- 英語リスニングに強くなる!英音研公式ブログ / 204.心に響く英語ことわざ2
公開日
2025.08.31
更新日
2025.08.31

心に響く英語ことわざ(612)米国建国の父ベンジャミン・フランクリンの名言Energy and persistence conquer all things.(石の上にも三年)
“Energy and persistence conquer all things.”
直訳は「活力と粘り強さが、すべてのことを克服する」で、似た意味のことわざに「継続は力なり」があります。
ベンジャミン・フランクリン(Benjamin Franklin)の名言 Energy and persistence…の意味
この言葉は、アメリカ合衆国の建国の父の一人であり、科学者、発明家、そして政治家であるベンジャミン・フランクリンが、「成功への鍵」について述べたものです。彼は、才能や運といった要素よりも、「活力」と「粘り強さ」という二つの資質こそが、人生のあらゆる困難を乗り越える上で最も重要であると説いています。
この言葉が意味すること
この名言は、「努力の力」を強調しています。
- 「Energy」(活力) これは、単なる身体的なエネルギーではなく、目標に向かって情熱的に取り組む精神的な力を指します。フランクリンは、常に新しいことに挑戦し、多岐にわたる分野で功績を残しました。この「活力」が、彼の人生を豊かで生産的なものにしたのです。
- 「persistence」(粘り強さ) これは、困難や挫折に直面したときに、決して諦めずに努力を続ける忍耐力を指します。フランクリンは、雷を避けるための避雷針や、二重焦点眼鏡など、多くの発明を成功させましたが、その過程では数えきれないほどの失敗を経験しました。しかし、彼はその度に粘り強く挑戦し続けました。
- 「conquer all things」(すべてのことを克服する) この部分は、活力と粘り強さという二つの資質が、どんな困難や障害であっても、最終的にそれを乗り越える力を持つことを断言しています。才能がなくても、優れた環境がなくても、この二つがあれば、どんなことでも成し遂げられるという、希望に満ちたメッセージです。
似た意味の英語のことわざ
- “Genius is one percent inspiration and ninety-nine percent perspiration.” (天才は1%のひらめきと99%の努力である。) これは、トーマス・エジソンが言ったとされる言葉で、フランクリンの「活力」と「粘り強さ」を「ひらめき」と「努力」に置き換えたものです。
- “Where there is a will, there is a way.” (意志あるところに道は開ける。) これは、強い意志や決意があれば、必ず成功への道が見つかるという意味で、フランクリンの言葉と完全に一致します。
- “Slow and steady wins the race.” (ゆっくり着実に進む者が競争に勝つ。) イソップ物語の『ウサギとカメ』から生まれたこの言葉は、速さよりも、粘り強さが成功の鍵であることを示しています。
似た意味の日本語のことわざ
- 「継続は力なり」(けいぞくはちからなり) どんなことでも、継続して努力を続ければ、やがて大きな力となるという意味。フランクリンの言葉を最も的確に表す日本語です。
- 「為せば成る」(なせばなる) やろうと思えば何事も成し遂げられるという意味で、この言葉には、努力だけでなく、それを支える精神的な活力も含まれています。
- 「石の上にも三年」(いしのうえにもさんねん) 冷たい石の上でも三年座っていれば温まるという意味で、忍耐強く辛抱すれば、必ず報われるという教えです。
ベンジャミン・フランクリン(Benjamin Franklin)の波乱万丈な生い立ち
ベンジャミン・フランクリン(1706-1790)は、アメリカ合衆国の建国の父の一人であり、多岐にわたる分野で功績を残した、「稀代の天才」です。彼は、作家、印刷業者、政治家、発明家、科学者、外交官、そして啓蒙思想家として、アメリカの歴史に深く関わりました。
貧しい家庭から新聞社の経営者へ
1706年、ボストンの貧しい石鹸職人の家庭に生まれました。彼は、正式な学校教育をほとんど受けることができず、12歳で兄の印刷工房で徒弟として働き始めました。 彼は、兄の目を盗んで文章を書き、匿名で新聞に投稿し、その文才を認められるようになりました。彼は、20代で独立し、フィラデルフィアで自身の新聞社を設立し、『リチャード・ソーンダースの貧しい年鑑』を出版して成功を収めました。
科学者・発明家としての功績
フランクリンは、科学にも深い関心を持ち、雷の正体が電気であることを証明し、避雷針を発明しました。また、彼は、二重焦点眼鏡や、フランクリン・ストーブといった、実用的な発明も数多く行いました。 彼は、アメリカの郵便制度の改善にも尽力し、初代郵政長官に就任しました。
政治家・外交官としての活躍
アメリカ独立革命が始まると、フランクリンは、アメリカを代表する外交官としてフランスへ渡り、フランスの支援を取り付けることに成功しました。彼は、独立宣言の起草にも携わり、その後も、アメリカ合衆国憲法の制定に尽力しました。
遺産
フランクリンは、その生涯において、貧しい家庭に生まれながらも、自己の努力と勤勉さによって、偉大な功績を成し遂げました。彼の言葉は、私たちに、才能や運に頼るのではなく、自らの努力で人生を切り開くことの重要性を教えてくれます。
***
心に響く英語ことわざ(611)古代ギリシアの哲学者アリストテレスの名言 Good habits formed at youth make all the difference.(三つ子の魂百まで)
https://www.eionken.co.jp/note/good-habits-formed-at-youth/
心に響く英語ことわざ(613)仏教の開祖ブッダの名言 Health is the greatest gift, contentment the greatest wealth, faithfulness the best relationship.(足るを知る者は富む)
https://www.eionken.co.jp/note/health-is-the-greatest-gift/
著者Profile
山下 長幸(やました ながゆき)
・英語リスニング教育の専門家。長年、英語リスニング学習を実践・研究し、日本人に適した英語リスニング学習方法論を構築し、サービス提供のため英音研株式会社を創業。
・英語関連の著書に「生成AIをフル活用した大人の英語戦略」「英語リスニング学習にまつわるエトセトラ:学習法レビュー」「なぜ日本人は英語リスニングが苦手なのか?」など26冊がある。
Amazon.co.jp: 英音研株式会社: 本、バイオグラフィー、最新アップデート