- 英語リスニングに強くなる!英音研公式ブログ / 204.心に響く英語ことわざ2
公開日
2025.11.25
更新日
2025.11.25
心に響く英語ことわざ(865)ベンジャミン・フランクリンの名言 For having lived long, I have experienced many instances of being obliged, by better information or fuller consideration, to change opinions, even on important subjects, which I once thought right but found to be otherwise.(自分がかつて正しいと信じていたことでも、新しい知識に基づいて修正する知的な柔軟性が必要)
“For having lived long, I have experienced many instances of being obliged, by better information or fuller consideration, to change opinions, even on important subjects, which I once thought right but found to be otherwise.”
直訳は「長く生きてきたので、私は、より良い情報やより十分な考察によって、かつては正しいと思っていたが、そうでないことを知った重要な主題についてさえ、意見を変えざるを得ない多くの事例を経験してきた」で、これは、アメリカ合衆国の建国の父ベンジャミン・フランクリンが、「知的謙虚さと意見の柔軟性」について説いた、経験と学習の哲学です。
この名言は、フランクリンが長い人生と経験を通して、「意見を変えること」は恥でなく、「より良い情報(better information)」や「十分な考察(fuller consideration)」という理性的な判断による「義務(obliged)」であるという境地に至ったことを示しています。自分がかつて正しいと信じていたことでも、新しい知識に基づいて修正する知的な柔軟性の重要性を強調しています。
名言の意味:意見を変えることは成長の証である
この言葉は、フランクリンが「啓蒙思想」の理性と客観性を重んじた思想家であったことに基づいています。真実を追求する人にとって、自分の過去の意見に固執することは非理性的な行為であり、常に最新かつ最善の情報に基づいて意見を更新し続ける義務があるという教訓です。
鍵となる要素
- I have experienced many instances of being obliged… to change opinions. 「Obliged(義務づけられた)」という言葉が重要です。意見を変えることは、個人的な好みや弱さでなく、客観的な情報と理性に基づいて判断を下す人物にとっては、避けられない「義務」であるという知的な謙虚さを表しています。
- By Better Information or Fuller Consideration(より良い情報やより十分な考察によって) 意見変更の正当な理由として挙げられています。感情や都合で意見を変えるのではなく、より正確なデータ(Better Information)や、徹底的な多角的な思考(Fuller Consideration)という理性的な根拠が必要であると説いています。
- Even on Important Subjects(重要な主題についてさえ) 長い間、中心的な信念として持っていた「重要な主題」についてでも意見を変える覚悟が必要であることを示唆しており、知的な勇気の重要性を強調しています。
類似の名言と教訓
- “When the facts change, I change my mind. What do you do, sir?” (事実が変われば、私は意見を変える。あなたはどうするのですか?) 経済学者ジョン・メイナード・ケインズの言葉とされ、「better information」に基づく意見変更の合理性を簡潔に述べています。
- 「昨日は是としたものを今日は非とする」 意味: 世の中の常識や自分の見方は、時間と共に変わりうるものであるという、フランクリンの「change opinions」の精神に通じます。
ベンジャミン・フランクリン(Benjamin Franklin)の生い立ち 💡
ベンジャミン・フランクリン(1706-1790)は、アメリカの政治家、科学者、発明家であり、建国の父の一人です。
- 自己改善の追求 フランクリンは、生涯を通して自身の人格と知性の向上に努めた人物です。彼は、12の徳(後に13に増やす)を定めて日々点検し、自己の誤りを修正し続けました。この絶え間ない自己反省の姿勢が、「better information」を常に受け入れる柔軟性の土台となっています。
- 外交官としての経験 独立戦争中、フランクリンは外交官としてパリに派遣され、長い間ヨーロッパの複雑な政治や思想に触れました。彼は、当初イギリスとの和解を望んでいた時期もありますが、新しい情報と情勢の「fuller consideration」を経て、最終的にはアメリカの完全な独立が必要であると意見を変え、外交の大きな方向転換を主導しました。この名言は、彼の公的なキャリアにおける「最も重要な主題」に関する意見変更の経験に裏付けられた、重みのある言葉だと言えるでしょう。
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心に響く英語ことわざ(864)相対性理論を構築したドイツの物理学者アルベルト・アインシュタインの名言 I believe that a simple and unassuming manner of life is best for everyone, best both for the body and the mind.(「質素」で「謙虚」な生活こそが、人間が真に健康で幸福な状態を保つための最善の道)
https://www.eionken.co.jp/note/i-believe-that-a-simple-and-unassuming-manner-of-life/
心に響く英語ことわざ(866)ブッダの名言 He who gives away shall have real gain. He who subdues himself shall be free; he shall cease to be a slave of passions. The righteous man casts off evil, and by rooting out lust, bitterness, and illusion do we reach Nirvana.( 「与えること」と「自己を律すること」によって、苦の原因である煩悩から解放され、究極の目標である「涅槃」に至る)
https://www.eionken.co.jp/note/he-who-gives-away-shall-have-real-gain/
著者Profile
山下 長幸(やました ながゆき)
・英語リスニング教育の専門家。長年、英語リスニング学習を実践・研究し、日本人に適した英語リスニング学習方法論を構築し、サービス提供のため英音研株式会社を創業。
・英語関連の著書に「生成AIをフル活用した大人の英語戦略」「英語リスニング学習にまつわるエトセトラ:学習法レビュー」「なぜ日本人は英語リスニングが苦手なのか?」など26冊がある。

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