- 英語リスニングに強くなる!英音研公式ブログ / 204.心に響く英語ことわざ2
公開日
2025.12.06
更新日
2025.12.07
心に響く英語ことわざ(888)米国独立に尽力したベンジャミン・フランクリンの名言 By failing to prepare, you are preparing to fail.(準備の欠如は失敗への道)
“By failing to prepare, you are preparing to fail.”
直訳は「準備を怠ることによって、あなたは失敗の準備をしていることになる」で、これは、アメリカ合衆国の建国の父の一人ベンジャミン・フランクリンが、「準備と成功の必然性」について説いた、簡潔で力強い実用的な教訓です。
成功は偶然ではなく、「準備」という積極的な行動から生まれる必然の結果であると同時に、「準備をしない」という消極的な行動は、失敗という必然の結果に繋がるという、厳格な自己責任の原則を表現しています。
名言の意味:怠惰は失敗への道である
この言葉は、フランクリンの「勤勉、計画性、そして自己改善」という倫理観の核心に基づいています。成功を望むのであれば、それに見合った労力と時間を事前に投じる必要があります。
この名言は、二つのプロセスを対比させています。
- Failing to Prepare(準備を怠ること) 成功に向けた努力を意図的に行わないという「怠惰」や「油断」を意味します。多くの人は、単に何もしていないと考えがちですが、フランクリンは、それ自体が次の行為へと繋がる「準備」であると捉えます。
- Preparing to Fail(失敗の準備をしていること) 怠惰という「行動」は、単にゼロの状態に留まるのではなく、確実に「失敗」という結果を引き寄せるための積極的なステップであると断言しています。なぜなら、準備不足は市場や人生の厳しさに耐える力を失い、失敗を運命づけるからです。
つまり、成功への道は「準備」であり、失敗への道は「準備の欠如」であるという、二元的な真理を示しています。
類似の名言と教訓
似た意味の英語の名言
- “Proper preparation prevents poor performance.” (適切な準備は、劣悪な結果を防ぐ。) 「5Pの原則」として知られ、準備が直接的に成果に繋がるというフランクリンの実用主義を反映しています。
- “Give me six hours to chop down a tree and I will spend the first four sharpening the axe.” (木を切り倒すのに6時間もらえるなら、私は最初の4時間を斧を研ぐのに費やすだろう。) エイブラハム・リンカーンの言葉とされ、成果を出すための「準備」の時間と労力の重要性を強調しています。
似た意味の日本語のことわざ
- 「備えあれば憂いなし」(そなえあればうれいなし) 準備があれば心配はないという意味で、フランクリンの「準備が成功をもたらす」という肯定的な側面と通じています。
ベンジャミン・フランクリン(Benjamin Franklin)の生い立ち
ベンジャミン・フランクリン(1706-1790)は、アメリカの政治家、科学者、発明家であり、勤勉と計画の精神を象徴する人物です。
彼は、貧しい出自から独学で身を立て、印刷業で成功した後、科学や政治で偉業を成し遂げました。彼の成功の背景には、「13の徳目」に示されるような徹底した自己管理と時間管理がありました。彼は、どんな大きな成果も、「毎日の小さな準備」の積み重ねによってのみ達成できることを知っていたのです。
フランクリンの言葉は、私たちに「時間がない」「運がない」と嘆く前に、今日の怠惰が明日の失敗を確約しているのではないかと自問するよう促しています。
***
心に響く英語ことわざ(887)「ロミオとジュリエット」で有名なイギリスの文豪ウィリアム・シェイクスピアの名言 Let me embrace thee, sour adversity, for wise men say it is the wisest course.(逆境は賢明な道)
https://www.eionken.co.jp/note/let-me-embrace-thee/
心に響く英語ことわざ(889)イギリスの哲学者バートランド・ラッセルの名言 If an opinion contrary to your own makes you angry, that is a sign that you are subconsciously aware of having no good reason for thinking as you do.(痛いところを突かれる)
https://www.eionken.co.jp/note/if-an-opinion-contrary-to-your-own/
著者Profile
山下 長幸(やました ながゆき)
・英語リスニング教育の専門家。長年、英語リスニング学習を実践・研究し、日本人に適した英語リスニング学習方法論を構築し、サービス提供のため英音研株式会社を創業。
・英語関連の著書に「生成AIをフル活用した大人の英語戦略」「英語リスニング学習にまつわるエトセトラ:学習法レビュー」「なぜ日本人は英語リスニングが苦手なのか?」など26冊がある。
Amazon.co.jp: 英音研株式会社: 本、バイオグラフィー、最新アップデート

お知らせ
英音研公式ブログ
お問い合わせ