- 英語リスニングに強くなる!英音研公式ブログ / 204.心に響く英語ことわざ2
公開日
2025.09.25
更新日
2025.09.26

心に響く英語ことわざ(717)「若きウェルテルの悩み」で有名なドイツの文豪ゲーテの名言 A person hears only what they understand.(人は自分が理解できることだけを聞く)
“A person hears only what they understand.”
直訳は「人は自分が理解することだけを聞く」で、これは、「理解力」が、私たちが、他者の言葉や、この世界の出来事を、どのように受け止めるかを、決定するという、ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテの深い洞察を表現しています。
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ(Johann Wolfgang von Goethe)の名言 A person hears only what they understand…の意味
この言葉は、ドイツの詩人、劇作家、そして小説家であるヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテが、「コミュニケーションと理解」について述べたものです。彼は、私たちが、他者の言葉を、ただ耳で聞くだけでは不十分であり、それを「理解(understand)」するという、内面的な行為を通じてのみ、その言葉の真の意味を捉えることができると説いています。
この言葉が意味すること
この名言は、「理解の限界」を強調しています。
- 「A person hears only what they understand.」(人は、自分が理解することだけを聞く) ゲーテは、この言葉で、「聞くこと(hears)」と「理解すること(understand)」を区別しています。彼は、私たちが、他者の言葉を、どれほど注意深く聞いても、その言葉が、私たちの「理解」の枠を超えている場合、それは、「聞く」ことができないと断言しています。
似た意味の英語のことわざ
- “The greatest good is the knowledge of oneself.” (最大の善は、自己を知ることである。) これはソクラテスの言葉で、ゲーテの言葉が持つ、「内面的な真理を探求する」という精神と通じます。
- “Where there is a will, there is a way.” (意志あるところに道は開ける。) これは、強い意志や決意があれば、必ず成功への道が見つかるという意味で、その道は、理解しようとする意志から開かれます。
- “A journey of a thousand miles begins with a single step.” (千里の道も一歩から。) これは、どんなに大きな目標でも、最初の一歩から始まるという意味で、その一歩は、理解しようとする小さな行動かもしれません。
似た意味の日本語のことわざ
- 「蓼食う虫も好き好き」(たでくうむしもすきずき) 人の好みは様々であるという意味で、ゲーテの言葉とは直接的な関連性はありません。
- 「口は災いの元」(くちはわざわいのもと) 不用意な発言や嘘が、身の破滅を招く原因となるという意味。
- 「為すべきを為す」(なすべきをなす) 目先の利益や欲望を気にせず、自分がすべきだと信じる正しいことを行う、という意味。
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ(Johann Wolfgang von Goethe)の波乱万丈な生い立ち
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ(1749-1832)は、ドイツの詩人、劇作家、そして小説家であり、「ドイツ文学の父」と見なされています。彼は、『ファウスト』や『若きウェルテルの悩み』といった、多くの不朽の名作を生み出し、ヨーロッパの文学に、深い影響を与えました。
幼少期と文学への道
1749年、フランクフルトで、裕福な家庭に生まれました。彼は、幼い頃から、文学、そして芸術に才能を発揮しました。 彼は、その後、ライプツィヒ大学で法律を学びましたが、文学への情熱を捨てることができず、その後、作家として活動を始めました。
ヴァイマルでの生活と晩年
ゲーテは、その後、ヴァイマル公国に招かれ、政治家として、重要な役割を果たしました。彼は、その傍ら、科学や、哲学の研究にも没頭しました。 彼は、その生涯を通じて、多くの女性と恋に落ち、その経験が、彼の作品に深い影響を与えました。 彼は、晩年、『ファウスト』の執筆に専念しました。この作品は、人間の知識、そして人生の意味といった、普遍的なテーマを、深く描き出しています。 彼は、1832年に82歳で亡くなりました。 ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテの生涯は、一人の人間が、その才能と、飽くなき探究心によって、いかに文学と、世界を豊かにすることができるかを示す物語です。彼の言葉は、私たちに、真のコミュニケーションは、理解から始まるという、深い教訓を与え続けています。
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心に響く英語ことわざ(716)「批判哲学」を提唱したドイツの哲学者イマヌエル・カントの名言 By a lie, a man… annihilates his dignity as a man.(うそは人間の尊厳を抹殺する)
https://www.eionken.co.jp/note/by-a-lie-a-man/
心に響く英語ことわざ(718)インドの独立運動の指導者マハトマ・ガンジーの名言 Whatever you do may seem insignificant to you, but it is most important that you do it.(行動することが重要)
https://www.eionken.co.jp/note/whatever-you-do-may-seem-insignificant/
著者Profile
山下 長幸(やました ながゆき)
・英語リスニング教育の専門家。長年、英語リスニング学習を実践・研究し、日本人に適した英語リスニング学習方法論を構築し、サービス提供のため英音研株式会社を創業。
・英語関連の著書に「生成AIをフル活用した大人の英語戦略」「英語リスニング学習にまつわるエトセトラ:学習法レビュー」「なぜ日本人は英語リスニングが苦手なのか?」など26冊がある。
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