- 英語リスニングに強くなる!英音研公式ブログ / 250.AIと経済社会
公開日
2026.01.03
更新日
2026.01.03
人工超知能時代における新たな生き方とはどのようなものか?
AIの進化は、知能レベルと適用範囲に基づき、2022年の終わりに出現した「特化型(ANI: Artificial Narrow Intelligence):生成AI」、2030年頃に出現するとされる「汎用型(AGI: Artificial General Intelligence)」、そして2040年頃に出現するとされる「超知能(ASI: Artificial Super Intelligence)」という、3つの異なるアーキテクチャと能力を持つフェーズで予測されています。これに加えてAIロボティクスの進化も予測されています。今回はこのようなAIの進化・普及が「価値観の大転換」が起きる過渡期において、私たち個人がいかにして「精神的な充足感(ウェルビーイング)」を維持し、新しい時代の生き方を構築すべきか、生成AI(ANI)に検討してもらいました。
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ASI(人工超知能)が物質的な不足を解消し、宇宙規模の拡張をもたらす世界は、人類にとって「生存のための競争」という数万年続いた重圧からの解放を意味します。しかし、心理学的には「目的の喪失」や「実存的空虚」という新たなリスクも孕んでいます。
この過渡期において、私たちが精神的な充足感(ウェルビーイング)を維持し、新しい生き方を構築するための指針を、心理学の主要な理論から深掘りします。
- 「外発的動機」から「内発的動機」への完全移行
これまでの社会では、「給料のため」「地位のため」という外発的動機が行動の大きな原動力でした。しかし、ASI時代にはこれらが無意味化します。そこで重要になるのが、心理学者デシとライアンが提唱した「自己決定理論(Self-Determination Theory)」です。
- 自律性(Autonomy): 「誰かに強制されるから」ではなく、自分の意志で行動を選択している感覚。
- 有能感(Competence): 何かを学び、上達し、自分の能力を発揮できているという感覚(例:AIが翻訳できても、自分で英語を学び、微妙なニュアンスを理解する喜びなど)。
- 関係性(Relatedness): 他者と深く結びつき、愛し、愛されているという感覚。
ウェルビーイングの鍵: 報酬がなくても「ただそれが好きだから」「知りたいから」という純粋な好奇心に基づいた活動を、人生のポートフォリオの中心に据えること。
- PERMAモデルによる「幸福の再定義」
ポジティブ心理学の創始者マーティン・セリグマンのPERMAモデルは、ASI時代の幸福を設計する上で非常に有効なフレームワークです。
| 要素 | ASI時代における意味 | 具体的なアクション |
| Positive Emotion | 刹那的な快楽を超えた感情 | 美しい自然や芸術に触れ、畏敬の念(Awe)を養う。 |
| Engagement | 「フロー」状態への没入 | 趣味、研究、スポーツなど、時間を忘れるほど没頭できる活動。 |
| Relationships | 深い人間関係 | 効率性を度外視した、家族や友人との「無駄で豊かな時間」。 |
| Meaning | 自分が大きな何かに貢献している感覚 | AIにはできない「独自の価値観」でコミュニティを支える。 |
| Accomplishment | 達成感 | 他者との比較ではなく、過去の自分を超える成長の追求。 |
- 「生きがい」の再構成
「生きがい」も、経済的要素を切り離して再定義する必要があります。
- 「稼げること」の消失: 経済的な報酬が必要なくなるため、「自分が好きなこと」「得意なこと」「世界が(精神的に)求めていること」の重なりがより純粋な形で残ります。
- 知的な探究心: 知的な好奇心は、ASI時代において最も高貴な「遊び」であり、ウェルビーイングの源泉となります。
- 過渡期を生き抜くための実践的アプローチ
精神的な充足感を維持するために、今日から意識できるステップです。
- 「プロセス」を愛する: AIが瞬時に「結果」を出す時代だからこそ、人間は「試行錯誤する過程」そのものを楽しむ姿勢を持つ。
- 身体性とマインドフルネス: 知能がデジタル化・高度化するほど、私たちの肉体(五感)が感じる「今、ここ」の感覚(呼吸、食事の味、土の感触)が精神の安定に不可欠になります。
- 貢献の喜び(Generativity): 心理学者エリクソンが提唱した、次世代に何かを伝える・育てるという感覚。自身の知見を整理し、誰かのために役立てることは、ASI時代でも色褪せない幸福の源です。
結論:人間は「意味を紡ぐ存在」へ
ASIが「答え」を出す存在だとしたら、人間は「問い」を立て、「意味」を紡ぐ存在へと進化します。
物質的な豊かさが当たり前になった時、最後に残る格差は「資産」ではなく、「自分の人生にどれだけ豊かな物語(意味)を見出せるか」という精神的な想像力の差になるでしょう。
ウェルビーイングの数式(イメージ): (幸福とは、好奇心と繋がりを足し、他者との比較を引いたものである)
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人工知能AIのパラダイムシフト:ANI、AGI、ASI
https://www.eionken.co.jp/note/ani-agi-asi/
著者Profile
山下 長幸(やました ながゆき)
・AI未来社会評論家
・米国系戦略コンサルティングファームであるボストンコンサルティンググループ(BCG東京オフィス)及びNTTデータ経営研究所において通算30年超のビジネスコンサルティング歴を持つ。
・学習院大学経済学部非常勤講師、東京都職員研修所講師を歴任
・ビジネスコンサルティング技術関連の著書14冊、英語関連の著書26冊、合計40冊の著書がある。
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