- 英語リスニングに強くなる!英音研公式ブログ / 204.心に響く英語ことわざ2
公開日
2025.12.31
更新日
2025.12.31
心に響く英語ことわざ(920)アメリカの経営学者フィリップ・コトラーの名言 It is more important to do what is strategically right than what is immediately profitable.(目先の利益より、戦略的正しさが重要である)
“It is more important to do what is strategically right than what is immediately profitable.”
直訳は「すぐに利益が出る(収益性の高い)ことよりも、戦略的に正しいことを行うことの方が重要である」で、似た意味の言葉に「急がば回れ」や「損して得取れ」があります。
フィリップ・コトラー(Philip Kotler)の名言の意味
この言葉は、「近代マーケティングの父」と称されるフィリップ・コトラーが、企業の持続的な成長における「意思決定の基準」について説いたものです。コトラーは、ビジネスの現場において、目先の売上や利益(短期的利益)を追い求めるあまり、ブランドの価値を損なったり、将来の市場ポジションを失ったりする危うさを指摘しています。真の成功は、長期的ビジョンに基づいた「戦略的な正しさ」を貫くことでしか得られないという教えです。
この言葉が意味すること
この名言は、ビジネスにおける「時間軸」と「価値の本質」を問うています。
- 「strategically right」(戦略的に正しい) ブランドの信頼構築、顧客との長期的な関係性(LTV)、あるいは新しい市場の創造など、将来の大きな成功の土台となる行動を指します。
- 「immediately profitable」(すぐに利益が出る) 安易な値引き販売や、品質を落としたコスト削減など、一瞬だけ数字を良くするが、長期的にはマイナスに働く可能性のある選択を戒めています。
似た意味の言葉
- 英語: “Marketing is not the art of finding clever ways to dispose of what you make. It is the art of creating genuine customer value.”(マーケティングとは、作ったものを処分するための巧妙な方法を見つける術ではない。真の顧客価値を創造する術である。) — フィリップ・コトラー
- 日本語: 「近江商人の三方よし(売り手よし、買い手よし、世間よし)」。目先の利益を独占せず、全体にとって正しい道を選ぶことが、結果として商売を長続きさせるという知恵に通じます。
フィリップ・コトラー(Philip Kotler)の生い立ち
フィリップ・コトラー(1931年生まれ)は、マーケティングを単なる「販売技術」から、心理学や数学、経済学を統合した「経営科学」へと昇華させた巨頭です。
- 経済学への深い造詣: シカゴ大学で修士号、マサチューセッツ工科大学(MIT)で博士号を取得しました。ノーベル経済学賞受賞者のミルトン・フリードマンやポール・サミュエルソンのもとで学んだその理論的背景が、彼のマーケティング論の土台となっています。
- マーケティング・マネジメントの確立: 彼の著書『マーケティング・マネジメント』は、世界中のビジネススクールで「聖書」として使われています。彼は、4P(製品、価格、流通、販促)やSTP(セグメンテーション、ターゲティング、ポジショニング)といった概念を体系化しました。
- 社会への視点: 晩年は「ソーシャル・マーケティング」を提唱し、企業が利益だけでなく、社会全体の幸福や環境にどう貢献すべきかという「戦略的正しさ」を説き続けています。この名言は、彼が理想とする「価値を基盤とした経営」の象徴です。
名言の出典
この言葉は、コトラーの数多くの著書やインタビュー、講演の中で、「マーケティングの失敗の多くは、短期的な利益追求に原因がある」という文脈で語られています。特に彼の『コトラーのマーケティング思考法』などのビジネスリーダー向けのアドバイスの中で、戦略的思考の重要性を強調するフレーズとして引用されています。
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心に響く英語ことわざ(919)アメリカの経営学者ピーター・ドラッカーの名言 The most important thing in communication is hearing what isn’t said.(コミュニケーションで最も大切なことは、語られない言葉を聞くことである)
https://www.eionken.co.jp/note/the-most-important-thing-in-communication/
著者Profile
山下 長幸(やました ながゆき)
・英語リスニング教育の専門家。長年、英語リスニング学習を実践・研究し、日本人に適した英語リスニング学習方法論を構築し、サービス提供のため英音研株式会社を創業。
・英語関連の著書に「生成AIをフル活用した大人の英語戦略」「英語リスニング学習にまつわるエトセトラ:学習法レビュー」「なぜ日本人は英語リスニングが苦手なのか?」など26冊がある。
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