- 英語リスニングに強くなる!英音研公式ブログ / 204.心に響く英語ことわざ2
公開日
2025.09.27
更新日
2025.09.27

心に響く英語ことわざ(721)「モナ・リザ」で有名なイタリアルネサンス期の芸術家レオナルド・ダ・ヴィンチの名言 Anyone who conducts an argument by appealing to authority is not using his intelligence; he is just using his memory.(自ら考え判断することが重要)
“Anyone who conducts an argument by appealing to authority is not using his intelligence; he is just using his memory.”
直訳は「権威に訴えることによって議論を進める者は、自分の知性を使っていない。ただ自分の記憶を使っているにすぎない」で、これは、「思考」と「記憶」を明確に区別し、真の知性は、他者の意見を鵜呑みにすることではなく、自ら考え、論理的に判断することにあるという、レオナルド・ダ・ヴィンチの深い洞察を表現しています。
レオナルド・ダ・ヴィンチ(Leonardo da Vinci)の名言 Anyone who conducts an argument…の意味
この言葉は、イタリアの芸術家、科学者、そして発明家であるレオナルド・ダ・ヴィンチが、「思考の本質」について述べたものです。彼は、人が、「権威(authority)」に頼り、自分の意見を、他者の言葉で正当化することは、「記憶(memory)」という、受動的な能力を使っているにすぎず、「知性(intelligence)」という、能動的な能力を使っていないと説いています。
この言葉が意味すること
この名言は、「批判的思考」を強調しています。
- 「Anyone who conducts an argument by appealing to authority」(権威に訴えることによって議論を進める者) ダ・ヴィンチは、この言葉で、「権威主義」を批判しています。彼は、人が、議論の場で、「〜先生が言ったから正しい」というように、他者の言葉を引用することは、その人の思考の怠惰を示していると考えていました。
- 「is not using his intelligence; he is just using his memory.」(自分の知性を使っていない。ただ自分の記憶を使っているにすぎない) この部分が、この言葉の核心です。ダ・ヴィンチは、「知性(intelligence)」を、「記憶(memory)」よりも、はるかに高貴な能力としています。彼は、真の「知性」が、物事を、自らの目で観察し、実験し、そして論理的に分析するプロセスから生まれると信じていました。
似た意味の英語のことわざ
- “The greatest good is the knowledge of oneself.” (最大の善は、自己を知ることである。) これはソクラテスの言葉で、ダ・ヴィンチの言葉が持つ、「内面的な真理を探求する」という精神と通じます。
- “Where there is a will, there is a way.” (意志あるところに道は開ける。) これは、強い意志や決意があれば、必ず成功への道が見つかるという意味で、その道は、自ら考えるという意志から開かれます。
- “A journey of a thousand miles begins with a single step.” (千里の道も一歩から。) これは、どんなに大きな目標でも、最初の一歩から始まるという意味で、その一歩は、自ら考えるという小さな行動かもしれません。
似た意味の日本語のことわざ
- 「口は災いの元」(くちはわざわいのもと) 不用意な発言や嘘が、身の破滅を招く原因となるという意味。
- 「為すべきを為す」(なすべきをなす) 目先の利益や欲望を気にせず、自分がすべきだと信じる正しいことを行う、という意味。
レオナルド・ダ・ヴィンチ(Leonardo da Vinci)の波乱万丈な生い立ち
レオナルド・ダ・ヴィンチ(1452-1519)は、イタリアの芸術家、科学者、そして発明家であり、ルネサンス期を代表する最も偉大な人物の一人です。彼は、『モナ・リザ』や『最後の晩餐』といった不朽の名作を生み出し、その才能は、絵画、彫刻、そして建築といった、多岐にわたる分野に及びました。
幼少期と芸術への道
1452年、フィレンツェ近郊のヴィンチ村で、公証人の非嫡出子として生まれました。彼は、正規の教育をほとんど受けませんでしたが、その才能が認められ、フィレンツェの画家工房で、見習いとして、働き始めました。 彼は、その後、ミラノや、ローマといった、イタリアの各地で、多くの傑作を生み出しました。
科学者、そして発明家として
ダ・ヴィンチは、その芸術活動の傍ら、科学や、医学の研究にも没頭しました。彼は、解剖学や、飛行機といった、多くの分野で、詳細なスケッチと、メモを残しました。 彼は、その卓越した観察力と、批判的思考で、多くの科学的な発見をしました。
晩年と遺産
ダ・ヴィンチは、その後、フランス王フランソワ1世に招かれ、そこで、その生涯を終えました。彼は、1519年に67歳で亡くなりました。 レオナルド・ダ・ヴィンチの生涯は、一人の人間が、その才能と、飽くなき探究心によって、いかに芸術と、科学を豊かにすることができるかを示す物語です。彼の言葉は、私たちに、他者の意見を鵜呑みにせず、自ら考えることの重要性を教えてくれます。
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心に響く英語ことわざ(720)道教開祖の老子の名言 He who knows that enough is enough will always have enough.(足るを知る)
https://www.eionken.co.jp/note/he-who-knows-that-enough/
心に響く英語ことわざ(722)「若きウェルテルの悩み」で有名なドイツの文豪ゲーテの名言 Thinking is easy, acting is difficult, and to put one’s thoughts into action is the most difficult thing in the world.(実行こそが価値ある行為)
著者Profile
山下 長幸(やました ながゆき)
・英語リスニング教育の専門家。長年、英語リスニング学習を実践・研究し、日本人に適した英語リスニング学習方法論を構築し、サービス提供のため英音研株式会社を創業。
・英語関連の著書に「生成AIをフル活用した大人の英語戦略」「英語リスニング学習にまつわるエトセトラ:学習法レビュー」「なぜ日本人は英語リスニングが苦手なのか?」など26冊がある。
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