- 英語リスニングに強くなる!英音研公式ブログ / 204.心に響く英語ことわざ2
公開日
2025.12.25
更新日
2025.12.26
心に響く英語ことわざ(915)南アフリカ初の黒人大統領ネルソン・マンデラの名言 There can be no greater gift than that of giving one’s time and energy to help others without expecting anything in return.(見返りを求めない奉仕こそが最大の贈り物)
“There can be no greater gift than that of giving one’s time and energy to help others without expecting anything in return.”
直訳は「見返りを何も期待せずに、他者を助けるために自分の時間とエネルギーを捧げること以上に素晴らしい贈り物は存在し得ない」で、似た意味の言葉に「無償の愛」や「徳は孤ならず」があります。
ネルソン・マンデラ(Nelson Mandela)の名言の意味
この言葉は、反アパルトヘイト(人種隔離政策)運動の指導者であり、南アフリカ初の黒人大統領となったネルソン・マンデラが、人間が他者へ提供できる「真の価値」について説いたものです。マンデラは、単なる金銭的な寄付よりも、自分自身の「時間」と「エネルギー」という二度と戻らない貴重な資源を他者のために使うこと、そしてそこに「見返り(return)」を一切求めない純粋な利他の精神こそが、人間としての最高の徳であると信じていました。
この言葉が意味すること
この名言は、奉仕の本質的な豊かさを説いています。
- 「giving one’s time and energy」(時間とエネルギーを捧げる) お金を出すこと以上に、自分の人生の一部である「時間」を割き、心身を尽くす(エネルギーを使う)ことは、相手に対する深い尊重と関わりの証です。
- 「without expecting anything in return」(見返りを期待せずに) 「誰かに感謝されたい」「評判を高めたい」といった私欲を排したときに、その行為は「贈り物(gift)」としての純度を最大化させます。この無私の精神が、個人だけでなく社会全体を癒やす力になるとマンデラは説きました。
似た意味の言葉
- 英語: “Life’s most persistent and urgent question is, ‘What are you doing for others?’”(人生で最も不変かつ切実な問いは、「あなたは他人のために何をしているか?」だ。) — マーティン・ルーサー・キング・ジュニア
- 日本語: 「情けは人のためならず」(人に親切にすれば、巡り巡って自分にも良い報いがある)、「奉仕の精神」
ネルソン・マンデラの生い立ち
ネルソン・マンデラ(Nelson Mandela, 1918-2013)は、不屈の精神で南アフリカの平和的変革を導いた偉大な指導者です。
- 出生と部族の背景: 1918年、南アフリカのムヴェゾでテンブ人の首長家系に生まれました。幼い頃から伝統的なリーダーシップ教育を受け、後に弁護士となりました。
- 反アパルトヘイト闘争と投獄: 黒人居住区での差別に抗議し、アフリカ民族会議(ANC)に参加。武装闘争を指揮した罪で逮捕され、1964年から27年間に及ぶ過酷な牢獄生活を余儀なくされました。
- 赦しと和解: 1990年に釈放された際、彼は自分を弾圧した白人側への報復ではなく、「和解と協力」を呼びかけました。
- 大統領就任と引退後: 1994年に大統領に就任し、全人種が共生する「虹の国」の建設に尽力。1993年にはノーベル平和賞を受賞しました。引退後も、エイズ対策や教育、人権擁護のために自身の「時間とエネルギー」を惜しみなく捧げ、この名言通りの人生を全うしました。
名言の出典
Nelson Mandela (2012). “Notes to the Future: Words of Wisdom”, p.146, Simon and Schuster
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心に響く英語ことわざ(914)米国の自己啓発作家ナポレオン・ヒルの名言 A positive mind finds a way it can be done; a negative mind looks for all the ways it can’t be done.(積極的な心はできる方法を見つける。消極的な心はできない理由を探す)
https://www.eionken.co.jp/note/a-positive-mind-finds-a-way/
心に響く英語ことわざ(916)スペインの芸術家パブロ・ピカソの名言 Only put off until tomorrow what you are willing to die having left undone.(やり残したまま死んでも後悔しないことだけを明日に回せ)
著者Profile
山下 長幸(やました ながゆき)
・英語リスニング教育の専門家。長年、英語リスニング学習を実践・研究し、日本人に適した英語リスニング学習方法論を構築し、サービス提供のため英音研株式会社を創業。
・英語関連の著書に「生成AIをフル活用した大人の英語戦略」「英語リスニング学習にまつわるエトセトラ:学習法レビュー」「なぜ日本人は英語リスニングが苦手なのか?」など26冊がある。
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