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公開日
2025.09.01
更新日
2025.09.01

心に響く英語ことわざ(614)進化論を構築した英国の自然科学者チャールズ・ダーウィンの名言 I love fools’ experiments. I am always making them.(失敗から学ぶ)
“I love fools’ experiments. I am always making them.”
直訳は「私は愚か者の実験が大好きだ。私はいつもそれらを行っている」で、似た意味のことわざに「弘法も筆の誤り」があります。
チャールズ・ダーウィン(Charles Darwin)の名言 I love fools’ experiments…の意味
この言葉は、イギリスの自然学者であり、進化を提唱したチャールズ・ダーウィンが、「失敗から学ぶことの重要性」について述べたものです。彼は、科学的な探求において、「愚か者(fools)」と見なされるような、一見無意味で失敗に終わりそうな実験を恐れずに行うことこそが、新しい発見につながる鍵であると説いています。
この言葉が意味すること
この名言は、科学的探求における「遊び心」と「謙虚さ」を強調しています。
- 「fools’ experiments」(愚か者の実験) ダーウィンは、この言葉で、人々が馬鹿げている、無意味だ、と考えるような実験を指しています。これは、既存の常識や理論に縛られず、純粋な好奇心から生まれる、一見非論理的な試みを意味します。
- 「I love… I am always making them.」(私は大好きだ…私はいつもそれらを行っている。) ダーウィンは、自らもそのような「愚か者の実験」を積極的に行っていると告白しています。これは、彼の探求心が、単なる論理的な思考だけでなく、好奇心と試行錯誤によって支えられていたことを示しています。彼は、失敗を恐れず、どんな小さな発見でも、それが思わぬ真実につながる可能性があることを知っていました。
似た意味の英語のことわざ
- “Genius is one percent inspiration and ninety-nine percent perspiration.” (天才は1%のひらめきと99%の努力である。) これはトーマス・エジソンが言ったとされる言葉で、成功には地道な試行錯誤(perspiration)が不可欠であることを強調しています。
- “Learn from your mistakes.” (自分の間違いから学びなさい。) これは、失敗を単なるネガティブな経験として終わらせるのではなく、そこから教訓を得ることの重要性を説いています。
- “You miss 100% of the shots you don’t take.” (打たなかったシュートは、100%外れる。) アイスホッケー選手ウェイン・グレツキーの言葉で、挑戦しなければ何も始まらないという、行動することの重要性を説いています。
似た意味の日本語のことわざ
- 「弘法も筆の誤り」(こうぼうもふでのあやまり) どんなに名人でも間違いを犯すことがあるという意味ですが、この言葉のニュアンスは「人間は誰でも失敗する」というもので、ダーウィンの「失敗を恐れずに挑戦する」という積極的な意味とは少し異なります。
- 「失敗は成功のもと」 失敗を経験することで、その原因や対策を知ることができ、次の成功につながるという意味。ダーウィンの言葉を的確に表す日本語です。
- 「転んでもただでは起きぬ」 失敗しても、その経験から何かを学び、次につなげるという意味。
チャールズ・ダーウィン(Charles Darwin)の波乱万丈な生い立ち
チャールズ・ロバート・ダーウィン(1809-1882)は、イギリスの自然学者、生物学者であり、「種の起源」で進化論を提唱しました。彼の理論は、当時の世界の常識を覆し、科学界に革命をもたらしました。
幼少期と『ビーグル号』の航海
1809年、イングランドの裕福な家庭に生まれました。彼は、幼い頃から自然観察を好みましたが、医学や神学の勉強には身が入らず、父親を失望させました。 しかし、22歳の時、彼は運命的な出会いを果たします。軍艦『ビーグル号』の無給の博物学者として、南米、ガラパゴス諸島などを巡る世界一周の航海に参加しました。この5年間にわたる航海で、彼は膨大な数の動植物の標本や化石を収集し、その後の研究の基礎を築きました。
進化論の提唱
航海から帰国後、ダーウィンは膨大なデータを整理し、研究に没頭しました。彼は、ガラパゴス諸島に生息するフィンチという鳥が、島ごとに異なるくちばしの形を持っていることに注目し、この違いが、それぞれの環境に適応するために生じたのではないかと考えました。 彼は、この着想をもとに、「自然選択」という、環境に適応した種が生き残り、そうでない種は滅びるという、進化のメカニズムを提唱しました。彼は、約20年間、この理論を温め続け、1859年に『種の起源』を出版しました。この本は、聖書の天地創造説を信じていた当時の社会に大きな衝撃を与え、激しい論争を巻き起こしました。
晩年と遺産
ダーウィンは、その生涯において、自身の理論がもたらすであろう社会的、宗教的な影響を恐れ、理論の発表をためらい続けました。しかし、彼の不屈の探求心と、実験を繰り返す姿勢が、人類の歴史を大きく変える偉大な発見につながったのです。 彼の言葉は、私たちに、失敗を恐れずに挑戦すること、そして好奇心を失わないことの重要性を教えてくれます。
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心に響く英語ことわざ(613)仏教開祖ブッダの名言 Health is the greatest gift, contentment the greatest wealth, faithfulness the best relationship.(足るを知る者は富む)
https://www.eionken.co.jp/note/health-is-the-greatest-gift/
心に響く英語ことわざ(615)儒教開祖の孔子の名言 The will to win, the desire to succeed, the urge to reach your full potential… these are the keys that will unlock the door to personal excellence.(意志あるところに道は開ける)
https://www.eionken.co.jp/note/the-will-to-win-the-desire-to-succeed/
著者Profile
山下 長幸(やました ながゆき)
・英語リスニング教育の専門家。長年、英語リスニング学習を実践・研究し、日本人に適した英語リスニング学習方法論を構築し、サービス提供のため英音研株式会社を創業。
・英語関連の著書に「生成AIをフル活用した大人の英語戦略」「英語リスニング学習にまつわるエトセトラ:学習法レビュー」「なぜ日本人は英語リスニングが苦手なのか?」など26冊がある。