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公開日
2025.08.27
更新日
2025.08.27

心に響く英語ことわざ(587)フランスの哲学者ジャン=ジャック・ルソーの名言 I may be no better, but at least I am different.(個性は宝)
“I may be no better, but at least I am different.”
直訳は「私は優れているわけではないかもしれないが、少なくとも私は他とは違う」で、似た意味のことわざに「十人十色」があります。
ジャン=ジャック・ルソー(Jean-Jacques Rousseau)の名言 I may be no better…の意味
この言葉は、フランスの哲学者ジャン=ジャック・ルソーが、彼の自伝『告白』の冒頭で述べたものです。この名言は、他人と比較して優劣を判断するのではなく、自分自身の個性や独自性にこそ価値があるという、彼の強い信念を表しています。
この言葉が意味すること
この名言は、人間の価値観を根本から問い直しています。
- 「I may be no better」(私は優れているわけではないかもしれない) ルソーは、他者との比較において、自分を謙虚に評価しています。これは、他人と自分を比べて優劣を競う一般的な社会の価値観を認めているかのようです。しかし、続く言葉で彼はそれを覆します。
- 「but at least I am different」(しかし、少なくとも私は他とは違う) この部分がこの言葉の核心です。ルソーは、他人と同じであることや、他者より優れていることよりも、自分だけの個性を持っていることこそが重要だと主張しています。彼は、自分自身の欠点や短所をも含めて、ありのままの自分を受け入れることで、他者とは異なる唯一無二の存在としての価値を肯定しています。
まとめ
ジャン=ジャック・ルソーのこの言葉は、私たちに自己肯定感の重要性を教えてくれます。他人と同じになる必要も、他人より優れている必要もありません。大切なのは、自分自身の個性や違いを認め、それを大切にすることです。それが、自分らしい生き方を実現するための第一歩となります。
似た意味の英語のことわざ
- “Be yourself; everyone else is already taken.” (自分らしくいなさい。他の人はすでに誰かがやっているのだから。) この言葉は、アイルランドの作家オスカー・ワイルドの言葉とされています。ルソーの「私は違う」という考えを、ユーモアを交えつつも簡潔に表現しています。
- “The true mark of a person is not how he is similar to others, but how he is different.” (その人の真の特長は、他者とどれだけ似ているかではなく、どれだけ違うかである。) この言葉は、ルソーの思想をより直接的に言い換えたもので、個性の価値を強調しています。
- “Don’t be a copycat.” (真似っこになるな。) この言葉は、他人の真似をするのではなく、独自の道を行くことの重要性を説いています。
似た意味の日本語のことわざ
- 「十人十色」(じゅうにんといろ) 人の性格や好み、考え方は一人ひとり違うという意味。この言葉は、ルソーの「私は違う」という考えを、多様性を肯定する形で表現しています。
- 「我道を行く」 他人の意見や世間の常識に左右されず、自分の信じる道を突き進むという意味。これは、ルソーの言う「違う」ことを恐れない生き方を示しています。
- 「個性は宝」(こせいはたから) 個人が持つ独自の特性や才能は、何物にも代えがたい貴重なものであるという意味。
ジャン=ジャック・ルソー(Jean-Jacques Rousseau)の波乱万丈な生い立ち
ジャン=ジャック・ルソー(1712-1778)は、フランスの啓蒙思想家、哲学者、作家、音楽家であり、フランス革命に大きな影響を与えました。彼の思想は、教育、政治、そして人間の本質に関する当時の考え方を根本から変えました。
孤独な少年時代と放浪生活
1712年、スイスのジュネーヴで時計職人の息子として生まれました。幼くして母を亡くし、厳しい生活を送りました。彼は正規の教育をほとんど受けておらず、若くして家を出て、フランスやイタリアを放浪しました。 この放浪生活は、彼に多くの経験をもたらしましたが、同時に孤独や苦悩も味わいました。彼は、この期間に音楽や文学を学び、独学で知識を深めていきました。
作家としての成功と社会批判
1749年、ディジョン・アカデミーの懸賞論文に応募した『学問芸術論』で優勝し、一躍有名になります。この論文で彼は、学問や芸術の発展が、かえって人間の徳を堕落させたと主張し、社会に大きな衝撃を与えました。 その後、彼の思想は、『人間不平等起源論』、『社会契約論』、『エミール』といった著作でさらに発展しました。特に『社会契約論』は、人民主権という思想を明確に提示し、後のフランス革命の精神的な基盤となりました。
迫害と晩年
彼の思想は、時の権力者や教会から危険視され、彼は迫害を受けることになります。著作は焚書にされ、彼は居場所を求めてヨーロッパ中を転々としました。 晩年は孤独で、精神的な病にも苦しみました。彼は、自分自身の人生を正直に語る自伝『告白』を執筆し、そこで自己の欠点や弱さをもさらけ出しました。
遺産
1778年に亡くなりましたが、彼の思想は、自由と平等を求める人々の心を強く揺さぶり、後の時代の政治や教育に計り知れない影響を与えました。ルソーの生涯は、社会との摩擦や孤独を抱えながらも、自分自身の信念を貫き通した物語です。彼の言葉は、私たちに、社会の評価に惑わされず、自分らしさを大切にすることの重要性を教えてくれます。
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著者Profile
山下 長幸(やました ながゆき)
・英語リスニング教育の専門家。長年、英語リスニング学習を実践・研究し、日本人に適した英語リスニング学習方法論を構築し、サービス提供のため英音研株式会社を創業。
・英語関連の著書に「生成AIをフル活用した大人の英語戦略」「英語リスニング学習にまつわるエトセトラ:学習法レビュー」「なぜ日本人は英語リスニングが苦手なのか?」など17冊がある。