- 英語リスニングに強くなる!英音研公式ブログ / 204.心に響く英語ことわざ2
公開日
2025.09.20
更新日
2025.09.20

心に響く英語ことわざ(701)米国独立に貢献した第3代大統領トーマス・ジェファーソンの名言 Fix reason firmly in her seat, and call to her tribunal every fact, every opinion… (理性による判断)
“Fix reason firmly in her seat, and call to her tribunal every fact, every opinion. Question with boldness even the existence of a God; because, if there be one, he must more approve of the homage of reason, than that of blindfolded fear.”
直訳は「理性をその座にしっかりと据え、すべての事実、すべての意見をその法廷に呼び出しなさい。大胆に、神の存在すらも問いなさい。なぜなら、もし神が存在するならば、彼は盲目的な恐怖の崇拝よりも、理性の敬意をより喜ぶに違いないからだ」で、これは、「理性」こそが、真理を探求するための、最も重要な道具であるという、トーマス・ジェファーソンの深い洞察を表現しています。
トーマス・ジェファーソン(Thomas Jefferson)の名言 Fix reason firmly in her seat…の意味
この言葉は、アメリカ合衆国の第3代大統領であり、アメリカ独立宣言の起草者であるトーマス・ジェファーソンが、「理性の重要性」について述べたものです。彼は、人が、感情や偏見、そして盲目的な信仰に流されることなく、「理性」に基づいて、すべての事柄を判断することの重要性を説いています。
この言葉が意味すること
この名言は、「理性の権威」を強調しています。
- 「Fix reason firmly in her seat, and call to her tribunal every fact, every opinion.」(理性をその座にしっかりと据え、すべての事実、すべての意見をその法廷に呼び出しなさい。) ジェファーソンは、この言葉で、「理性(reason)」を、「法廷(tribunal)」に例えています。彼は、人が、どのような事実や意見に直面しても、それを、感情や信仰によって判断するのではなく、「理性の法廷」という、厳格な基準で、公平に、そして客観的に評価すべきだと説いています。
- 「Question with boldness even the existence of a God; because, if there be one, he must more approve of the homage of reason, than that of blindfolded fear.」(大胆に、神の存在すらも問いなさい。なぜなら、もし神が存在するならば、彼は盲目的な恐怖の崇拝よりも、理性の敬意をより喜ぶに違いないからだ) この部分が、この言葉の核心です。ジェファーソンは、「信仰」という、最も神聖な領域にすら、「理性」を適用すべきだと断言しています。彼は、神が、「盲目的な恐怖(blindfolded fear)」によって崇拝されることを望まず、むしろ、「理性的な敬意(homage of reason)」を高く評価するはずだと考えていました。
似た意味の英語のことわざ
- “The greatest good is the knowledge of oneself.” (最大の善は、自己を知ることである。) これはソクラテスの言葉で、ジェファーソンの言葉が持つ、「内面的な真理を探求する」という精神と通じます。
- “Where there is a will, there is a way.” (意志あるところに道は開ける。) これは、強い意志や決意があれば、必ず成功への道が見つかるという意味で、その意志は、理性的な思考から生まれます。
- “A journey of a thousand miles begins with a single step.” (千里の道も一歩から。) これは、どんなに大きな目標でも、最初の一歩から始まるという意味で、その一歩は、理性的な判断から生まれます。
似た意味の日本語のことわざ
- 「蓼食う虫も好き好き」(たでくうむしもすきずき) 人の好みは様々であるという意味で、ジェファーソンの言葉とは直接的な関連性はありません。
- 「口は災いの元」(くちはわざわいのもと) 不用意な発言や嘘が、身の破滅を招く原因となるという意味。
- 「為すべきを為す」(なすべきをなす) 目先の利益や欲望を気にせず、自分がすべきだと信じる正しいことを行う、という意味。
トーマス・ジェファーソン(Thomas Jefferson)の波乱万丈な生い立ち
トーマス・ジェファーソン(1743-1826)は、アメリカ合衆国の第3代大統領であり、アメリカ独立宣言の起草者として知られています。彼は、政治家、外交官、そして建築家としても、多岐にわたる才能を発揮しました。
幼少期と政治家への道
1743年、バージニア植民地の裕福な農場主の家庭に生まれました。彼は、その後、ウィリアム・アンド・メアリー大学で法律を学びました。 彼は、その後、弁護士として活動を始め、アメリカ独立運動に積極的に参加しました。
独立宣言の起草と大統領への道
1776年、彼は、「すべての人々は平等に創造され、生命、自由、幸福の追求という、不可侵の権利を与えられている」という、歴史的な文言を含むアメリカ独立宣言を起草しました。 彼は、その後、フランス大使として、外交手腕を発揮し、アメリカ独立戦争の勝利に貢献しました。 彼は、その後、アメリカ合衆国の第3代大統領に選出されました。彼は、大統領として、ルイジアナ購入といった、画期的な政策を実行し、アメリカの領土を拡大しました。
晩年と遺産
ジェファーソンは、1826年に83歳で亡くなりました。彼の生涯は、真理と自由を追求し、新しい国家を建設した物語です。 トーマス・ジェファーソンの言葉は、私たちに、感情や信仰に流されることなく、理性に基づいて、すべての事柄を判断することの重要性を教えてくれます。
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心に響く英語ことわざ(700)米国の発明王トーマス・A・エジソンの名言 I never did anything by accident…(発明は努力の賜物)
https://www.eionken.co.jp/note/i-never-did-anything-by-accident/
心に響く英語ことわざ(702)「レ・ミゼラブル」で有名なフランスの文豪ヴィクトル・ユーゴーの名言 Initiative is doing the right thing without being told.(能動的な精神に真の価値がある)
https://www.eionken.co.jp/note/initiative-is-doing-the-right-thing/
著者Profile
山下 長幸(やました ながゆき)
・英語リスニング教育の専門家。長年、英語リスニング学習を実践・研究し、日本人に適した英語リスニング学習方法論を構築し、サービス提供のため英音研株式会社を創業。
・英語関連の著書に「生成AIをフル活用した大人の英語戦略」「英語リスニング学習にまつわるエトセトラ:学習法レビュー」「なぜ日本人は英語リスニングが苦手なのか?」など26冊がある。
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