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公開日
2025.09.14
更新日
2025.09.14

心に響く英語ことわざ(678)米国独立に貢献したベンジャミン・フランクリンの名言 In this world nothing can be said to be certain, except death and taxes.(人生は不確実なことばかり)
“In this world nothing can be said to be certain, except death and taxes.”
直訳は「この世で確実だと言えるものは何もない、死と税金を除いては」で、これは、人生における「死」と、社会における「税金」という、二つの普遍的で避けられない事柄を、ユーモアと皮肉を込めて表現したものです。
ベンジャミン・フランクリン(Benjamin Franklin)の名言 In this world nothing can be said to be certain…の意味
この言葉は、アメリカ合衆国の建国の父の一人であるベンジャミン・フランクリンが、「人生の不可避な現実」について述べたものです。彼は、人生が、予測不可能で、不確実なことばかりである中で、この二つだけは、誰にとっても避けられない、確実な事実であると説いています。
この言葉が意味すること
この名言は、「人生の普遍的な真理」を強調しています。
- 「nothing can be said to be certain」(確実だと言えるものは何もない) フランクリンは、この言葉で、私たちが信じている「確実性」という概念を否定しています。彼は、人生が、どんなに計画を立てても、予期せぬ出来事や、状況の変化に満ちていることを示唆しています。
- 「except death and taxes.」(死と税金を除いては) この部分が、この言葉の核心です。彼は、人生の終わりを意味する「死」と、社会を維持するために不可欠な「税金」を、避けられないものとして並べています。この二つは、貧しい人にも、裕福な人にも、平等に降りかかるものです。彼は、この二つの避けられない現実を、ユーモアを交えながらも、深い洞察をもって表現しています。
似た意味の英語のことわざ
- “The only thing we have to fear is fear itself.” (我々が恐れるべき唯一のものは、恐れそのものである。) これはフランクリン・D・ルーズベルトの名言で、フランクリンの言葉が持つ、不可避な現実を受け入れるという精神と通じます。
- “Where there is a will, there is a way.” (意志あるところに道は開ける。) これは、強い意志や決意があれば、必ず成功への道が見つかるという意味で、その道は、避けられない現実を受け入れることから始まります。
- “A journey of a thousand miles begins with a single step.” (千里の道も一歩から。) これは、どんなに大きな目標でも、最初の一歩から始まるという意味で、人生の不可避な現実を受け入れることから、新しいスタートを切ることができます。
似た意味の日本語のことわざ
- 「蓼食う虫も好き好き」(たでくうむしもすきずき) 人の好みは様々であるという意味で、フランクリンの言葉とは直接的な関連性はありません。
- 「口は災いの元」(くちはわざわいのもと) 不用意な発言や嘘が、身の破滅を招く原因となるという意味。
- 「為すべきを為す」(なすべきをなす) 目先の利益や欲望を気にせず、自分がすべきだと信じる正しいことを行う、という意味。
ベンジャミン・フランクリン(Benjamin Franklin)の波乱万丈な生い立ち
ベンジャミン・フランクリン(1706-1790)は、アメリカ合衆国の建国の父の一人であり、政治家、外交官、科学者、そして発明家として、多岐にわたる才能を発揮しました。彼は、避雷針や二焦点レンズといった、多くの発明で知られています。
幼少期と勤勉な少年時代
1706年、ボストンの貧しい石鹸職人の家庭に生まれました。彼は、正規の学校教育をほとんど受けず、独学で様々な知識を身につけました。 彼は、その後、印刷所の見習いとして働き始め、やがて、フィラデルフィアで自身の印刷所を立ち上げ、成功を収めました。
政治家としての功績と晩年
フランクリンは、その後、政治の世界に入り、イギリスからの独立を目指す運動に参加しました。彼は、アメリカ独立宣言の起草にも貢献し、独立戦争中には、外交官として、フランスからの援助を取り付けました。 彼は、アメリカ合衆国の初代大統領であるジョージ・ワシントンと並び、建国の父として、尊敬を集めました。 彼は、晩年、奴隷制度に反対する運動に参加し、1790年に84歳で亡くなりました。 ベンジャミン・フランクリンの生涯は、貧困という逆境を乗り越え、その才能と勤勉さによって、アメリカという新しい国家の建設に貢献した物語です。彼の言葉は、私たちに、人生の不確実性の中で、変わらない現実を受け入れ、それにどう向き合うかという、深い教訓を与え続けています。
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心に響く英語ことわざ(677)古代ギリシアの哲学者アリストテレスの名言 Well begun is half done.(入念な計画)
https://www.eionken.co.jp/note/well-begun-is-half-done/
心に響く英語ことわざ(679)仏教開祖のブッダの名言 You will not be punished for your anger, you will be punished by your anger.(怒りによって罰せられる)
https://www.eionken.co.jp/note/you-will-not-be-punished/
著者Profile
山下 長幸(やました ながゆき)
・英語リスニング教育の専門家。長年、英語リスニング学習を実践・研究し、日本人に適した英語リスニング学習方法論を構築し、サービス提供のため英音研株式会社を創業。
・英語関連の著書に「生成AIをフル活用した大人の英語戦略」「英語リスニング学習にまつわるエトセトラ:学習法レビュー」「なぜ日本人は英語リスニングが苦手なのか?」など26冊がある。
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