- 英語リスニングに強くなる!英音研公式ブログ / 204.心に響く英語ことわざ2
公開日
2025.12.11
更新日
2025.12.12
心に響く英語ことわざ(898)フランスの画家エドゥアール・マネの名言 It is not enough to know your craft – you have to have feeling. Science is all very well, but for us imagination is worth far more.(技術は道具、魂が本質)
“It is not enough to know your craft – you have to have feeling. Science is all very well, but for us imagination is worth far more.”
直訳は「あなたの技術を知っているだけでは十分ではない。あなたには感情が必要だ。科学も素晴らしいが、私たちにとって想像力ははるかに価値がある」で、似た意味の言葉に「技術は道具、魂が本質」や「芸術は心で描くもの」があります。
エドゥアール・マネ(Edouard Manet)の名言 It is not enough to know your craft…の意味
この言葉は、印象派の先駆者とされるエドゥアール・マネが、真の芸術を生み出すために必要な要素について語ったものです。彼は、当時の美術界の主流であった、形の正確さや遠近法などの「技術(craft)」や「科学(Science)」偏重の態度を批判し、画家の内面の「感情(feeling)」と「想像力(imagination)」こそが、作品に命を吹き込む根源であると主張しました。
この言葉が意味すること この名言は、技術と精神性の関係を明確に示しています。
- 「It is not enough to know your craft – you have to have feeling」(技術を知るだけでは不十分だ—あなたには感情が必要だ) 「Craft(技術)」とは、描画法や解剖学など、訓練によって習得できる客観的なスキルを指します。しかし、マネは、それだけでは「魂のない描写」に終わると警告します。描く主題に対する情熱、喜び、怒り、愛といった「Feeling(感情)」がなければ、単なる写真のような複製になってしまうのです。
- 「Science is all very well, but for us imagination is worth far more」(科学も素晴らしいが、私たちにとって想像力ははるかに価値がある) 19世紀は写真や光学など科学が発達し、芸術にもその影響が及んでいました。しかしマネは、科学的な正確さや理論(Science)を超えて、新しいものを創造する力、まだ見ぬものを形にする力である「想像力(imagination)」こそが芸術家にとって最も貴重な資源であると断言しています。
似た意味の英語のことわざ
- “Art is the overflow of powerful feelings.” (芸術は強烈な感情のほとばしりである。) 詩人ウィリアム・ワーズワースの言葉。技術ではなく「感情」こそが芸術の源泉であるという意味で通じます。
- “Where the spirit does not work with the hand, there is no art.” (精神が手と共に働かないところに、芸術は存在しない。) レオナルド・ダ・ヴィンチの言葉。技術(手)と内面(精神=感情や想像力)の両方の重要性を説いています。
似た意味の日本語のことわざ
- 「技術は道具、魂が本質」 技術は自身の思いや情熱を表現するための単なる手段であり、作品の真価は内面の「魂」にあるという意味です。
- 「心で描く」 頭や理屈ではなく、情緒や感覚を大切にして制作する態度を表しています。
- 「芸術は爆発だ」 岡本太郎の言葉。論理や理屈を超えた、強烈な情熱とエネルギー(感情)を重視する点で共通します。
エドゥアール・マネ(Edouard Manet)の波乱万丈な生い立ち
エドゥアール・マネ(1832-1883)は、19世紀のフランスを代表する画家であり、伝統的な絵画と近代絵画の架け橋となった孤高の芸術家です。
- 裕福な家庭と海軍の夢 上流階級の裕福な家庭に生まれましたが、父の期待に反して海軍入りを断念し、画家を志しました。長くは芸術の学校で学びましたが、古典的な模範に従うことを嫌い、自らの道を探求しました。
- スキャンダルの的 1863年に「草上の昼食」、1865年に「オランピア」を発表した際、そのあまりにも斬新な表現(明るい色彩、立体感のない描写、現代的な裸婦像)が当時の人々に大きな衝撃を与え、スキャンダルとなりました。彼は、伝統を破りながらも、当時の美術の権威(サロン)に挑戦し続けました。
- 印象派との関係 彼自身は印象派の展覧会には参加しませんでしたが、モネやルノワールなどの若き印象派の画家たちに多大な影響を与えました。彼の絵画が持つ主観性と、本名を使わないで世間の理解や批判に屈しない態度は、彼が常に「技術」よりも「感情」と「想像力」を重視していた証拠と言えます。
名言の出典
書簡、または弟子や友人への発言より。エミール・ゾラへの書簡などで、彼の芸術観が明確に示されています。(※特定の著作名または公のスピーチの場所は不明)
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心に響く英語ことわざ(897)アメリカの作家エドガー・アラン・ポーの名言 Those who gossip with you will gossip about you.(口は災いの元)
https://www.eionken.co.jp/note/those-who-gossip-with-you/
心に響く英語ことわざ(899)「老人と海」で有名なアメリカの作家アーネスト・ヘミングウェイの名言 The rain will stop, the night will end, the hurt will fade. Hope is never so lost that it can’t be found.(明けない夜はない)
https://www.eionken.co.jp/note/the-rain-will-stop-the-night-will-end/
著者Profile
山下 長幸(やました ながゆき)
・英語リスニング教育の専門家。長年、英語リスニング学習を実践・研究し、日本人に適した英語リスニング学習方法論を構築し、サービス提供のため英音研株式会社を創業。
・英語関連の著書に「生成AIをフル活用した大人の英語戦略」「英語リスニング学習にまつわるエトセトラ:学習法レビュー」「なぜ日本人は英語リスニングが苦手なのか?」など26冊がある。
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