- 英語リスニングに強くなる!英音研公式ブログ / 204.心に響く英語ことわざ2
公開日
2025.09.27
更新日
2025.09.27

心に響く英語ことわざ(722)「若きウェルテルの悩み」で有名なドイツの文豪ゲーテの名言 Thinking is easy, acting is difficult, and to put one’s thoughts into action is the most difficult thing in the world.(実行こそが価値ある行為)
“Thinking is easy, acting is difficult, and to put one’s thoughts into action is the most difficult thing in the world.”
直訳は「考えることは簡単で、行動することは難しく、そして自分の考えを行動に移すことは、世界で最も難しいことである」で、これは、「思考」と「行動」の間に存在する大きな隔たりを指摘し、「実行」こそが、最も困難で、価値のある行為であるという、ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテの深い洞察を表現しています。
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ(Johann Wolfgang von Goethe)の名言 Thinking is easy…の意味
この言葉は、ドイツの詩人、劇作家、そして小説家であるヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテが、「思考と行動のギャップ」について述べたものです。彼は、頭の中で、素晴らしいアイデアや計画を立てることは、比較的簡単であるが、それを、現実世界で、「行動(acting)」に移すこと、特に、「考えを行動に移す(put one’s thoughts into action)」というプロセスが、最も困難であると説いています。
この言葉が意味すること
この名言は、「実行の重要性」を強調しています。
- 「Thinking is easy」(考えることは簡単) ゲーテは、この言葉で、「思考」の「気軽さ」を示しています。彼は、人が、誰にも邪魔されることなく、頭の中で、自由に考えを巡らせることは、比較的簡単なことだと考えていました。
- 「acting is difficult」(行動することは難しい) この部分は、「行動」が、「思考」よりも、多くの時間、労力、そして、リスクを伴うことを意味しています。彼は、行動が、外部の環境や、他者との関係に影響されるため、「困難(difficult)」なものであると捉えています。
- 「and to put one’s thoughts into action is the most difficult thing in the world.」(そして自分の考えを行動に移すことは、世界で最も難しいことである) この部分が、この言葉の核心です。ゲーテは、「考えを行動に移す(put one’s thoughts into action)」という、「実行」のプロセスを、「世界で最も難しいこと(the most difficult thing in the world)」と断言しています。彼は、このプロセスが、単に、「行動すること」だけでなく、「思考」と「行動」を、完全に一致させるという、精神的な力を要求すると考えていました。
似た意味の英語のことわざ
- “The greatest good is the knowledge of oneself.” (最大の善は、自己を知ることである。) これはソクラテスの言葉で、ゲーテの言葉が持つ、「内面的な真理を探求する」という精神と通じます。
- “Where there is a will, there is a way.” (意志あるところに道は開ける。) これは、強い意志や決意があれば、必ず成功への道が見つかるという意味で、その道は、考えを行動に移す意志から開かれます。
- “A journey of a thousand miles begins with a single step.” (千里の道も一歩から。) これは、どんなに大きな目標でも、最初の一歩から始まるという意味で、その一歩は、考えを行動に移すという、勇気ある行動かもしれません。
似た意味の日本語のことわざ
- 「口は達者でも手は不器用」(くちはたっしゃでもてはぶきよう) 口では、立派なことを言うが、実際に行動に移すことができないという意味。ゲーテの言葉を最も的確に表す日本語です。
- 「蓼食う虫も好き好き」(たでくうむしもすきずき) 人の好みは様々であるという意味で、ゲーテの言葉とは直接的な関連性はありません。
- 「為すべきを為す」(なすべきをなす) 目先の利益や欲望を気にせず、自分がすべきだと信じる正しいことを行う、という意味。
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ(Johann Wolfgang von Goethe)の波乱万丈な生い立ち
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ(1749-1832)は、ドイツの詩人、劇作家、そして小説家であり、「ドイツ文学の父」と見なされています。彼は、『ファウスト』や『若きウェルテルの悩み』といった、多くの不朽の名作を生み出し、ヨーロッパの文学に、深い影響を与えました。
幼少期と文学への道
1749年、フランクフルトで、裕福な家庭に生まれました。彼は、幼い頃から、文学、そして芸術に才能を発揮しました。 彼は、その後、ライプツィヒ大学で法律を学びましたが、文学への情熱を捨てることができず、その後、作家として活動を始めました。
ヴァイマルでの生活と晩年
ゲーテは、その後、ヴァイマル公国に招かれ、政治家として、重要な役割を果たしました。彼は、その傍ら、科学や、哲学の研究にも没頭しました。 彼は、その生涯を通じて、多くの女性と恋に落ち、その経験が、彼の作品に深い影響を与えました。 彼は、晩年、『ファウスト』の執筆に専念しました。この作品は、人間の知識、そして人生の意味といった、普遍的なテーマを、深く描き出しています。 彼は、1832年に82歳で亡くなりました。 ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテの生涯は、一人の人間が、その才能と、飽くなき探究心によって、いかに文学と、世界を豊かにすることができるかを示す物語です。彼の言葉は、私たちに、思考を行動に移すことの重要性を教えてくれます。
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心に響く英語ことわざ(721)「モナ・リザ」で有名なイタリアルネサンス期の芸術家レオナルド・ダ・ヴィンチの名言 Anyone who conducts an argument by appealing to authority is not using his intelligence; he is just using his memory.(自ら考え判断することが重要)
https://www.eionken.co.jp/note/anyone-who-conducts-an-argument/
心に響く英語ことわざ(723)インド独立の指導者マハトマ・ガンジーの名言 Confession of errors is like a broom which sweeps away the dirt and leaves the surface brighter and clearer. I feel stronger for confession. (過ちを告白することは重要)
https://www.eionken.co.jp/note/confession-of-errors-is-like-a-broom/
著者Profile
山下 長幸(やました ながゆき)
・英語リスニング教育の専門家。長年、英語リスニング学習を実践・研究し、日本人に適した英語リスニング学習方法論を構築し、サービス提供のため英音研株式会社を創業。
・英語関連の著書に「生成AIをフル活用した大人の英語戦略」「英語リスニング学習にまつわるエトセトラ:学習法レビュー」「なぜ日本人は英語リスニングが苦手なのか?」など26冊がある。
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