- 英語リスニングに強くなる!英音研公式ブログ / 204.心に響く英語ことわざ2
公開日
2025.11.02
更新日
2025.11.03
心に響く英語ことわざ(805)米国独立に尽力したベンジャミン・フランクリンの名言 He that can have patience can have what he will.(忍耐が大事)
“He that can have patience can have what he will.”
直訳は「忍耐を持つことができる者は、彼が望むものを手に入れることができる」で、これは、アメリカ合衆国の建国の父の一人ベンジャミン・フランクリンが、「忍耐(Patience)」という美徳を成功の最も強力な手段として位置づけた、深い実用主義的洞察を表現しています。忍耐は単なる待機ではなく、目標達成に向かう間の「自制心と持続の力」であると説いています。
名言の意味:忍耐力は願望を実現する力である
この言葉は、フランクリンが「人生における目標達成の法則」について述べたものです。彼は、偉大な目標は、短期的な努力では達成できず、失敗や遅延に直面しても動じない「忍耐」と「粘り強さ」によって初めて実現可能になると説いています。
鍵となる要素
- He That Can Have Patience(忍耐を持つことができる者) 「忍耐(Patience)」は、単に「待つ」ことを意味しません。挫折や退屈、反対に直面したときにも、目標から目を逸らさず、感情を制御し、作業を継続する「積極的な自制心」と「精神的な強靭さ」を指します。これは、フランクリンが自伝で重視した「13の徳目」の核となる資質です。
- Can Have What He Will(彼が望むものを手に入れることができる) 「望むもの(What he will)」は、個人的な富、発明、政治的な目標など、その人が心から達成したいと願うすべてを含みます。忍耐を持つことが、これらの目標を手に入れる「能力(can have)」を保証すると断言しています。忍耐こそが、他のすべての能力を機能させる土台となる力なのです。
この名言は、成功は運や才能によるものではなく、誰にでも訓練可能な「忍耐力」という意志の力によってコントロールできるという希望と責任を与えてくれます。
類似のことわざと教訓
似た意味の英語のことわざ
- “Rome wasn’t built in a day.” (ローマは一日にして成らず。) 偉大な成果には、長い時間と忍耐強い努力の積み重ねが不可欠であることを説きます。
- “Good things come to those who wait.” (待つ者には良いことが訪れる。) 忍耐の報いを約束しますが、フランクリンの言葉は、単なる「待機」ではなく、「望むものを手に入れる」という能動的な達成を示唆している点でより強い意味を持ちます。
似た意味の日本語のことわざ
- 「石の上にも三年」(いしのうえにもさんねん) 冷たい石の上でも三年座っていれば温まるように、忍耐強く続ければ必ず報われるという教訓を説きます。
ベンジャミン・フランクリン(Benjamin Franklin)の生い立ち
ベンジャミン・フランクリン(1706-1790)は、アメリカの政治家、科学者、そして起業家であり、自立心と実務主義の模範とされています。
印刷業での成功と徳目の実践
1706年、ボストンの貧しい石鹸職人の家庭に15人兄弟の末っ子として生まれました。正規の教育は短期間で終わりましたが、読書と独学によって知識を蓄積しました。 彼は、兄の印刷所に徒弟として入りますが、独立後、フィラデルフィアで印刷業を興し、成功を収めます。彼がこの成功を収めるプロセスで最も重視したのが、「13の徳目」の実践でした。このリストには、「節制」「勤勉」「誠実」と共に、「忍耐」が不可欠な要素として含まれていました。 彼は、忍耐によって困難な発明や複雑な政治的交渉を乗り越え、最終的にアメリカの独立という壮大な目標を達成しました。
フランクリンの言葉は、私たちに、人生で何か大きなものを望むなら、その道に待ち受ける困難を乗り越える「忍耐」という精神の筋肉を鍛えることが最も確実な方法であることを教えてくれます。
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心に響く英語ことわざ(804)古代ギリシアの哲学者アリストテレスの名言 Education is the best provision for old age.(教育は、老齢への最良の備え)
https://www.eionken.co.jp/note/education-is-the-best-provision/
心に響く英語ことわざ(806)仏教の開祖ブッダの名言 Those who are free of resentful thoughts surely find peace.(恨みの念を捨て去ることが大事)
https://www.eionken.co.jp/note/those-who-are-free-of-resentful/
著者Profile
山下 長幸(やました ながゆき)
・英語リスニング教育の専門家。長年、英語リスニング学習を実践・研究し、日本人に適した英語リスニング学習方法論を構築し、サービス提供のため英音研株式会社を創業。
・英語関連の著書に「生成AIをフル活用した大人の英語戦略」「英語リスニング学習にまつわるエトセトラ:学習法レビュー」「なぜ日本人は英語リスニングが苦手なのか?」など26冊がある。
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