- 英語リスニングに強くなる!英音研公式ブログ / 204.心に響く英語ことわざ2
公開日
2025.11.01
更新日
2025.11.01
心に響く英語ことわざ(802)オランダの画家ゴッホの名言 Great things are done by a series of small things brought together.(地道な努力が大事)
“Great things are done by a series of small things brought together.”
直訳は「偉大なことは、集められた一連の小さなことによって成し遂げられる」で、これは、オランダの画家フィンセント・ファン・ゴッホが、「創造と達成のプロセス」について述べたものです。目覚ましい成果や偉大な芸術は、一夜のひらめきではなく、「小さな努力」や「地道な行動」を継続的に積み重ねた結果として生まれるという、勤勉と持続の哲学を表現しています。
名言の意味:偉業は地道な積み重ねから生まれる
この言葉は、強烈な個性と情熱的な作風で知られるゴッホが、創造的な成果が生まれる真のメカニズムを見抜いていたことを示唆しています。「偉大なこと(Great things)」という壮大な目標も、「小さなこと(small things)」の「一連の集積(a series of… brought together)」という地道なプロセスによってのみ達成可能であるという真理を説いています。
鍵となる要素
- A Series of Small Things(一連の小さなこと) ここでいう「小さなこと」とは、日々の練習、スケッチ、失敗した試み、細部へのこだわりなど、地道で目立たない努力を指します。ゴッホは、大胆な筆致の裏側に、絵具の使い方や光の捉え方に関する膨大な試行錯誤があることを知っていました。
- Brought Together(集められた) 小さな努力が単発で終わるのではなく、「集積」されることで、初めて大きな力を持ちます。一貫性と持続性が、量を質へと転換させる鍵となります。この集積された努力が臨界点を超えたときに、「偉大なこと」が達成されるのです。
この名言は、才能やひらめきに頼るのではなく、着実な努力と継続の力を信じる実務的な精神の重要性を教えてくれます。
類似の名言と教訓
似た意味の英語の名言
- “Rome wasn’t built in a day.” (ローマは一日にして成らず。) 偉大な成果には、時間と段階的な努力の積み重ねが必要であるという忍耐の教訓を説きます。
- “The journey of a thousand miles begins with a single step.” (千里の道も一歩から。) 壮大な目標を達成するためには、最初の「小さなこと」から始める必要性を説きます。
似た意味の日本語のことわざ
- 「塵も積もれば山となる」(ちりもつもればやまとなる) 小さなものでも、積もり積もればやがて大きなものになるという意味で、地道な努力の蓄積が偉大な成果に繋がるという点で一致します。
フィンセント・ファン・ゴッホ(Vincent Van Gogh)の生い立ち
フィンセント・ファン・ゴッホ(1853-1890)は、オランダ出身のポスト印象派の画家であり、生前は不遇でしたが、死後、世界で最も愛される芸術家の一人となりました。
画家としての道のりと持続的な努力
1853年、オランダの牧師の家庭に生まれました。彼は、伝道師や画廊の店員など職を転々とした後、27歳から本格的に画家を目指しました。 彼の短い画業の間、ゴッホは狂気と貧困に苦しみましたが、その裏側では、驚異的な「量産」と「実験」を続けました。短い期間に約2,100点の作品を制作し、これはまさに「小さなこと(描画、スケッチ、試み)」を集積した結果でした。 彼の独特の筆致や色彩は、最初から生まれたわけではなく、日本の浮世絵やフランスの印象派の技法を貪欲に研究し、数多くの習作を通じて獲得されたものでした。生前はたった1枚の絵しか売れませんでしたが、その持続的な努力の集積が、死後の「偉大なこと」として結実しました。
ゴッホの言葉は、私たちに、夢を追う際に、「一発逆転」を期待するのではなく、日々の小さな作業に集中し、それを愚直に続ける勇気と献身を教えてくれます。
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心に響く英語ことわざ(801)「レ・ミゼラブル」で有名なフランスの文豪ヴィクトル・ユーゴーの名言 Never laugh at those who suffer; suffer sometimes those who laugh.(苦しんでいる人々を決して笑ってはいけない)
https://www.eionken.co.jp/note/never-laugh-at-those-who-suffer/
著者Profile
山下 長幸(やました ながゆき)
・英語リスニング教育の専門家。長年、英語リスニング学習を実践・研究し、日本人に適した英語リスニング学習方法論を構築し、サービス提供のため英音研株式会社を創業。
・英語関連の著書に「生成AIをフル活用した大人の英語戦略」「英語リスニング学習にまつわるエトセトラ:学習法レビュー」「なぜ日本人は英語リスニングが苦手なのか?」など26冊がある。

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