- 英語リスニングに強くなる!英音研公式ブログ / 204.心に響く英語ことわざ2
公開日
2025.08.27
更新日
2025.08.28

心に響く英語ことわざ(585)ドイツの哲学者カントの名言 Experience without theory is blind, but theory without experience is mere intellectual play.(口で言うは易し、行うは難し)
“Experience without theory is blind, but theory without experience is mere intellectual play.”
直訳は「理論なき経験は盲目であるが、経験なき理論は単なる知的な遊びにすぎない」で、似た意味のことわざに「口で言うは易し、行うは難し」があります。
イマヌエル・カント(Immanuel Kant)の名言 Experience without theory…の意味
この言葉は、ドイツの哲学者イマヌエル・カントが、経験と理論(理性)の関係について述べたものです。彼は、どちらか一方だけでは不十分であり、両者が結びつくことによってはじめて、真の知識や理解が生まれると説いています。
この言葉が意味すること
この名言は、知識を形成する上での、経験と理論の相互補完的な役割を示しています。
- 「Experience without theory is blind」(理論なき経験は盲目である) これは、単に経験するだけでは、物事の深い意味や本質を理解できないことを意味します。例えば、膨大なデータを集めても、それを解釈するための理論的な枠組みがなければ、それはただの情報の羅列にすぎません。理論という「目」がなければ、私たちは経験を意味あるものとして見ることができないのです。
- 「but theory without experience is mere intellectual play」(しかし、経験なき理論は単なる知的な遊びにすぎない) 一方、どれほど精巧な理論を構築しても、それが現実の経験に裏付けられていなければ、それは机上の空論にすぎません。理論は、現実世界で試され、検証されてこそ、その真価を発揮します。カントは、実践のない理論は、現実から切り離された単なる「知的な遊び」にすぎないと断じています。
まとめ
イマヌエル・カントのこの言葉は、私たちに「実践と理論のバランス」の重要性を教えてくれます。物事を本当に理解し、人生を豊かにするためには、経験を積むだけでなく、それを理論的に考察する力も必要です。そして、理論を学ぶだけでなく、それを現実世界で応用する勇気を持つことが不可欠なのです。
似た意味の英語のことわざ
- “Knowledge is power.” (知識は力なり。) この言葉は、知識の重要性を説いていますが、カントの言葉のように、その知識が経験と結びついていることの重要性まで示唆していません。
- “Practice makes perfect.” (習うより慣れろ、練習は完璧を作る。) これは、経験や実践の重要性を強調する言葉で、カントの「理論なき経験は盲目」という部分とは対照的です。
- “There is nothing so practical as a good theory.” (良い理論ほど実践的なものはない。) この言葉は、理論が現実世界の問題を解決する上でいかに重要であるかを示しており、カントの教えの後半部分と通じます。
似た意味の日本語のことわざ
- 「知行合一」(ちこうごういつ) 知識と行動は一体であり、真の知識は実践を伴うという意味。カントの言葉を最も的確に表す日本語の四字熟語です。
- 「口で言うは易し、行うは難し」 言葉で何かを語るのは簡単だが、実際に行動するのは難しいという意味。これは、理論だけでは不十分で、実践こそが大切だというカントの教えと共通しています。
- 「机上の空論」(きじょうのくうろん) 理論だけで実際には役に立たない考えのこと。カントの言う「経験なき理論」を的確に表しています。
イマヌエル・カント(Immanuel Kant)の波乱万丈な生い立ち
イマヌエル・カント(1724-1804)は、ドイツの哲学者であり、西洋哲学史における最も重要な人物の一人です。彼は、哲学に革命的な影響を与え、後のドイツ観念論の基礎を築きました。
厳格な家庭に生まれ、生涯を学問に捧げる
1724年、東プロイセンのケーニヒスベルク(現在のロシア領カリーニングラード)で敬虔な家庭に生まれました。彼は非常に規則正しい生活を送り、生涯をこの町から出ることはほとんどありませんでした。 カントは、ケーニヒスベルク大学で自然科学や哲学を学び、その後、同大学の講師、教授として教鞭をとりました。彼の講義は非常に人気があり、多くの学生が熱心に耳を傾けました。
哲学の「コペルニクス的転回」
カントが活躍した時代は、「経験論」と「合理論」という二つの哲学が対立していました。カントは、両者の対立を乗り越えるために、革新的な思想を生み出しました。 彼は、私たちの認識は、単に経験から受け取るだけでなく、人間の理性(アプリオリな思考形式)によって形作られると考えました。この思想は、哲学における「コペルニクス的転回」と呼ばれ、認識論に大きな変革をもたらしました。
主要な著作と晩年
カントの主要な著作には、『純粋理性批判』、『実践理性批判』、『判断力批判』があります。これらの著作で、彼は認識論、倫理学、美学の分野で、それまでの哲学のあり方を根本から見直しました。 晩年は、病に苦しみながらも、執筆活動を続け、1804年に80歳で亡くなりました。
遺産
カントの思想は、ヘーゲルやシェリングといった後世の哲学者に多大な影響を与え、現代の倫理学や美学、科学哲学の基礎を築きました。彼の言葉や著作は、今もなお、人間が真理を探求し、人生を意味あるものにするための指針を与え続けています。
***
心に響く英語ことわざ(584)ヘラクレイトスの名言 Big results require big ambitions.(夢は大きく、志は高く)
https://www.eionken.co.jp/note/big-results/
心に響く英語ことわざ(586)イギリスの物理学者アイザック・ニュートンの名言 If I have seen further than others, it is by standing upon the shoulders of giants.(先人の知恵に学ぶ)
https://www.eionken.co.jp/note/if-i-have-seen-further-than-others/
著者Profile
山下 長幸(やました ながゆき)
・英語リスニング教育の専門家。長年、英語リスニング学習を実践・研究し、日本人に適した英語リスニング学習方法論を構築し、サービス提供のため英音研株式会社を創業。
・英語関連の著書に「生成AIをフル活用した大人の英語戦略」「英語リスニング学習にまつわるエトセトラ:学習法レビュー」「なぜ日本人は英語リスニングが苦手なのか?」など17冊がある。