- 英語リスニングに強くなる!英音研公式ブログ / 204.心に響く英語ことわざ2
公開日
2025.08.27
更新日
2025.08.27

心に響く英語ことわざ(578)イギリスの文豪チャールズ・ディケンズの名言 Have a heart that never hardens, and a temper that never tires, and a touch that never hurts.(硬くなることのない心)
“Have a heart that never hardens, and a temper that never tires, and a touch that never hurts.”
直訳は「決して硬くなることのない心と、決して疲れることのない気性と、決して傷つけることのない触れ方を持ちなさい」で、似た意味のことわざに「人情は剣よりも強し」があります。
チャールズ・ディケンズ(Charles Dickens)の名言 Have a heart that never hardens, and a temper that never tires, and a touch that never hurts. の意味
この言葉は、イギリスの小説家チャールズ・ディケンズが、自身の作品や手紙の中で頻繁に語っていたとされるものです。彼は、貧困や社会の不正を鋭く描きながらも、人間の優しさや思いやりの心を信じ続けました。この名言は、彼が理想とする人間性、すなわち共感、忍耐、そして優しさの重要性を三つの要素に分けて表現しています。
この言葉が意味すること
この名言は、理想的な人間関係と心のあり方を三つの部分で示しています。
- 「a heart that never hardens」(決して硬くなることのない心) これは、他者の苦しみや悲しみに対して、常に共感する心を持つことの重要性を説いています。人生の困難や失望によって心が冷たくなったり、他人に対して無関心になったりしてはいけないというメッセージです。
- 「a temper that never tires」(決して疲れることのない気性) 「temper」は、気性や性質を意味します。これは、困難な状況や他者の欠点に直面しても、忍耐力や寛容さを失わないことの重要性を表しています。諦めたり、怒りや苛立ちに支配されたりするのではなく、粘り強く向き合う姿勢を意味しています。
- 「a touch that never hurts」(決して傷つけることのない触れ方) これは、他人との接し方や言葉遣いにおいて、優しさや配慮を忘れてはならないという教訓です。物理的な接触だけでなく、言葉や行動が他人を傷つけないように、常に思いやりを持って接することの重要性を説いています。
まとめ
ディケンズのこの言葉は、私たちに真の人間性とは何かを問いかけます。それは、単に成功や富を追求することではなく、他者への深い共感、どんな困難にも耐える忍耐力、そして常に優しさを持って人と接する姿勢を育むことです。これらの美徳は、私たちの人生を豊かにするだけでなく、他者との絆を深めるための鍵となります。
似た意味の英語のことわざ
- “Kindness is the language which the deaf can hear and the blind can see.” (優しさは、耳の聞こえない人が聞くことができ、目の見えない人が見ることができる言葉である。) この言葉は、優しさには言葉や外見を超えた力があることを示しており、ディケンズの「心」や「触れ方」の教えと通じます。
- “To err is human; to forgive, divine.” (過ちは人の常、許すは神の業。) 他者の過ちを許すことの重要性を説いており、これはディケンズの「疲れることのない気性」に通じる、忍耐と寛容さの精神を表しています。
- “Judge not, that ye be not judged.” (裁くなかれ、そうすればあなたがたも裁かれない。) 他人を安易に非難したり、批判したりしないことの重要性を説いています。これは、ディケンズの「傷つけることのない触れ方」と共通する、他者への敬意と思いやりの精神を示しています。
似た意味の日本語のことわざ
- 「情けは人の為ならず」(なさけはひとのためならず) 人に優しくすることは、いずれ自分に良い報いとなって返ってくるという意味。これは、他人への優しさが巡り巡って自分を豊かにするというディケンズの教えに通じます。
- 「惻隠の情」(そくいんのじょう) 他人の不幸や苦しみに同情し、助けようとする心のこと。これは、ディケンズの「硬くなることのない心」の具体的な表現です。
- 「和をもって貴しとなす」(わをもってとうとしとなす) 和を尊重することが最も大切であるという意味。これは、他者と優しく接し、調和を保つことの重要性を説いており、ディケンズの言葉が持つメッセージと合致します。
チャールズ・ディケンズの波乱万丈な生い立ち
チャールズ・ディケンズ(1812-1870)は、ヴィクトリア朝時代のイギリスを代表する小説家であり、『オリバー・ツイスト』や『クリスマス・キャロル』など、多くの傑作を生み出しました。彼の作品は、当時の貧困や社会の不正を鋭く描き出し、社会改革に大きな影響を与えました。
貧困と苦難の少年時代
1812年、イングランドのポーツマスに中流家庭の息子として生まれました。しかし、父が多額の借金を抱え、借金監獄に収容されてしまったため、ディケンズは12歳という若さで一家を支えるために、ロンドンの靴墨工場で働くことを余儀なくされました。この時の孤独や屈辱的な経験は、彼のその後の作品に深く影響を与え、社会の底辺で生きる人々の姿をリアルに描く原点となりました。
ジャーナリストから小説家へ
工場での労働を終えた後、彼は法律事務所の書記や新聞記者として働きました。記者としての経験は、彼に社会の様々な層の人々との出会いをもたらし、その観察眼を養いました。 1836年、『ボズのスケッチ』で作家デビュー。翌年からは『ピクウィック・クラブ』の連載を開始し、一躍人気作家の仲間入りを果たしました。
社会改革への貢献と私生活
ディケンズは、その作品を通じて、貧困、児童労働、劣悪な教育環境など、当時の社会問題に警鐘を鳴らし続けました。彼の作品は多くの読者の心を動かし、実際に法律の改正につながるなど、大きな社会的影響力を持ちました。 しかし、彼の私生活は順風満帆ではありませんでした。妻との関係が悪化し、別居に至るなど、孤独な一面も抱えていました。晩年は、健康を損ないながらも、精力的に執筆と朗読会を続けました。
遺産
1870年に58歳で亡くなりましたが、彼の作品は今も世界中で愛読され、映画や舞台化されています。ディケンズの生涯は、自身の苦難を乗り越え、それを創作の力に変え、社会に大きな影響を与えた物語です。彼の言葉は、困難な時代にあっても、人間らしい優しさを失わないことの重要性を私たちに教えてくれます。
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心に響く英語ことわざ(577)英国の生物学者チャールズ・ダーウィンの名言 I am turned into a sort of machine for observing facts and grinding out conclusions.(科学の本質は観察と探求にある)
https://www.eionken.co.jp/note/observing-facts-and-grinding-out-conclusions/
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https://www.eionken.co.jp/note/experience-which-is-the-bitterest/
著者Profile
山下 長幸(やました ながゆき)
・英語リスニング教育の専門家。長年、英語リスニング学習を実践・研究し、日本人に適した英語リスニング学習方法論を構築し、サービス提供のため英音研株式会社を創業。
・英語関連の著書に「生成AIをフル活用した大人の英語戦略」「英語リスニング学習にまつわるエトセトラ:学習法レビュー」「なぜ日本人は英語リスニングが苦手なのか?」など17冊がある。
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