- 英語リスニングに強くなる!英音研公式ブログ / 204.心に響く英語ことわざ2
公開日
2025.11.16
更新日
2025.11.16
心に響く英語ことわざ(846)オランダ出身のポスト印象派の画家ゴッホの名言 Even the knowledge of my own fallibility cannot keep me from making mistakes. Only when I fall do I get up again.(七転び八起き)
“Even the knowledge of my own fallibility cannot keep me from making mistakes. Only when I fall do I get up again.”
直訳は「自分の誤りを犯しやすいという知識でさえ、私が過ちを犯すのを止めることはできない。ただ、私が転んだときにのみ、私は再び立ち上がる」で、これは、オランダの画家フィンセント・ファン・ゴッホが、「失敗の不可避性と再起の意志」について説いた、人間の限界と精神の強さに関する深く率直な洞察です。
人間は、失敗を避けることはできない存在であり、失敗を恐れて行動を止めるのではなく、失敗(転倒)を経験した後に「立ち上がる」という行為こそが、人生を前進させる唯一の方法であるという、逆境を乗り越える意志の重要性を表現しています。
名言の意味:失敗は避けられない前提で再起を問う
この言葉は、ゴッホの「人間的な弱さと創造的行為の矛盾」という生き方に深く根ざしています。彼は、人生で多くの失敗(人間関係、職業、精神状態)を経験しましたが、それでも絵を描き続けるという「再び立ち上がる」行為を諦めませんでした。
鍵となる二つの事実
- Even the knowledge of my own fallibility cannot keep me from making mistakes.(自分の誤りを犯しやすいという知識でさえ、私が過ちを犯すのを止めることはできない。) 「fallibility」とは「誤謬性」や「誤りやすいこと」を意味します。人間は、どんなに賢くなっても、どんなに知識を得ても、本質的に過ちを犯す存在であるという事実を受け入れています。知恵は予防にはならないという深い諦念と洞察です。
- Only when I fall do I get up again.(ただ、私が転んだときにのみ、私は再び立ち上がる) 転倒(fall)とは「失敗」や「挫折」を指します。再び立ち上がる(get up again)ための条件は、「転ぶ」という経験そのものであると示唆しています。失敗の痛みや教訓が、初めて真の再起のエネルギーとなるという逆説的な真理です。
この名言は、失敗を恐れることの無意味さを示し、むしろ失敗を行動の一部として受け入れ、そこから学ぶことで人間は成長し、前進できるという、力強い励ましのメッセージです。
類似の名言と教訓
似た意味の英語の名言
- “The greatest glory in living lies not in never falling, but in rising every time we fall.” (生きる上での最大の栄光は、決して転ばないことにあるのではなく、転ぶたびに立ち上がることにある。) ネルソン・マンデラの言葉であり、失敗の不可避性と、その後の再起の意志こそが重要であるというゴッホの思想と完全に一致します。
- “I have not failed. I’ve just found 10,000 ways that won’t work.” (私は失敗したのではない。ただ、うまくいかない1万通りの方法を見つけただけだ。) トーマス・エジソンの言葉で、失敗を最終的な挫折でなく、成功へのプロセスの一部(立ち上がりのための教訓)として捉える視点を示しています。
似た意味の日本語のことわざ
- 「七転び八起き」(ななころびやおき) 意味: 何度失敗しても、諦めずに立ち上がることを意味します。「Only when I fall do I get up again」という後半の教訓を端的に表しています。
- 「失敗は成功のもと」(しっぱいはせいこうのもと) 意味: 失敗したことを反省して改善すれば、それが次の成功の原因や教訓となるという意味で、失敗を経験(fall)として活かすことの重要性を説いています。
フィンセント・ファン・ゴッホ(Vincent Van Gogh)の生い立ち
フィンセント・ファン・ゴッホ(1853-1890)は、オランダ出身のポスト印象派の画家です。彼は、生前はほとんど評価されず、貧困と精神疾患に苦しみ、わずか37歳で自ら命を絶ちました。
彼の生涯は、聖職者、教師、画商など様々な職業に「試み」ては失敗し、人間関係もうまくいかないという挫折の連続でした。彼は、自らの「誤謬性(fallibility)」を深く認識していましたが、それでも絵を描くという創造的な活動だけは決してやめませんでした。ゴッホにとって、絵筆を握ることは、転び続ける人生の中で「再び立ち上がる」という行為そのものであり、彼の残した膨大な作品群は、この「不屈の再起の意志」を証明しています。
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心に響く英語ことわざ(845)米国独立に尽力した第三代大統領トーマス・ジェファーソンの名言 Delay is preferable to error. (誤りを犯すよりは遅れる方がまし)
https://www.eionken.co.jp/note/delay-is-preferable-to-error/
著者Profile
山下 長幸(やました ながゆき)
・英語リスニング教育の専門家。長年、英語リスニング学習を実践・研究し、日本人に適した英語リスニング学習方法論を構築し、サービス提供のため英音研株式会社を創業。
・英語関連の著書に「生成AIをフル活用した大人の英語戦略」「英語リスニング学習にまつわるエトセトラ:学習法レビュー」「なぜ日本人は英語リスニングが苦手なのか?」など26冊がある。
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