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公開日
2025.09.11
更新日
2025.09.11

心に響く英語ことわざ(665)「トム・ソーヤーの冒険」で有名な米国の作家マーク・トウェインの名言 All you need in this life is ignorance and confidence, and then success is sure.(根拠のない自信が成功の鍵)
“All you need in this life is ignorance and confidence, and then success is sure.”
直訳は「この人生に必要なのは、無知と自信だけだ。そうすれば成功は間違いない」で、この言葉は、皮肉とユーモアを込めて、「無謀な自信」が、時には成功をもたらすという、人間の奇妙な側面を表現しています。
マーク・トウェイン(Mark Twain)の名言 All you need in this life is…の意味
この言葉は、アメリカの作家、ユーモア作家であるマーク・トウェインが、「成功の定義」について、風刺を込めて述べたものです。彼は、一般的に成功に必要とされる、知識や努力といったものを挙げずに、むしろその反対である「無知(ignorance)」と「自信(confidence)」を、成功の鍵としています。
この言葉が意味すること
この名言は、「無知ゆえの強さ」という哲学を強調しています。
- 「ignorance」(無知) トウェインは、ここで、「自分が何を知らないか」を知らないことを指しています。ある人は、目標を達成するための困難や、それに伴うリスクを、知らないがゆえに、恐れることなく行動することができます。彼は、この「無知」が、挑戦への最初の一歩を踏み出すための、一種の「力」になり得ると示唆しています。
- 「and confidence」(そして自信) この「自信」は、客観的な根拠に基づくものではなく、むしろ、根拠のない自信を指しています。トウェインは、この根拠のない自信が、どんな困難にも立ち向かい、失敗しても諦めずに挑戦し続けるための、原動力になると考えていました。
まとめ
マーク・トウェインのこの言葉は、「成功への道は、必ずしも理性的で論理的なものではない」という、皮肉な真実を教えてくれます。私たちは、知識や準備が万全でなくても、無知と自信があれば、意外な成功を掴むことがあるのです。しかし、この言葉は、同時に、そのような成功が、どれほど危険で、無謀なものであるかという警告でもあります。
似た意味の英語のことわざ
- “Fools rush in where angels fear to tread.” (天使が足を踏み入れるのを恐れる場所に、愚か者は突進する。) これは、経験や知識のない者が、危険な場所に平気で足を踏み入れるという意味で、トウェインの言葉と完全に一致します。
- “Better three hours too soon than a minute too late.” (1分遅れるよりも、3時間早く着く方が良い。) これはウィリアム・シェイクスピアの名言で、計画性と準備の重要性を説いていますが、トウェインの言葉は、その反対の視点から、成功の可能性を示唆しています。
- “Where there is a will, there is a way.” (意志あるところに道は開ける。) これは、強い意志や決意があれば、必ず成功への道が見つかるという意味で、トウェインの言葉は、その「意志」が、無知と自信によって、より強固なものになることを示唆しています。
似た意味の日本語のことわざ
- 「猪突猛進」(ちょとつもうしん) 目標に向かって、周りのことやリスクを考えずに、ただひたすら突き進むこと。トウェインの言葉を的確に表す日本語です。
- 「怖いもの知らず」(こわいものしらず) 何事にも恐れずに突き進むこと。
- 「果報は寝て待て」(かほうはねてまて) 幸運は、焦らずに待っていればやってくるという意味で、トウェインの言葉とは、全く異なる考え方を示しています。
マーク・トウェイン(Mark Twain)の波乱万丈な生い立ち
マーク・トウェイン(1835-1910)は、アメリカの作家、ユーモア作家であり、『トム・ソーヤーの冒険』や『ハックルベリー・フィンの冒険』といった不朽の名作を生み出しました。彼は、その本名であるサミュエル・ラングホーン・クレメンズよりも、ペンネームの「マーク・トウェイン」として、広く知られています。
幼少期とミシシッピ川での生活
1835年、ミズーリ州の小さな町で生まれました。彼は、幼い頃に父を亡くし、経済的に苦しい生活を送りました。12歳で学校を辞め、印刷所の見習いとして働きました。 その後、彼は、ミシシッピ川で水先案内人として働き始めました。この経験が、彼の後の作品に大きな影響を与え、特に『ハックルベリー・フィンの冒険』では、ミシシッピ川を舞台に、少年たちの冒険が描かれています。
作家としての成功と晩年
彼は、その後、新聞記者として働き始め、作家として頭角を現しました。彼は、そのユーモラスな文体と、社会を鋭く風刺する視点で、多くの読者の心を掴みました。 しかし、彼の晩年は、家族の死や、投資の失敗といった、多くの不幸に見舞われました。彼は、その悲しみを、作品や講演でユーモラスに語り、人々を笑わせました。 1910年、彼は74歳で亡くなりました。 マーク・トウェインの生涯は、貧困という逆境を乗り越え、その経験を作品に昇華させ、ユーモアで人々を勇気づけた物語です。彼の言葉は、私たちに、人生は、論理だけでは語れない、奇妙で、そして面白いものであるという、深い教訓を与え続けています。
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著者Profile
山下 長幸(やました ながゆき)
・英語リスニング教育の専門家。長年、英語リスニング学習を実践・研究し、日本人に適した英語リスニング学習方法論を構築し、サービス提供のため英音研株式会社を創業。
・英語関連の著書に「生成AIをフル活用した大人の英語戦略」「英語リスニング学習にまつわるエトセトラ:学習法レビュー」「なぜ日本人は英語リスニングが苦手なのか?」など26冊がある。
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