心に響く英語ことわざ（873）儒教開祖の孔子の名言　Go before the people with your example, and be laborious in their affairs.（道徳的な模範を示し、献身的に尽くす）

“Go before the people with your example, and be laborious in their affairs.”

直訳は「模範をもって人々の前に進みなさい。そして、彼らの事柄に勤勉でありなさい」で、これは、古代中国の思想家である孔子が、「リーダーシップと模範となる行動の重要性」について説いた、為政者や指導者の心構えに関する倫理的な教訓です。

この名言は、人を導く立場にある者（指導者や為政者）は、言葉で命じるのではなく、自らが「模範（example）」となり行動で示さなければならないというリーダーの原則を説いています。さらに、人々の課題や仕事に対しては「勤勉（laborious）」に取り組み、怠らない姿勢を持たなければならないという、行動力と責任の重要性を強調しています。

名言の意味：模範と献身が信頼を生む

孔子は、民を治めるためには法律や罰則でなく、「徳」による指導が最も効果的であるという思想（徳治主義）を持っていました。この名言は、徳を持った指導者が取るべき具体的な行動を示しています。

鍵となる二つの行動指針

1. Go Before the People with Your Example（模範をもって人々の前に進みなさい） 「Go Before」は「率先して先頭に立つ」ことを意味します。指導者は、自分に都合の良い特権を享受するのではなく、率先して模範的な行動（Example）を示して人々を導かなければならないという教えです。模範的な行動は、人々に対して言葉よりも強い説得力を持ちます。
2. Be Laborious in Their Affairs（彼らの事柄に勤勉でありなさい） 「Their Affairs」は、民が直面する日常的な課題や生活上の問題を指します。指導者は、これらの問題に対して熱意と責任を持って「勤勉に（laborious）」取り組む必要があります。怠慢や無関心は、人々の信頼を失うことに繋がるという警告です。

これらの行動は、人々に対する「仁（愛と思いやり）」の実践であり、指導者と民の間に信頼と尊敬の関係を築く基盤となります。

類似の教訓

• 「身をもって教える」: 言葉で説くのでなく、自らが模範となり行動で教えることが最も効果的であるという意味で、「Go Before the people with your example」に通じます。
• 「公私混同するな」: 公の仕事（their affairs）に対しては私情を挟まず、真摯に勤勉であるべきという教えです。
• “Lead by example.” （模範を示して導け。）: 現代のリーダーシップ論でも基本となる考え方です。

孔子（Confucius）の生い立ち

孔子（紀元前551年頃 – 紀元前479年頃）は、古代中国の春秋時代の思想家で、儒教の創始者です。

• 徳治主義の提唱 彼が生きた時代は、群雄割拠の乱世であり、為政者が私利私欲のために権力を振るうことで社会が混乱していました。孔子は、この混乱を収めるためには、力や罰則で支配するのではなく、為政者自らが道徳的な模範を示し（Example）、民の生活に献身的に尽くす（Laborious）ことが不可欠であると主張しました。
• 理想の指導者像 孔子の理想とする「君子（くんし）」は、民の父として振る舞い、自らの徳の力で人々を感化して社会全体の道徳水準を高める役割を負っていました。この名言は、君子が実践すべき「愛と責任の行動」を簡潔に示したものだと言えるでしょう。

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心に響く英語ことわざ（872）米国独立に尽力したベンジャミン・フランクリンの名言　When you’re finished changing, you’re finished.（自己の変革に終わりはない）

https://www.eionken.co.jp/note/when-youre-finished-changing/

心に響く英語ことわざ（874）「マイフェアレディ」の原作で有名なアイルランドの劇作家ジョージ・バーナード・ショーの名言　What a man believes may be ascertained, not from his creed, but from the assumptions on which he habitually acts.（本当の信念は、飾られた言葉の中ではなく、無意識の行動パターンの中に隠されている）

https://www.eionken.co.jp/note/what-a-man-believes-may-be-ascertained/

著者Profile

山下 長幸（やました ながゆき）

・英語リスニング教育の専門家。長年、英語リスニング学習を実践・研究し、日本人に適した英語リスニング学習方法論を構築し、サービス提供のため英音研株式会社を創業。

・英語関連の著書に「生成AIをフル活用した大人の英語戦略」「英語リスニング学習にまつわるエトセトラ：学習法レビュー」「なぜ日本人は英語リスニングが苦手なのか？」など26冊がある。

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