- 英語リスニングに強くなる!英音研公式ブログ / 204.心に響く英語ことわざ2
公開日
2025.11.25
更新日
2025.11.26
心に響く英語ことわざ(866)ブッダの名言 He who gives away shall have real gain. He who subdues himself shall be free; he shall cease to be a slave of passions. The righteous man casts off evil, and by rooting out lust, bitterness, and illusion do we reach Nirvana.( 「与えること」と「自己を律すること」によって、苦の原因である煩悩から解放され、究極の目標である「涅槃」に至る)
“He who gives away shall have real gain. He who subdues himself shall be free; he shall cease to be a slave of passions. The righteous man casts off evil, and by rooting out lust, bitterness, and illusion do we reach Nirvana.”
直訳は「施しを行う者は真の利益を得る。自らを抑える者は自由になる。彼は情熱の奴隷であることをやめるだろう。正しい人は悪を捨て、貪欲、憎悪、無知を根絶することで私たちは涅槃に到達する」で、これは、仏教の開祖ブッダが説いた、「真の利益と悟りへの具体的実践」に関する仏教の中核をなす教えです。
この名言は、一般的な価値観(物質的な獲得)と仏教の価値観(精神的な自由)を対比させ、「与えること」と「自己を律すること」によって、苦の原因である煩悩から解放され、究極の目標である「涅槃(Nirvana)」に至る道筋を示しています。
名言の意味:自己の抑制こそが真の自由をもたらす
ブッダは、人間の苦は「執着」と「煩悩(渇愛)」によって生じると教えました。この名言は、その苦の根源を断ち切るための具体的な修養法と、そこから得られる精神的な報酬を示しています。
鍵となる修養の三つの段階
- He who gives away shall have real gain.(施しを行う者は真の利益を得る) 物質や時間を手放す「与える行為(gives away)」は、世俗的な損失に見えますが、実際には「貪欲(lust)」からの解放という内面的な「真の利益(real gain)」をもたらします。これが修行の第一歩です。
- He who subdues himself shall be free; he shall cease to be a slave of passions.(自らを抑える者は自由になる…情熱の奴隷であることをやめるだろう) 欲望や衝動(passions)に流される状態を「奴隷」と定義し、「自己を抑制(subdues himself)」することで初めて精神的な自由を得られると説いています。
- By rooting out lust, bitterness, and illusion do we reach Nirvana.(貪欲、憎悪、無知を根絶することで私たちは涅槃に到達する) 涅槃(Nirvana:苦の消滅)への最終的な道として、仏教でいう「三毒」の根絶を挙げています。
- lust(貪欲):欲しいという欲求。
- bitterness(憎悪):嫌いという怒り。
- illusion(無知):真実を知らないこと(無明)。
類似の教訓
- 「施しの心」: 施しは、単に物を与えるのではなく、自分の執着を手放して、慈悲の心を育むための修行であるという教えです。
- 「自他一如(じたいちにょ)」: 自分と他人は分けられた存在でないという悟りで、施しを通して利己心(selfishness)が薄れることに繋がります。
- 「Control your passions, lest they control you.」 (情熱に支配されないよう、情熱を制御せよ。): 情熱を奴隷とすることを防ぐ自己抑制の重要性を説いています。
ブッダ(Buddha)の生い立ち
ブッダ(ガウタマ・シッダールタ、紀元前563年頃 – 紀元前483年頃)は、古代インドの釈迦族の王子として生まれました。彼は、生、老、病、死という四つの苦を目の当たりにし、その解決法を求めて王族の地位を捨てて出家しました。
彼が悟りを開いた後に説いた教え(仏法)は、人間が自らの内面の衝動や欲望にいかに縛られているかを明らかにし、この名言のように「欲望からの自由(freedom)」こそが真の幸福の道であると説き続けました。施しや自己抑制は、彼の提唱した「八正道」などの具体的な実践(戒・定・慧)の中核をなす要素です。
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心に響く英語ことわざ(865)ベンジャミン・フランクリンの名言 For having lived long, I have experienced many instances of being obliged, by better information or fuller consideration, to change opinions, even on important subjects, which I once thought right but found to be otherwise.(自分がかつて正しいと信じていたことでも、新しい知識に基づいて修正する知的な柔軟性が必要)
https://www.eionken.co.jp/note/for-having-lived-long/
心に響く英語ことわざ(867)儒教開祖の孔子の名言 To practice five things under all circumstances constitutes perfect virtue; these five are gravity, generosity of soul, sincerity, earnestness, and kindness.(五つの徳の実戦で完全な徳が完成する)
https://www.eionken.co.jp/note/to-practice-five-things-under-all-circumstances/
著者Profile
山下 長幸(やました ながゆき)
・英語リスニング教育の専門家。長年、英語リスニング学習を実践・研究し、日本人に適した英語リスニング学習方法論を構築し、サービス提供のため英音研株式会社を創業。
・英語関連の著書に「生成AIをフル活用した大人の英語戦略」「英語リスニング学習にまつわるエトセトラ:学習法レビュー」「なぜ日本人は英語リスニングが苦手なのか?」など26冊がある。
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