼にとって、賢さや勇気といった目立つ徳も重要ですが、もしその人が傲慢であれば、それらの徳はすぐに独善や他者への軽蔑へと変質してしまいます。謙虚さは、それらの徳が暴走せず、常に他者との調和を保ち、学び続ける姿勢を支える土台となるのです。
鍵となる役割
- All Virtues(すべての徳) 仁(思いやり)、義(正義)、礼(礼儀)、智(知恵)、信(信頼)など、儒教における人間が目指すべきすべての美徳を指します。
- Solid Foundation(堅固な基礎) 建物が基礎なくして立たないように、どんなに素晴らしい徳も、「謙虚さ」という土台がなければ崩壊します。謙虚さは、自分の限界を認め、他者を尊重し、常に学びの姿勢を保つことを可能にします。
この名言が示唆するのは、自分が優れていると感じた瞬間にも、その力を慎ましく行使し、他者への奉仕に向けることができるかどうかが、その徳の真贋を分けるという点です。
類似の名言と教訓
似た意味の英語の名言
- “Pride goeth before destruction, and an haughty spirit before a fall.” (高慢は破滅に先立ち、傲慢な精神は転落に先立つ。) 旧約聖書『箴言』の一節であり、謙虚さの欠如がいかに悲劇的な結果を招くかを示し、謙虚さの対極にある「傲慢」を戒めています。
- “The greatest wisdom is in humility, for humility means knowing your own weakness.” (最大の知恵は謙虚さの中にある。なぜなら、謙虚さとは自分自身の弱さを知ることだからだ。) 謙虚さが自己認識と知恵に繋がるという点で、孔子の思想を裏付けています。
似た意味の日本語のことわざ
- 「実るほど頭を垂れる稲穂かな」(みのるほどこうべをたれるいなほかな) 人格や知識が成熟した人ほど、稲穂が実るほどに頭を垂れるように、謙虚になるという教訓であり、孔子のいう「堅固な基礎」としての謙虚さを美しく表現しています。
- 「能ある鷹は爪を隠す」(のうあるたかはつめをかくす) 本当に能力のある人は、みだりにそれを誇示しないという意味で、謙虚さと力の調和を説いています。
孔子(Confucius)の生い立ち
孔子(紀元前551年頃 – 紀元前479年頃)は、古代中国の春秋時代の思想家であり、儒教の創始者です。
彼は、身分の上下に関わらず、誰でも道徳的な修養に励むことで立派な人物(君子)になれると説きました。しかし、彼の教えの中で一貫しているのは、どんなに優れた徳を身につけたとしても、「謙虚さ」がなければ、その人の成長は止まり、他者との関係は崩壊するという警鐘でした。謙虚さこそが、自分の徳を磨き続ける「修養」の最初の一歩であり、最後の防波堤であると考えていたのです。
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心に響く英語ことわざ(831)仏教の開祖ブッダの名言 We are shaped by our thoughts; we become what we think. When the mind is pure, joy follows like a shadow that never leaves. (心を清めることが永続的な幸福をもたらす)
https://www.eionken.co.jp/note/we-are-shaped-by-our-thoughts/
心に響く英語ことわざ(833)「マイフェアレディ」で有名なアイルランドの劇作家ジョージ・バーナード・ショーの名言 The single biggest problem in communication is the illusion that it has taken place.(「話したから伝わったはずだ」と思い込むことが最も危険)
https://www.eionken.co.jp/note/the-single-biggest-problem-in-communication/
著者Profile
山下 長幸(やました ながゆき)
・英語リスニング教育の専門家。長年、英語リスニング学習を実践・研究し、日本人に適した英語リスニング学習方法論を構築し、サービス提供のため英音研株式会社を創業。
・英語関連の著書に「生成AIをフル活用した大人の英語戦略」「英語リスニング学習にまつわるエトセトラ:学習法レビュー」「なぜ日本人は英語リスニングが苦手なのか?」など26冊がある。
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