- 英語リスニングに強くなる!英音研公式ブログ / 204.心に響く英語ことわざ2
公開日
2025.09.07
更新日
2025.09.07

心に響く英語ことわざ(643)「星の王子さま」で有名なフランスの作家サン=テグジュペリの名言 And now here is my secret, a very simple secret: it is only with the heart that one can see rightly, what is essential is invisible to the eye.(心で見る)
“And now here is my secret, a very simple secret: it is only with the heart that one can see rightly, what is essential is invisible to the eye.”
直訳は「さあ、私の秘密を教えよう、とてもシンプルな秘密だ。人は心でしか正しく見ることができない。大切なものは目に見えない」で、似た意味のことわざに「目は心の窓」があります。
アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ(Antoine de Saint-Exupéry)の名言 And now here is my secret…の意味
この言葉は、フランスの作家、飛行家であるアントワーヌ・ド・サン=テグジュペリが、『星の王子さま』という彼の代表作で述べたものです。この名言は、「本質を見抜く力」について、「心(heart)」の重要性を説いています。
この言葉が意味すること
この名言は、「表面的なものと、本質的なもの」という二つの概念を対比させています。
- 「it is only with the heart that one can see rightly」(人は心でしか正しく見ることができない) サン=テグジュペリは、人間の視覚(目)が、表面的なもの、つまり、形や色、外見といったものを認識するのに適していると考えていました。しかし、物事の「本質」や「真実」は、それらの表面的なものの中にはありません。それは、愛情、友情、そして信頼といった、目に見えないものであり、それらを「正しく見る」ためには、理屈や論理ではなく、「心」という、より深い感覚が必要であると説いています。
- 「what is essential is invisible to the eye.」(大切なものは目に見えない) この部分が、この名言の核心です。私たちは、お金、地位、そして名声といった、目に見えるものを追い求めがちです。しかし、サン=テグジュペリは、本当に大切なもの、例えば、他者への思いやり、人生の幸福、そして愛は、目には見えないと示しています。
まとめ
アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリのこの言葉は、私たちに「心の眼で世界を見ること」の重要性を教えてくれます。物質的な豊かさや、表面的な成功に囚われることなく、本当に大切なものは何かを、心で感じ取ることこそが、人生をより豊かにする鍵なのです。
似た意味の英語のことわざ
- “Beauty is in the eye of the beholder.” (美は見る人の目にある。) これは、美が客観的なものではなく、見る人の主観的な感覚によって決まるという意味です。
- “The greatest good is the knowledge of oneself.” (最大の善は、自己を知ることである。) これはソクラテスの言葉ですが、サン=テグジュペリの言葉は、自己だけでなく、他者や世界の真実を「心」で知ることの重要性を説いています。
- “Don’t judge a book by its cover.” (本を表紙で判断するな。) これは、人を外見や表面的な情報で判断してはならないという教訓です。
似た意味の日本語のことわざ
- 「目は心の窓」(めはこころのまど) 目は、その人の心を映し出す鏡であるという意味。サン=テグジュペリの言葉と通じます。
- 「蓼食う虫も好き好き」(たでくうむしもすきずき) 人の好みは様々であるという意味で、価値観は人それぞれであることを示しています。
- 「物事に二つとして同じものはない」 世の中に存在するすべてのものは、それぞれに個性があり、同じものはないという意味。これも、表面的な判断を戒める教訓です。
アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ(Antoine de Saint-Exupéry)の波乱万丈な生い立ち
アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ(1900-1944)は、フランスの作家、飛行家であり、『夜間飛行』や『人間の土地』といった作品で知られています。彼の最も有名な作品は、1943年に出版された『星の王子さま』です。
幼少期と飛行家への道
1900年、フランスのリヨンで貴族の家庭に生まれました。彼は、幼い頃から空を飛ぶことに憧れ、軍隊に入隊して飛行機の操縦を学びました。彼は、その後、郵便飛行機のパイロットとして働き、サハラ砂漠や南米の山岳地帯を飛びました。
飛行家としての経験と文学作品
サン=テグジュペリの文学作品は、彼の飛行家としての経験から大きな影響を受けています。彼は、孤独な空の旅の中で、人生の意味や、人間関係の重要性を深く考えました。彼の作品には、「孤独」「友情」「責任」といったテーマが頻繁に登場します。 彼の代表作『星の王子さま』は、サハラ砂漠に不時着した飛行士が、小さな星から来た王子さまと出会う物語です。この物語は、子供向けの童話のように見えますが、その中には、人生の真理、愛、そして人間関係に関する深い哲学が込められています。
謎に包まれた死
第二次世界大戦中、彼は偵察機のパイロットとして任務に就きました。1944年、彼はコルシカ島から偵察任務に出発しましたが、そのまま行方不明となりました。彼の死の真相は、未だに謎に包まれています。 アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリの生涯は、空を旅する冒険と、人生の真理を探求する物語でした。彼の言葉は、私たちに、目に見えるものだけに価値を置くのではなく、心で感じ取る、本当に大切なものを大切にすることを教えてくれます。
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心に響く英語ことわざ(642)エイブラハム・リンカーンの名言 I like to see a man proud of the place in which he lives. I like to see a man live so that his place will be proud of him.(自分の居場所への誇り)
https://www.eionken.co.jp/note/i-like-to-see-a-man-proud/
心に響く英語ことわざ(644)古代ギリシアの哲学者アリストテレスの名言 The soul never thinks without a picture.(イメージを持って考える)
https://www.eionken.co.jp/note/the-soul-never-thinks/
著者Profile
山下 長幸(やました ながゆき)
・英語リスニング教育の専門家。長年、英語リスニング学習を実践・研究し、日本人に適した英語リスニング学習方法論を構築し、サービス提供のため英音研株式会社を創業。
・英語関連の著書に「生成AIをフル活用した大人の英語戦略」「英語リスニング学習にまつわるエトセトラ:学習法レビュー」「なぜ日本人は英語リスニングが苦手なのか?」など26冊がある。