- 英語リスニングに強くなる!英音研公式ブログ / 204.心に響く英語ことわざ2
公開日
2025.12.16
更新日
2025.12.17
心に響く英語ことわざ(906)Amazon創業者ジェフ・ベゾスの名言 I knew that if I failed I wouldn’t regret that, but I knew the one thing I might regret is not trying.(後悔を最小化する思考法)
“I knew that if I failed I wouldn’t regret that, but I knew the one thing I might regret is not trying.”
直訳は「もし失敗しても、それを後悔しないだろうと分かっていた。だが、唯一後悔するかもしれないのは、挑戦しなかったことだと分かっていた」で、似た意味の言葉に「後悔先に立たず」「やらぬ後悔より、やる後悔」があります。
ジェフ・ベゾス(Jeff Bezos)の名言 I knew that if I failed…の意味
この言葉は、アマゾン(Amazon.com)の創業者であり、世界有数の実業家であるジェフ・ベゾスが、彼が安定した職を捨ててアマゾンを起業するときに用いた「後悔最小化フレームワーク(Regret Minimization Framework)」と呼ばれる思考法を要約したものです。彼は、大きな決断を下す際には常に「80歳になった自分」を想像し、長期的な視点で見てどの行動が「後悔」を最小に抑えるかを判断しました。失敗は一時的な痛みであるが、挑戦しないことで生じる「やらなかった後悔」は永続的なものであると見なしたのです。
この言葉が意味すること この名言は、起業家精神と長期的な人生の満足度における挑戦の価値を説いています。
- 「if I failed I wouldn’t regret that」(もし失敗しても、それを後悔しないだろう) 失敗は、全力で挑戦した結果であれば、教訓と経験を残すため、長期的に見ては人生の財産となります。なぜなら、その経験は「意味のある行為」であるからです。失敗への恐れが行動を阻害することないよう、失敗を受容する精神的な枠組みを示しています。
- 「the one thing I might regret is not trying」(唯一後悔するかもしれないのは、挑戦しなかったことだ) 「挑戦しなかったこと」による後悔は、「あのときやっていたらどうなっていただろう」という未来の可能性を永遠に知ることができないため、消すことができない虚無感として残ります。ベゾスは、この「やらなかった後悔」こそが最も避けるべき後悔であると判断したのです。
似た意味の英語のことわざ
- “It is better to try and fail than to fail to try.” (挑戦して失敗するほうが、挑戦せずに失敗するよりも良い。) 同じ哲学をより簡潔に表した言葉。
- “Twenty years from now you will be more disappointed by the things that you didn’t do than by the ones you did do.” (今から20年後、あなたは自分がしたことよりも、しなかったことに、より失望するだろう。) マーク・トウェインの言葉とされる格言。長期的な「後悔」の本質を的確に突いています。
似た意味の日本語のことわざ
- 「やらぬ後悔より、やる後悔」 行動しなかったことで未来に後悔するよりも、行動して結果が出なかったことの方がましだという意味です。
- 「後悔先に立たず」(こうかいさきにたたず) 「一度した行動」への悔いは変えられないという意味ですが、ベゾスの言葉は「しなかった行動」の悔いの重さに焦点を当てています。
- 「果断とは、恐れないことではなく、恐れに打ち克つことである」 失敗の恐れを認めつつも、それを乗り越えて挑戦する勇気の重要性を説いています。
ジェフ・ベゾス(Jeff Bezos)の波乱万丈な生い立ち
ジェフ・ベゾス(1964-)は、オンライン小売り大手アマゾン(Amazon)を世界的な巨大企業に育て上げ、宇宙開発企業ブルーオリジン(Blue Origin)を創業するなど、現代の経済と技術に最も影響力のある人物の一人です。
- 安定した職業の放棄 プリンストン大学卒業後、ベゾスはワールド・トレード・センターにあるヘッジファンド会社DE Shawで上級副社長という高給で安定した職に就いていました。しかし、インターネットの爆発的な成長を見て、本をオンラインで売るという当時としては「狂気の」アイデアを思いつきます。
- 「後悔最小化フレームワーク」の実践 起業の決断をする際、上司からは猛反対されましたが、そこで彼が用いたのが前述の思考法です。「80歳の自分は、このインターネットブームの時に挑戦しなかったことを深く後悔するだろう」と結論付け、安定を捨てて西海岸へ向かいました。
- 常に「Day 1」である精神 ベゾスは、アマゾンの会社文化の核心として、常に「Day 1(1日目)」の精神を保つことを説いています。これは、「常に創業当初のようにスタートアップ精神を持ち、挑戦を続け、失敗を恐れずにイノベーションを起こし続ける」という意味であり、この名言の思想と一致しています。
名言の出典
“King of Cyber-Commerce”. Interview, www.achievement.org. May 4, 2001.
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心に響く英語ことわざ(905)古代ギリシャの医師ヒポクラテスの名言 A wise man ought to realize that health is his most valuable possession.(病気になって初めて健康のありがたみがわかる)
https://www.eionken.co.jp/note/a-wise-man-ought-to-realize/
心に響く英語ことわざ(907)ビートルズメンバーだったジョン・レノンの名言 A mistake is only an error, it becomes a mistake when you fail to correct it.(失敗は訂正しなければ失敗になる)
https://www.eionken.co.jp/note/a-mistake-is-only-an-error/
著者Profile
山下 長幸(やました ながゆき)
・英語リスニング教育の専門家。長年、英語リスニング学習を実践・研究し、日本人に適した英語リスニング学習方法論を構築し、サービス提供のため英音研株式会社を創業。
・英語関連の著書に「生成AIをフル活用した大人の英語戦略」「英語リスニング学習にまつわるエトセトラ:学習法レビュー」「なぜ日本人は英語リスニングが苦手なのか?」など26冊がある。
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