- 英語リスニングに強くなる!英音研公式ブログ / 204.心に響く英語ことわざ2
公開日
2025.09.10
更新日
2025.09.10

心に響く英語ことわざ(659)米国の石油王ジョン・D・ロックフェラーの名言 I always tried to turn every disaster into an opportunity.(「転んでもただでは起きぬ)
“I always tried to turn every disaster into an opportunity.”
直訳は「私は常に、あらゆる災難を機会に変えようと努めた」で、似た意味のことわざに「転んでもただでは起きぬ」があります。
ジョン・D・ロックフェラー(John D. Rockefeller)の名言 I always tried to turn every disaster…の意味
この言葉は、アメリカの実業家であり、スタンダード・オイルの創業者であるジョン・D・ロックフェラーが、「逆境をチャンスに変える力」について述べたものです。彼は、成功した人生を送るためには、困難や失敗を単なる不幸として受け入れるのではなく、それを「機会(opportunity)」として捉え、積極的に活用していく姿勢が不可欠であると説いています。
この言葉が意味すること
この名言は、「ピンチはチャンス」という哲学を強調しています。
- 「disaster」(災難) ロックフェラーは、この言葉で、人生で直面する、事業の失敗、予期せぬ困難、あるいは個人的な挫折といった、ネガティブな出来事を指しています。多くの人は、これらの「災難」を前に、諦めたり、後悔したりします。
- 「turn…into an opportunity」(〜を機会に変える) この部分が、この言葉の核心です。ロックフェラーは、災難を、「新しい道を開くためのきっかけ」として捉えていました。例えば、ある事業が失敗したとき、彼は、それを単なる損失としてではなく、「なぜ失敗したのか」を分析し、「次はどうすれば良いのか」を考えるための貴重な機会として活用しました。
まとめ
ジョン・D・ロックフェラーのこの言葉は、私たちに「逆境を、自己成長の糧とすること」の重要性を教えてくれます。人生で困難に直面したとき、それは、新しい自分を発見し、より強くなるための絶好の機会なのかもしれません。
似た意味の英語のことわざ
- “Necessity is the mother of invention.” (必要は発明の母。) これは、何かを必要とすることが、新しいアイデアや発明を生み出す原動力になるという意味で、ロックフェラーの言葉と通じます。
- “Where there is a will, there is a way.” (意志あるところに道は開ける。) これは、強い意志や決意があれば、必ず成功への道が見つかるという意味で、その意志は、困難な状況を乗り越えようとする姿勢から生まれます。
- “Failure is the mother of success.” (失敗は成功の母。) これは、失敗から学び、それを次に活かすことで、成功につながるという意味で、ロックフェラーの言葉を最も的確に表すことわざです。
似た意味の日本語のことわざ
- 「雨降って地固まる」(あめふってじかたまる) 困難なことがあった後には、かえって物事が良い方向に向かう、という意味。ロックフェラーの言葉を的確に表す日本語です。
- 「転んでもただでは起きぬ」(ころんでもただではおきぬ) 失敗しても、ただでは終わらせず、何かを学び、次に活かすという意味。
- 「塞翁が馬」(さいおうがうま) 人生の幸不幸は予測できないという意味で、一見不幸に見えることが、後に幸福につながる可能性を示しています。
ジョン・D・ロックフェラー(John D. Rockefeller)の波乱万丈な生い立ち
ジョン・D・ロックフェラー(1839-1937)は、アメリカの事業家であり、スタンダード・オイル・カンパニーを設立し、石油産業の発展を牽引しました。彼は、「史上最も裕福な人物」の一人と見なされています。
幼少期と勤勉な少年時代
1839年、ニューヨーク州の貧しい家庭に生まれました。彼は、幼い頃から、父の教えを受けて、商売の才覚を身につけました。彼は、わずか16歳で簿記係として働き始め、その勤勉さと洞察力で、すぐに頭角を現しました。
スタンダード・オイルの設立と富の蓄積
南北戦争中、彼は、石油産業に将来性を見出し、1870年にスタンダード・オイル・カンパニーを設立しました。彼は、徹底したコスト削減と、競争相手を買収する戦略で、アメリカの石油市場を独占しました。 彼は、その強引な経営手法から「石油王」と呼ばれ、多くの批判を受けました。
慈善活動と晩年
ロックフェラーは、晩年、莫大な財産を慈善活動に投じました。彼は、教育、医療、そして科学研究に多額の寄付を行い、ロックフェラー財団を設立しました。彼は、97歳で亡くなりました。 ジョン・D・ロックフェラーの生涯は、貧困から巨万の富を築き、そして、その富を社会に還元した物語です。彼の言葉は、私たちに、困難を、成長と成功のための貴重な機会として捉えることの重要性を教えてくれます。
***
心に響く英語ことわざ(658)ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテの名言 Life belongs to the living, and he who lives must be prepared for changes.(変化に備える)
https://www.eionken.co.jp/note/life-belongs-to-the-living/
心に響く英語ことわざ(660)古代ローマの基礎を築いたユリウス・カエサルの名言 Men are nearly always willing to believe what they wish.(自分が信じたいこと)
https://www.eionken.co.jp/note/men-are-nearly-always/
著者Profile
山下 長幸(やました ながゆき)
・英語リスニング教育の専門家。長年、英語リスニング学習を実践・研究し、日本人に適した英語リスニング学習方法論を構築し、サービス提供のため英音研株式会社を創業。
・英語関連の著書に「生成AIをフル活用した大人の英語戦略」「英語リスニング学習にまつわるエトセトラ:学習法レビュー」「なぜ日本人は英語リスニングが苦手なのか?」など26冊がある。
Amazon.co.jp: 英音研株式会社: 本、バイオグラフィー、最新アップデート