心に響く英語ことわざ（911）アメリカの牧師・公民権運動指導者マーティン・ルーサー・キング・ジュニアの名言　If you can’t fly then run, if you can’t run then walk, if you can’t walk then crawl, but whatever you do you have to keep moving forward.（どんな手段であっても前進し続けよ）

“If you can’t fly then run, if you can’t run then walk, if you can’t walk then crawl, but whatever you do you have to keep moving forward.”

直訳は「もし飛べないなら走れ、もし走れないなら歩け、もし歩けないなら這って進め。しかし、何をしても、とにかく前進し続けなければならない」で、似た意味の言葉に「牛歩の功」「諦めずに前進あるのみ」があります。

マーティン・ルーサー・キング・ジュニア（Martin Luther King, Jr.）の名言　

If you can’t fly…の意味 この言葉は、非暴力抵抗運動を主導し、アメリカの公民権運動において最も重要な指導者の一人であるマーティン・ルーサー・キング・ジュニア牧師が、「目標達成のための持続的な努力」と「希望の保持」の重要性について説いたものです。人生や運動の中では、障害にぶつかり、進む速度が落ちることは必然的です。しかし、最も大切なのは「立ち止まらないこと」であり、どんなに遅くても、どんなに苦しくても、目標に向かって一歩でも「前進し続ける」ことの倫理的な必要性を訴えています。

この言葉が意味すること この名言は、目標達成における「柔軟性」と「粘り強さ」の価値を説いています。

• 「fly then run… walk then crawl」（飛べないなら走れ…歩けないなら這え） これは、状況に応じて手段を変える「柔軟性」の必要性を説いています。最高のスピードや理想的な方法（fly）でなくても、今持っている最良の能力（run, walk, crawl）を使って行動することが重要であるという意味です。
• 「whatever you do you have to keep moving forward」（何をしても、とにかく前進し続けなければならない） 「keep moving forward（前進し続ける）」が絶対的な命題です。公民権運動においては、目標達成は長期にわたり、多くの抵抗と挫折がありました。そこで停止しない「粘り強さ」こそが、最終的な変革をもたらす力であると教えています。

似た意味の英語のことわざ

• “The journey of a thousand miles begins with a single step.” （千マイルの旅も、最初の一歩から始まる。） 最終目標がいかに遠くても、最初の「moving forward」の一歩が全てであるという意味です。
• “It does not matter how slowly you go as long as you do not stop.” （立ち止まらない限り、どれだけゆっくり進んでも構わない。） 同じく「進歩の持続」の重要性を説いています。

似た意味の日本語のことわざ

• 「牛歩の功」（ぎゅうほのこう） 牛の歩みのように遅くても、着実に続けることで必ず成功につながるという意味です。
• 「雨垂れ石を穿つ」（あまだれいしをうがつ） 弱い雨だれでも、同じ場所に落ち続ければ、いつかは硬い石に穴を開けるという意味。持続的な行動の力を説いています。

マーティン・ルーサー・キング・ジュニア（Martin Luther King, Jr.）の生涯

マーティン・ルーサー・キング・ジュニア（1929-1968）は、アメリカのバプテスト派の牧師であり、非暴力的な市民的不服従の戦術を通じて、人種隔離と差別の撤廃に貢献した歴史的人物です。

• モントゴメリー・バス・ボイコット運動 1955年、ローザ・パークスの逮捕をきっかけに起こったバス・ボイコット運動を指導。この運動は1年以上にわたる粘り強い「這うような（crawl）」戦いであり、最終的に連邦最高裁判所が人種分離法を違憲とする判決を下し、大きな勝利を収めました。
• 「I Have a Dream」演説 1963年の「ワシントン大行進」で行われた彼の最も有名な演説は、「飛ぶような（fly）」理想とビジョンを全米に広めました。
• 非暴力の徹底 彼の指導原則は、インドのマハトマ・ガンジーに影響を受けた「非暴力」であり、その理由は、暴力による「飛ぶような」勝利は一時的であるが、非暴力の持続的な「這うような」前進こそが、真の道徳的な変革をもたらすと信じていたからです。

名言の出典

この名言は、マーティン・ルーサー・キング・ジュニアが1960年代に行ったいくつかのスピーチや説教によって広く知られるようになりました。

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心に響く英語ことわざ（910）Facebookの創業者マーク・ザッカーバーグの名言　The biggest risk is not taking any risk.（虎穴に入らずんば虎子を得ず）

https://www.eionken.co.jp/note/the-biggest-risk-is-not-taking-any-risk/

心に響く英語ことわざ（912）アメリカの経営学者マイケル・ポーターの名言　The essence of strategy is choosing what not to do.（戦略は選択と集中）

https://www.eionken.co.jp/note/the-essence-of-strategy/

著者Profile

山下 長幸（やました ながゆき）

・英語リスニング教育の専門家。長年、英語リスニング学習を実践・研究し、日本人に適した英語リスニング学習方法論を構築し、サービス提供のため英音研株式会社を創業。

・英語関連の著書に「生成AIをフル活用した大人の英語戦略」「英語リスニング学習にまつわるエトセトラ：学習法レビュー」「なぜ日本人は英語リスニングが苦手なのか？」など26冊がある。

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