- 英語リスニングに強くなる!英音研公式ブログ / 204.心に響く英語ことわざ2
公開日
2025.11.26
更新日
2025.11.26
心に響く英語ことわざ(867)儒教開祖の孔子の名言 To practice five things under all circumstances constitutes perfect virtue; these five are gravity, generosity of soul, sincerity, earnestness, and kindness.(五つの徳の実戦で完全な徳が完成する)
“To practice five things under all circumstances constitutes perfect virtue; these five are gravity, generosity of soul, sincerity, earnestness, and kindness.”
直訳は「あらゆる状況下で五つの事柄を実践することが完全な徳を構成する。この五つは、威厳、魂の寛大さ、誠実さ、真摯さ、そして優しさである」で、これは、古代中国の思想家である孔子が、「完全な徳(仁)の構成要素」について説いた、人間が目指すべき最高の倫理的な姿に関する教えです。
この名言は、孔子の教えの中核をなす「仁(じん:perfect virtue)」を構成する具体的な五つの要素を示しています。これらの徳(五常または五つの美徳)を「あらゆる状況下で(under all circumstances)」実践することで、人は社会に調和をもたらす理想的な人格に達すると説いています。
名言の意味:完全な徳(仁)を構成する五つの要素
孔子は、社会の混乱を収め、秩序を回復するためには、まず個人が道徳的な修養を積むことが重要であると説きました。この名言で挙げられる五つの徳は、人間性を高め、人々と調和するための実践的な指針です。
鍵となる五つの徳(五常との関連も含めて)
孔子の教えでは「仁・義・礼・智・信」の五常が有名ですが、この名言ではより行動的な特徴が挙げられています。
- Gravity(威厳/荘重さ) 軽々しくない態度と重みのある振る舞い。他者に尊敬の念を抱かせる基盤となります。
- Generosity of Soul(魂の寛大さ/包容力) 広く豊かな心で、他者の過ちを許し、受け入れる度量を指します。人間関係における調和の源です。
- Sincerity(誠実さ) 心と行いが一致していること。嘘や偽りがなく、信頼を得るための土台となります(五常の「信」に近い)。
- Earnestness(真摯さ/熱心さ) 物事に対して真剣に取り組み、怠けない態度。仕事や修養を成し遂げる原動力となります。
- Kindness(優しさ/仁愛) 他者への思いやりと慈しみの心。孔子の教えの根本である「仁」の直接的な実践形です。
これらの徳は、状況が難しいとき、あるいは他人の目がないときにこそ実践されるべきであり、それが人間の真の道徳的な強さを構成すると孔子は教えています。
類似の教訓
- 「仁義礼智信」(五常): 孔子の教えの基本的な道徳で、この名言の五つの要素もこの五常の精神を含んでいます。
- 「内面の美」: 外見でなく、魂の奥にある道徳的な徳(virtue)こそが人間の本質的な美しさであるという教え。
- “Character is doing the right thing when nobody’s looking.” (人格とは、誰も見ていないときに正しいことをすることである。): 「under all circumstances」の実践的な意味を示唆しています。
孔子(Confucius)の生い立ち
孔子(紀元前551年頃 – 紀元前479年頃)は、古代中国の春秋時代の思想家で、儒教の創始者です。
- 社会の混乱と道徳の必要性 孔子が生きた春秋時代は、戦乱と社会的な秩序の崩壊が進んでいた時代でした。彼は、この混乱の原因は道徳の衰退にあると考え、社会を再建するためには、権力や法律でなく、個人が「仁」という愛と思いやりの徳を修めることが不可欠であると説きました。
- 人間性への深い洞察 彼の教えは、人間の内面の修養を最も重視しており、この「五つの徳」は、人々が「君子(くんし)」と呼ばれる理想的な人格に到達するための実践的なロードマップとして機能しました。彼は、人間が誰でもこれらの徳を実践することで、最高の道徳的な高み(perfect virtue)へと至ることができると信じていました。
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心に響く英語ことわざ(866)ブッダの名言 He who gives away shall have real gain. He who subdues himself shall be free; he shall cease to be a slave of passions. The righteous man casts off evil, and by rooting out lust, bitterness, and illusion do we reach Nirvana.( 「与えること」と「自己を律すること」によって、苦の原因である煩悩から解放され、究極の目標である「涅槃」に至る)
https://www.eionken.co.jp/note/he-who-gives-away-shall-have-real-gain/
心に響く英語ことわざ(868)「マイフェアレディ」の原作で有名なアイルランドの劇作家マイフェアレディジョージ・バーナード・ショーの名言 The possibilities are numerous once we decide to act and not react.(主体的に行動することで可能性が開かれる)
https://www.eionken.co.jp/note/the-possibilities-are-numerous/
著者Profile
山下 長幸(やました ながゆき)
・英語リスニング教育の専門家。長年、英語リスニング学習を実践・研究し、日本人に適した英語リスニング学習方法論を構築し、サービス提供のため英音研株式会社を創業。
・英語関連の著書に「生成AIをフル活用した大人の英語戦略」「英語リスニング学習にまつわるエトセトラ:学習法レビュー」「なぜ日本人は英語リスニングが苦手なのか?」など26冊がある。

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