- 英語リスニングに強くなる!英音研公式ブログ / 204.心に響く英語ことわざ2
公開日
2025.11.07
更新日
2025.11.07
心に響く英語ことわざ(819)米国独立に尽力したベンジャミン・フランクリンの名言 Human felicity is produced not as much by great pieces of good fortune that seldom happen as by little advantages that occur every day. 幸福は偶然の大きな出来事ではなく、日々の生活の中にある「小さな良いこと」の積み重ねから生まれる
“Human felicity is produced not as much by great pieces of good fortune that seldom happen as by little advantages that occur every day.”
直訳は「人間の幸福は、滅多に起こらない大きな幸運のかけらによってもたらされるのではなく、毎日起こる小さな恩恵によってもたらされる」で、これは、アメリカ合衆国の建国の父の一人ベンジャミン・フランクリンが、「真の幸福(Felicity)の源泉」について説いたものです。幸福は偶然の大きな出来事ではなく、日々の生活の中にある「小さな良いこと」の積み重ねから生まれるという、現実的かつ感謝の精神に根ざした哲学を表現しています。
名言の意味:幸福は毎日の小さな恩恵の積み重ねである
この言葉は、フランクリンの「実用主義」と「質素な生活の美徳」に関する洞察に基づいています。人は、宝くじの当選や突然の大成功といった「大きな幸運(great pieces of good fortune)」を期待しがちですが、それらは稀で一時的なものであり、真の持続的な幸福をもたらさないと彼は見抜きました。真の「人間の幸福(Human felicity)」は、毎日、確実に享受できる小さな喜びや恩恵を意識し、感謝することによって創り出されると説いています。
鍵となる二つの要素
- Great Pieces of Good Fortune That Seldom Happen(滅多に起こらない大きな幸運のかけら) 一時的な高揚はもたらしますが、その興奮は持続しません。この期待に頼ることは、日常の良いものを見落とす原因となり、かえって不幸を生み出す可能性さえあります。
- Little Advantages That Occur Every Day(毎日起こる小さな恩恵) 「小さな恩恵(little advantages)」とは、健康であること、美味しい食事、愛する人との会話、日の光、仕事の小さな達成など、私たちが当たり前と思いがちな日常のポジティブな出来事を指します。これらの積み重ねこそが、幸福の安定した土台を作ります。
この名言は、幸福を「獲得するもの」でなく、日常の中で「気づき、育むもの」として捉えるよう促し、足るを知る精神の重要性を教えてくれます。
類似の名言と教訓
似た意味の英語の名言
- “Enjoy the little things, for one day you may look back and realize they were the big things.” (小さなことを楽しみなさい。いつの日か振り返ったとき、それが大きなことだったと気づくかもしれないから。) 日常の小さな喜びこそが、人生を構成する本質であるという点でフランクリンの思想と一致します。
- “The greatest blessings of mankind are within us and within our reach. A wise man is content with his lot, whatever it may be.” (人類最大の恵みは、私たちの内にあり、手の届くところにある。賢い人は、自分の運命がどうであれ、それに満足する。) セネカの言葉であり、幸福が外部の大きな幸運に依存しないという考えを共有しています。
似た意味の日本語のことわざ
- 「足るを知る」(たるをしる) 分をわきまえてそれ以上を求めないことが、心の安らぎや真の幸福に繋がるという老子の教えであり、フランクリンの言う「小さな恩恵」に満足する姿勢と通じます。
ベンジャミン・フランクリン(Benjamin Franklin)の生い立ち
ベンジャミン・フランクリン(1706-1790)は、アメリカの政治家、科学者、発明家、そして実業家であり、勤勉と自立の精神を体現しました。
勤勉と自己改善の追求
1706年、ボストンの貧しい石鹸職人の家庭に生まれました。正規の教育は短期間で終わりましたが、彼は独学と読書によって知識を身につけました。 フランクリンは、一攫千金の夢を追うよりも、印刷業という地道な仕事で着実に成功を積み重ねました。彼が提唱した「13の徳目」は、すべてが「毎日の小さな行い」、すなわち、節制、勤勉、倹約といった「小さな恩恵を生み出す習慣」に焦点を当てています。彼は、大きな幸運を待つのではなく、自分の「行動と習慣」によって毎日の幸福を創り出すという哲学を自らの人生で証明しました。
フランクリンの言葉は、私たちに、人生の幸福は遠くの大きな出来事ではなく、「今、ここにある」という事実に気づき、感謝することの価値を教えてくれます。
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心に響く英語ことわざ(818)古代ギリシアの哲学者アリストテレスの名言 The one exclusive sign of thorough knowledge is the power of teaching.(真の理解は教えることによって試される)
https://www.eionken.co.jp/note/the-one-exclusive-sign/
著者Profile
山下 長幸(やました ながゆき)
・英語リスニング教育の専門家。長年、英語リスニング学習を実践・研究し、日本人に適した英語リスニング学習方法論を構築し、サービス提供のため英音研株式会社を創業。
・英語関連の著書に「生成AIをフル活用した大人の英語戦略」「英語リスニング学習にまつわるエトセトラ:学習法レビュー」「なぜ日本人は英語リスニングが苦手なのか?」など26冊がある。
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